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5.その人らしく生きるために

難病「特発性間質性肺炎」と診断され余命宣告までされた母
治療薬がなく、途方に暮れていたさなかで
ようやく認可の下りた薬を使い始めました。
本人や家族にとっては希望の光が見えた気がしたのですが…

久しぶりに会った母の状態に愕然としたんです。
なんでだと思います?
薬の「副作用」があまりにも酷かったからです。

食欲不振、下痢・嘔吐、めまい、倦怠感など
本当に辛そうでした。

げっそりやつれて、元気な時の体重から約30kg以上も減っていました。

食欲がない、食べたくない
けど、十何錠もの薬を飲むために無理矢理食べる。
口に入れて少しするとトイレに駆け込む。
夜中も下痢が酷くてトイレに篭りっぱなし。
こんなに辛くて睡眠不足でも、朝を迎えればまた薬を飲む。

食事は薬を飲むための行為
「食べないと薬が飲めない」
本来楽しむはずの食事の時間が、義務的で億劫で憂鬱
それが毎日3回もある。
しまいには飲み込むことも一苦労。

これって何の意味があるんだろ?

「食べるご飯の量よりも薬の量の方が多い」
そんなこと想像できますか?

母は病気の進行の前に薬に殺されてしまうんじゃないか。
そんな恐怖にも似た感覚を覚えました。

そんな母を目の当たりにして、
「闘病」の辛さ・恐ろしさ
それをみてることしかできない家族の虚しさを
身をもって感じました。

元々とても活気があり、体格も大きな母が
見る見るうちに気力が削がれ、痩せて小さくなり、骨ばっていく。
常に酸素ボンベを連れて歩かないと息が続かなくて
外出もほとんどしなくなりました。

Quality Of Life(QOL)という言葉をご存じでしょうか?

直訳すると「生活の質・人生の質」という意味ですが、
生活や人生の豊かさを指しており、
経済的な豊かさだけではなく、
身体の健康はもちろんのこと
「生きがい」とか「自己実現」といった
精神的な「満足感・幸福度」もとても重要とされています。

母の病気を経験し
「病気の恐ろしさ」と「薬の副作用の辛さ」を知るとともに

「その人がその人らしく生きるために」

どれほど心身の健康が有り難いことか、
さらに、その健康を維持していくことがどれほど重要かを思い知らされました。

「病気になったら病院に行けばいい」
「痛くても痛み止めを飲めば大丈夫」

よく耳にする言葉ですが、
病気になってからでは遅いんです。
薬はメリット・デメリットがありますし、万能ではありません。

重要なのは「身体を壊さない」ことです。

私自身の病気でもお話したように
日頃からの積み重ねで、私たちの身体は作られています。

病気も、慢性的な関節痛も、健康も、
全てが積み重ねです。

これまでの私の経験から、もっと多くの人に
「予防」の必要性や「健康」の有り難さを伝えていくことで
その一助になることが私の役割だと思っています。

理学療法士として病気や怪我・手術の現場を知ったうえで
現在「骨を整える」施術を提供しています。

良い姿勢・歩き方への改善が
「病気・怪我・慢性痛の予防」
「身体の悩み・不自由さの改善」
に繋がっていきます。

それらを皆さんと一緒にコツコツ積み上げていけたらと思っています。


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