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Photo by
nekomi_i
希望を探すなら、闇の中に手をのばして◇ヘヴンアイズ
ほんの少しグロテスクで、圧倒的に美しい物語でした。
デイヴィッド・アーモンド『ヘヴンアイズ』。
孤児院を抜け出した少女と少年の3人組は、自作の筏で川を下り、ブラック・ミドゥンと呼ばれる泥の中で座礁します。そこで助けてくれたのは、手と足に水かきがある少女ヘヴンアイズと、老いた大男。「宝物」や「聖者」を探して泥を掘りつづける大男と、天使のように無邪気なヘヴンアイズと触れ合ううちに、3人はそれぞれの悲しみと向き合い、心を変化させていくのです。
希望の光は、真っ黒い泥の中を掘るように、闇の中に手をのばしてこそ見つかるもの。
そして、希望とは変化をもたらすもの。
望みつづけ、願いつづけてきたことが、いざ手に入るというときに、それを受け取るには勇気が必要です。
なぜなら変化は怖いもの。
変化に対して、恐れや不安があるのは自然なことだから、希望がもたらす変化を受け取るには、恐れに勝る勇気が必要なんですね。
岸から筏に飛び乗るのも、筏から岸に飛び移るのも、勇気がいるのと同じように。
冒険魂はどうしたんだよ。勇敢になってみろよ。
そう語りかけてくる物語です。
◇見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーから
nekomi_iさんの作品を使わせていただきました。
ありがとうございます。
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