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朗読フリーの作品

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こちらにある作品は基本朗読フリーとなっています。 ※朗読する際はこちらのアカウントにDMでご連絡ください。(https://twitter.com/jamasin6) 語尾の変更…
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#怪談朗読

霊園の地下駐車場(朗読:絢河岸 苺様)

これは知り合いの警備員Yさんから聞いた話。

K県のとある場所に小高い山と山に挟まれた霊園がある。
ふもとの部分に休憩場やメモリアルホール、事務局、駐車場などがあり、お墓は斜面に沿って段々になっている。
中規模だがそれなりに大きな霊園だ。

春彼岸のある日、Yさんは駐車場の案内整理をするためにその霊園に来ていた。
次々に訪れる利用者を駐車場の空いているところに案内したり、外で順番待ちをしてもらった

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メリーさんの〇〇 (朗読:絢河岸 苺様)

メリーさんの電話。
有名な話ですね。
でも、いまは固定電話がない家も増えてますし、あってもIP電話だとかで、昔と勝手が違ったり。
だから、メリーさんもいなくなるだろうって私は思っていました。
ところがこの間、小学校2年の娘が私に聞くんです。
「メリーさんって誰?」って。
私もいきなりなんだろうと思って、どういうこと?って聞いたらこんな話を聞かせてくれました。

これは娘がクラスメイトから聞かされた

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メリーさんはいま

※上記の企画にて空亡茶幻様にご朗読いただいています。ご興味のある方はよろしければ動画と併せてご覧ください。

メリーさんはいま、人間として暮らしているらしい。

俺はY。いま工事現場で警備員をしている。
「メリーさんね。あの子だったら、この前、会ったよ。元気にしてた」
隣にいたオッサンが突然そんなことを言いだした。
なんでそんな話になったのか、たしか飲み屋でどーでもいいことを話しながら店にあるテレ

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ある村の記憶(朗読:絢河岸 苺 様)

私が成人するまで住んでいたのはいわゆる、都会の田舎だった。
生活の一通りは近所で十分に揃い、東京が近いのが便利。
ただそれだけのところだった。
そこを離れて二十余年経つが、遠くに引っ越しわけでもない。
今でもたまに通りがかるが相変わらずあまり開けてはいない。
子どもの頃はそれがさらに顕著で、近所に養鶏場や小さな果物畑がところどころあり、最寄りの駅からは水田が見えた。

小学校低学年のころ、私は今よ

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祖父の傘 (朗読:冥賀小夜日)

※怪談募集企画『集まれ!怪談作家』第三回目にて「ゲスト賞」として読んで頂きました。

私の家には一本の傘があります。
祖父の遺品である特注品の和傘。
生前の祖父がそれはそれは大事にしていたものでした。
木造家屋の平屋に住み、和装を好んだ祖父でしたが、なにより好んだのは雨の日の散歩でした。
多くの人には陰鬱になる鈍色(にびいろ)の空も、空気を重たくするそのじめじめとした雰囲気でさえ、祖父は趣き深く感

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リクライニングベッド(朗読:絢河岸 苺様)

これは友人がとある職員として病院で働いていた時の話。
その病院には普段使われていない部屋がありました。
入院用の個室なんですけど、その部屋のリクライニングベッドにいわくがあり、どうしても部屋が足りないとき以外は使わないようにしていたそうです。
「スイッチを押してもいないのに頭の部分が勝手に持ち上がる」そんな誤作動がときどきあったそうです。
そして、この誤作動が起きた時、そのベッドを使っていた人は必

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バスが来ない (朗読:かすみみたま様)

当初は家に帰りたいという意味で言っているのだと、友人や施設の人たちは思っていた。
入所する人の多くがバスか自家用車で最初訪れる。
老人の場合はバスに乗ってだったから、同じバスに乗れば帰れると信じているのだとみんな思ったのだ。
それから、来る日も来る日も「バスはまだか?バスはまだか?」と老人は言い続けた。
「赤いバスはまだか?赤いバスに乗りたいんだ」そう繰り返した。

