マガジンのカバー画像

ライトノベル マークの大冒険 もうひとつの歴史

98
イングランド国教会が設立したアカデミーに通うマークは、英国式の蔦這う赤煉瓦造りの美しき校舎でキャンパスライフを送っていた。日本で初めてキュレーター養成過程(博物館・美術館の収蔵品…
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

マークの大冒険 フランス革命編 | タンプル塔脱出作戦

マークの大冒険 フランス革命編 | タンプル塔脱出作戦

真っ暗闇の中、マークが倒れている部分だけがスポットライトのように照らされている。しばらくすると、倒れていたマークが目を覚まし、起き上がる。

「ここは?」

マークは当たりを見渡すが、周囲は真っ暗闇で遠くの方に僅かに青白い光が幾つか見えるだけだった。

「あれからボクは、確か身体が急に透け始めて、それで消えた。ホルスがボクの腕を掴もうと、叫んでいたような気がする。ボクは一度消えて、ここに来た?」

もっとみる
マークの大冒険 フランス革命編 | マリー=アントワネット奪還作戦

マークの大冒険 フランス革命編 | マリー=アントワネット奪還作戦

「マジかよ、ボクが消えるのか?そんな......」

マークの身体が透け始めていた。彼は自身の透けた手を見て驚きを隠せない表情でいた。

「おい、嘘だろ?!行くな、マーク!!」

どんどん透けて薄くなるマークを見たホルスは、マークの腕を掴もうとするが、容易くすり抜けた。

「ホルス、助けてくれ!!」

マークの悲痛な叫びが轟いた。その叫び声の後、彼の姿は完全に消えた。

「マーク、どこだ!どこに行

もっとみる
マークの大冒険 フランス革命編 | エジプト遠征での秘密

マークの大冒険 フランス革命編 | エジプト遠征での秘密

4月、校門の先には桜の花びらの絨毯が続いている。大学のキャンパスを照らす春の優しい陽光。そんな穏やかな光が窓の先にある教室を包んでいる。教室では、マーク教授による第一回目の講義が行われていた。

「始めに言っておこう。ボクの授業では、寝ていても、ゲームをしていても、違う授業のレポートをしていても構わない」

マーク教授の発言に生徒たちの驚きの声が上がった。

「なぜなら、学生時代のボク自身がそうだ

もっとみる