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ライトノベル マークの大冒険 もうひとつの歴史

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イングランド国教会が設立したアカデミーに通うマークは、英国式の蔦這う赤煉瓦造りの美しき校舎でキャンパスライフを送っていた。日本で初めてキュレーター養成過程(博物館・美術館の収蔵品…
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2024年1月の記事一覧

マークの大冒険 古代エジプト編 | 放課後のアレクサンドリア書房

マークの大冒険 古代エジプト編 | 放課後のアレクサンドリア書房

日本・東京_____。

放課後、マークは友人の橘と校門まで歩きながら話していた。

「研究は何と言っても、文献が命!文献は研究者の武器だ。強い武器を持っていれば有利に戦えるように、優れた文献は研究者の心強いパートナーとなる」

マークは、持論を力説していた。

「クラスの中でもお前は一人だけ飛び抜けてるよ。みんなやっと受験を終えて、これから遊びムードだってのに」

「大学とは、学ぶために来る場所

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マークの大冒険 常闇の冥界編 | 遅すぎた真実

マークの大冒険 常闇の冥界編 | 遅すぎた真実

赤煉瓦のキャンパス、旧校舎の教室にて_____。

教室の窓は、小さく開けられていた。その隙間から入るそよ風がカーテンを静かに揺らしている。この時間帯の陽光はカーテンを黄金色に輝かせ、教室の中を優しく包み込む。宙に舞う埃さえ、宝石のように煌めき、全てが愛おしく見えた。そんな日の放課後、俺たちは先ほどまで考古学の授業が行われていた教室で、互いの夢を語り合っていたんだ。

「これ、読み終わったから貸す

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