【呼吸法エッセイ】 誰にも気づかれず”ここ”をチューニング。
座る時間が長いと言われる現代人。
前屈みになりがちと言われる現代人。
疲れが溜まっていると言われる現代人。
このままじゃ良くない!
姿勢を正すエクササイズとかしなきゃ、
でも……面倒な時もあるんだよなぁ、
あ、面倒っていうのは嫌いではなくて、
あくまで好きのテリトリーなんだけど。
気がついたら姿勢が正せてる魔法とか、
誰か知らない?
ひと昔前の私はこんな感じでした。
そこからヨガに出会い、
呼吸法に出会い、
体軸エクササイズが日課になって、
いつの間にか、
「姿勢が良いですね」
なんて声を多くいただくようになりました。
と言っても、
そっか私って姿勢が良いのかな🤔
くらいにしか捉えていなかったのですが、
この人綺麗だなぁ、
とか
あの人格好いいわ
と思った人はみんな姿勢が良いんですよね。
これは決して見た目だけの話をしているわけではありません。姿勢が良いから所作も映えるし、表情筋が正しく動くのか、表情がより綺麗に思えます。
姿勢が良くなるということは、
正しい位置に骨が収まり、
骨にくっつく筋肉(骨格筋)も
スムーズに働きやすくなります。
つまり、筋肉の負荷が分散される。
だから所作に不自然さがなくなる、と私は思います。
それは分かったけど、じゃぁどうやって姿勢を正したらいいの?
今回は私が10年以上も続けている
クイックに姿勢を正す呼吸法を
僭越ながらシェアさせていただきます。
体幹作りで姿勢美人。
私のクイック呼吸法
○呼吸法に慣れていない方⬇️
腹式呼吸と胸式呼吸をそれぞれ10回ずつ
行いましょう。
これだけでもシャキっとします。
【腹式呼吸】
①鼻から吸ってお腹を膨らます。
この時、前だけ膨らみやすいので、横も後ろも360度お腹を膨らますイメージで。
ゴムボールがお腹の中にハマっていると思って、中心から膨らませてみましょう。
②鼻から吐いてお腹を凹ます。
鼻が苦しい時は口からでもOK
この時ゴムボールが全方向から縮むように吐きます。
吸う吐くで1回とし、
10回続けます。
【胸式呼吸】
①鼻から吸って胸を膨らます。
今度は風船をイメージしましょう。肩下まで空気を吸い込んで、風船を膨らます。ですが、お腹まで膨らまないように気をつけましょう。
肋骨の下がちょうど風船の結び目だと思うと、お腹がつられて膨らみにくくなります。
②鼻から息を吐き切る。
鼻が苦しい時は口からでもOK
風船がしぼんでいくイメージをしましょう。
吸う吐くで1回とし、
10回続けます。
○腹式呼吸、胸式呼吸法に慣れている方⬇️
今度は横隔膜を意識。
横隔膜は胸とお腹の間にある、ちょっと不思議な筋肉。
ドーム型になっていて、右側が少し高いのは、下に肝臓が位置しているからなんですね。
横隔膜は呼吸によって無意識に動いています。ですが、意識的にも動かす事ができる筋肉なんです。
ちょっと理屈っぽく言うと、
不随意筋でありながら随意筋でもあります。
息を吸う時横隔膜は下がります。
そして肺が広がります。
逆に息を吐く時、
横隔膜は元の位置に戻ります。
この動きを活用します。
先の腹式呼吸を思い出しましょう。
①息を吸う
息を吸った時に、横隔膜が下がっていくのを感じます。
②息を吐く。
この時、横隔膜が元の位置に戻りそうになるんですが、それを「ちょっと待った」とできるだけ下の位置でキープ。
この横隔膜が下がった状態で呼吸を続けます。
それは分かったけど、
なぜに横隔膜を下部でキープするのか。
それは、膨張構造を働かせたいから。
横隔膜がちゃんと下がると
肺が広がります。
これは胸郭や背骨周りの筋肉が自然と伸びることを助けます。
よって、体幹(お腹周りの筋肉、コア)も安定しやすくなるので姿勢がよくなります。
これには腹腔の内圧が関係してくるらしく、
まさに体は「空間」で成り立っているのかな、なんて思います。
横隔膜を意識した呼吸をすると
内側から身体が膨らんで
中から上に伸びようとする動き
を毎回感じています。
姿勢ブスだな私、
と感じたら、こんな感じで誰にも気づかれず、座っている時でさえも横隔膜呼吸(勝手にそう呼んでます)を行っています。
さらなる応用編⬇️
横隔膜を意識的に下げられるようになったら、
〇会陰部を締める(おしりのバンダ)
〇お腹を引き上げる(お腹のバンダ)
〇アゴを引く(のどのバンダ)
を意識します。
ちなみに「バンダ」とはヨガ用語で「締める」という意味です。
エネルギーをコントロールするための技法、なんですね。
特にバランスや強さが要求されるポーズの時は、このバンダ3点を意識します。
私の経験上、
横隔膜を下げてバンダを意識すると
動きが動きを生み、
連動(つながり)が出来あがります。
この連動は無理がないというか、
身体が中心から動く不思議な感覚に陥ります。
横隔膜とバンダを意識しないでポーズをとったり、動くことはできます。
ですが、それではただの”動き”で終わってしまうんですよね。
うまく言えませんが、
0から1に向かうエネルギーがそこには無い、そんな感じです。
姿勢を正すだけじゃない
リラックス効果を高める呼吸法
それは丹田呼吸。
丹田はエネルギーの源となる場所。
丹田と言っても下丹田のことで、
おへそ下5.6センチにあると言われています。
私がヨガを習いたての頃は、
へそ下三寸といって9センチくらい下、
と言われていたんですが、
今は5.6センチ下くらいと表記されているようですね。
要は目で見えるわけじゃ無いので感じるしかない、というのがこの丹田。
ゆえに、これが絶対丹田!
