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#短編
夜中のドライブ(短編)
だから、夜中のドライブなんて行くもんじゃないって言っただろ?
いや、そりゃ気持ちは爽快になるさ。
でもよ、調子に乗って、遠出しすぎだ。
帰る頃にはいい時間。
明日も仕事があるってのにうっかりすっかりだ。
ま、嫌な客のこともいけ好かない上司のことも、ちょっとの間だけ忘れられたがね。
だからって地図も見ないで思い気ままに走らせるのも良くない。
できれば大通り、人が多く通るところのほうがま
充分ではない(短編怪談)
祖母と私はともに霊感らしきものがあった。
あくまでそれは「らしき」ものだった。
例えば道を歩く血まみれの女性の幽霊が見えたりとか、首のない青年が駅のホームで頭を探していたりとか、そういう光景が見えるわけではない。
どことなく、あそこに行ってはいけない気がするとか、今日は大事な電話(だいたいの場合は悪い知らせ)がくるから外出しない方がいいとか、そういうことが分かるだけだ。
じゃあどうすればい
短編怪談「彼が悲しそうな理由」
久しぶりに会った友人は学生の頃とは打って変わって寡黙で雰囲気も暗かった。
一体、クラスのムードメーカーになにがあったのか。私は彼の話を聞くことにした。
彼は悲しそうな顔で話し始めた。
「大学の時に事故に遭ってさ。頭を強く打ったらしくて、一命は取り留めたんだけど。」
そこで一度言葉は途切れた。
「後遺症があるのか?」
心配そうに聞く私に彼は答える。
「そう……なるかな。その事故以来、幽霊がね見えるよ