ある職員の一人が見かねて段ボー

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ケンさん

※怪談募集企画『集まれ!怪談作家』第二回にて第二位に選んでいただきました。以下、こちらにてその作品を公開しています。

最初にケンさんと出会ったのは5年ほど前のことだったと思う。

その日、私は仕事の処理がうまくいかず、憂さ晴らしと気分転換に隣町の飲み屋街に繰り出していた。
一軒二軒と行く間にだんだんと記憶が曖昧になり、最後に行った店で酔い潰れた。
そこがケンさん馴染みの店だったらしく、酔い潰れて

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祖母が見た狐火(朗読:はこわけあみ様)

これは祖母が幼少のころに経験した話です。
もう80年くらい前、年代でいえば戦中~終戦間際の頃ですから、町の中に街灯などは今ほどありません。
ましてや山の中など日が沈んでしまえば一面真っ暗。ひとたび迷えば慣れた人でも命の危険があるほどで、動き回ることはせず、朝日が昇るまで木のむろなどを探して隠れているしかありません。
祖母曰く、こういうときに助けてくれるのが『狐火』だそうです。
最初は遠くふわっと小

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虫の知らせ(朗読:はこわけあみ様)

珍しく今回は私がした実話を書かせていただこうと思います。怖い話ではありませんのでご興味のある方だけご覧いただければと思います。

小さなころからオカルトやホラーが好きなわりに、私自身は幽霊と遭遇したことはありませんでした。
では全く不思議な体験がないのかと言えば、”全く”ではないのです。
それは怖い話ではなく、どちらかと言えば不思議な体験で、よくいう虫の知らせというやつです。
経験としては三回、す

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コインロッカー(朗読:かすみみたま様)

その日、僕は駅の構内で友人を待っていた。
スマホに視線を落とすと時間は12時25分。
約束まではあと5分。友人から28分着の電車に乗ったとLINEがあった。
友人はいつも、時間どおりにくる。らしいと言えばらしいが、いつも早めにくる自分に少しは合わせてくれてもいいような?と思わないでもない。
ま、自分も友人に合わせる気がないからどっちもどっちか。

『ここを開けてくれ……』

突然、背後から男の声が

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トンネルの夢(朗読:酒処あやかし 絢河岸 苺様)

その夜、私はトンネルの夢を見た。
幼いころを過ごした家の近くにあったトンネル。高架橋の下にある、短いが大きくて広い。電線込みで電車が十分に通れそうなほど縦にも横にも広がっていて、しかし長さは10メートルと少しくらい。
当然、向こう側の景色は見渡せるほどに(といっても梨畑だけだったが)開けていて、昼間でも多少薄暗くはあっても明かりに困るようなことはなかった。

しかし、その夢の中で私は“向こう側”を

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手を振る子供(朗読:冥賀小夜日様)

私は警備員のバイトで生計を立てておりまして、その日の現場はとある葬儀場の駐車場でした。
住宅街の中にポツンとある三階建てのビルで、一階が受付と斎場、二階が斎場、三階が事務室という比較的こじんまりとした感じの葬儀屋でした。
ビルの隣に10台くらいが止まれる駐車場があり、その前に歩道と比較的幅広い道路がありまして、その歩道が小学校の通学路になっています。
出入りする車と小学生が接触しないようにと呼ばれ

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山奥の水鏡(朗読:かすみみたま様)

とある休日に、私は妻と娘二人を乗せてドライブをしていた。
行先は山奥の古寺だという。
なんで休みの日にそんなところにと思わないでもないが、私を除く三人が乗り気なのだからどうしようもない。
私は渋々ハンドルを握りながら、それでもいい年をして親の休日に付き合ってくれる娘に相好を崩した。
なんでもその寺の境内にある手水舎(ちょうずや)にある水鏡(みかがみ)の噂をたしかめに行きたいとのことだった。
一体全

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