って言いきれないのですが、
私の確認の仕方は二つ。
①「あ、あ、あ、あ、あ、」と結構大きく連呼する。
そしたら下腹の強くなる部分があります。そこが丹田と捉えています。
いや、そんな事したら気づかれるどころか、変に気遣われるよ。
ではこちらはどうでしょう
②鼻から息を「スッスッ」と吐く。
吐くたびに下腹を意識して凹ませてください。
そしたら何となく強くなる部分があるんです。
そこが丹田です。
もし、スッ、スッの鼻息も気づかれそうな距離に誰かがいるのであればこんなイメージをしてみてください。
おへそ下から骨盤底まで中は丸い空洞になっいます。そのど真ん中にフワリ、キラリと光る丹田ボールがあると思いましょう。
その丹田ボールをただ感じます。
頭がいっぱいいっぱいになっている時は
腹式呼吸や横隔膜呼吸でこの丹田ボールを
ぼーっと感じます。
あの〇ラゴンボールを守っているような
優越感にちょっとだけ浸れます(あくまで個人の感想です)
身体はいつの間にやら
しわくちゃになっている
呼吸法の良いところは、外部による力で身体をリセットしなくても済むというところ。
しわくちゃのしぼんだ風船の皺を
いくら外から伸ばそうしても伸びません。
それには内側からの自力という圧力が必要。
しわくちゃのしぼんだ風船は、習慣、クセ、庇うことなどによってできた身体の力み。
だから内側からしっかり膨らませてあげるんです。
内側から身体が膨らむと
バランスよく立てるし座れるし、
姿勢良く歩くことができる。
だから呼吸法が大事なんですよね
ここまで説明しておいてアレなんですけど、
私も講師でありながら生徒でもあります。
ですので、お伝えの仕方は基本的には大きなところでは変わらなくとも、小さなところで常に変化しています。だから変わります。
どんな呼吸法もポーズもエクササイズも
完全完成系なんてなくて、
完成形と表しているのはあくまで「仮」
常に身体は変化中。
だから完成系を完成できないんです。
でも、一旦は仮のカタチを作らないと、
次が見えない。
そもそも物事の最初の一歩自体が「仮状態」だから。
(この考えは哲学者のドゥルーズに影響されてます🫡)
こんな風に身体との対話を楽しむと、
今日はこの呼吸法を試そうかな、
あのエクササイズに挑戦しよう、
フローでつなげようかな、
と勝手に動きたくなるんですよね、不思議。
呼吸法の科学的ベネフィット
セロトニンの第一研究者とも言われる有田秀穂先生いわく、
丹田を意識した呼吸法を行うことで、
人間の幸福感や精神の安定に関係する
セロトニンの生成が高まるとのこと。
セロトニンはリズム運動で促される、
っ言いますからね。
その約90パーセントが腸で生成されるそうです。
丹田呼吸法は、その名の通り呼吸法です。
呼吸法自体がリズム運動なので、自然とセロトニンの味方になるようですね。
他にも呼吸法自体のベネフィットは、
調べれば色々確認できます。
集中力が高まる
精神が安定する
姿勢が良くなる
お腹周りが引き締まる
個人的に感じた他の良い点は
声も発生しやすくなったり、
ニセの食欲が消えたり、
イライラがおさまったり⭐︎
最近の呼吸法に関するライフログ読書はこれでしたが⇩
📚 「ダイエット、腰痛、ヨガ、姿勢改善、健康アップ、スポーツのための 丹田の新しい教科書」
著:北川哲司
先述した丹田のことはもちろん、
正しい呼吸法、丹田の感じ方など、
瞑想の仕方など
丁寧に分かりやすく描写されていました。
立っている時よりも座っている時の方が
姿勢が崩れがちなので、
そんな時こそ
☝️横隔膜呼吸
☝️バンダ意識
を行い、
頭が疲れた、
心のチューニングをしたい、
そんな時は
☝️丹田呼吸
が現代人に必要な呼吸法である、
と私は思います。
程よくゆるく、程よく緊張の
上虚下実を目指す!
姿勢の良し悪しは第一印象を大きく変えますからね。
呼吸法を続けて、
芯からあったまりましょ😊
と、今日は先生チックにお話させていただきました。
講師歴は、大人、子供も合わせて16年ほど。
最初はスタジオ勤めで教えておりまして、
児童館、幼稚園、会社、お寺、高校なども出張で何度も行かせていただきました。
今は再び生徒に戻って
体軸と呼吸のバランスエクササイズを
(BCトータルバランス)
正式指導者の鍼灸師の先生方のもとで
長く学ばせていただいてます。
しゃろん;はどの立場で話しているんだ
と思いの方もいらっしゃるかと思いますので、説明させていただきました。
ですが、あくまで私の視点と経験からの
説明と解釈であり、
私個人は医療従事者ではありませんので、
お身体に疾患や気になる症状がある場合は、
必ず医療の専門家やお医者様と相談されてから行うようにしてくださいね。
あなたのお身体はあなたしか守れませんから。
本日も最後まで読んでいただきまして
ありがとうございました。
しゃろん;