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日本一の野球チームとの縁
「趣味は野球観戦とのことですが…」
先週前半の取材での一幕で、相手のTさんは20代後半の女性です。
「はい」
「今年は良かったか、悔しかったかでいうと…」
「良かったほうです。でもこの土日でちょっと…」
「あ、はいはい。わかりました。先週あたりはめちゃくちゃ機嫌が良かったわけですね」
「そうなんです」
「実は私、監督と同郷なんですよ。出身が奈良なんで」
「あ、そうなんですね」
今日、日本シリーズの中継を見ていて、Tさんのことを思い出しました。今日はスタジアムに行っていたのでしょうか。あるいはテレビ観戦だったのでしょうか。いずれにしても、横浜DeNAベイスターズの26年ぶりの日本一をとても喜んでいるのは間違いないでしょう。
私は千葉ロッテマリーンズのファンで普段DeNAの試合を見ることはないのですが、実は接点がいくつかあります。まず三浦大輔監督は同じ奈良県の出身で、本日4打点の筒香嘉智選手は父と同郷(和歌山県橋本市)です。そして、奈良県某所で働く私の末弟はずいぶん前からDeNAを応援しています。
中でも感慨深かったのは、今シーズン途中で古巣に復帰した筒香選手の大活躍です。日本での打者成績は大谷翔平選手を上回っていたもののメジャーリーグではほとんど通用せず、DeNA復帰後の成績も平凡なものでした。しかし、そんな彼が日本一を決める試合で5番に起用され、素晴らしい活躍を見せたのです。
きっと、彼にとって今日は野球人生で最高の1日になったでしょう。そう思うと涙が出てきました。
そして、自分もいつか、取材ライターとして最高の瞬間を迎えてみたいと思いました。それが何なのか、そもそも存在するのかもわかりませんが、少しでもその可能性を高められるように、不遇でも腐ることなく日々頑張っていきたいものです。
そのうえでまず、すべきことが1つあります。執筆中の原稿を提出する際に「Tさんに『日本一おめでとうございます』とお伝えください」という一文を追記することです。