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【AP】令和6年秋午後問9プロジェクトマネジメントの解説(応用情報技術者試験)
このNoteでは「応用情報技術者試験 令和6年秋午後問9(プロジェクトマネジメント)」を解説します。
問題構成は、文字数多め、解き始め遅め、作文メインで、ちまちまとデメリットを積み上げてくる印象でした。
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あんまり選びたくないですね。問2, 9, 10, 11の状況を見て、他がヤバかったら選ぶぐらい。
解いた印象。点数は取れる設問ではあります。ただし問題文にヒント/答えがあるとはいえ、低い品質の解答。「ほんとにそれでいいの?」「意味あるの?」と共感できない模範解答でした。
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難しく考えちゃう人は、損をするかと。5~6割は切らないですが、勿体ない失点はしますね。
問9を避ける必要性はないですが、他に良さそうな問題があれば敢えて選ぶ理由もないぐらい。逆に他に良さそうな問題がなければ、選ぶしかない問題でした。
このNoteでは、私がIT以外の学生時代にAPに独学合格した経験と、大学・IT専門学校で応用情報技術者試験の対策授業を担当した経験を詰め込んで作りました。
それでは始めましょう!
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設問1(1) | 同じ言葉を探す
模範解答は「消費者向けのヘルスケア市場に進出」
設問文で「市場」が問われているので、問題文から「市場」を探します。探すのは、下線①より前でしょう。
46頁:「製造業向けの産業機械市場」
今までの市場の特性なので関係なし46頁:「消費者向けのヘルスケア市場」:関係あり
47頁:「産業機械市場」
今までの市場の特性なので関係なし
このヒントで模範解答は書かれています。
設問文の「特性」の捉え方が、私には難しかったです。今までの事業とは「異なる特性」なので、機械じゃなくて消費者かな、など考えました。「どんな市場か」とストレートに問われたいですね。
私の解答は「製造機械メインでなく消費者向けである市場」20文字。不正解かなぁ。機械相手ではなく人間相手である旨。下線①(特性)後に「新市場に新サービスを提供」とありますから。
「消費者向けのヘルスケア市場に新規参入」18文字。新規参入(未体験の挑戦)が特性かなと。これは正解でしょう。模範解答とほぼ同じですが。
今回の問題演習の鍵は、設問文で「市場」が問われているので、問題文から「市場」を探すこと。長文解法の基礎をまとめたのでどーぞ。>長文問題の6解法Note
設問1(2) | 同じ言葉を探す
模範解答は「健康増進に関わるサービスの提供」
設問文にある「製品・サービス」を問題文から探します。
今までの事業については「関係なし」と判断します。
46頁:IoTセンサーなどの機器:関係なし
46頁:生体センサーを~新たなサービス:関係あり
46頁(1):高齢化に伴う未病対策といった健康増進に関わるサービス:関係あり
46頁(1):医療機器製造業で健康増進に関わるサービス
:他社(R社)なので微妙46頁(1):運動を促す行動変容サービス:関係あり
46頁(2):生体センサーと連携した消費者向けのWebシステムを開発して新サービスを実現:関係あり
以上から、20文字に収まるものを模範解答にしていますね。
さて模範解答が問題文から抜き出しただけなので。「運動を促す行動変容サービス」13文字も良さそう。「消費者向けのWebシステム」13文字は健康面が含まれてないのでキビシイかな。
私の解答は「一般人でも使えるWebシステムである」18文字。不正解なのかなぁ。今までの製造業向け・職人向けではなく、介護士や高齢者が使えるのを特性と考えました。わざわざT社を買収してUX/UIに注力してますから。
設問文の解釈が合わない・ズレてしまうことはあります。それでも設問1(1)と同様、「設問文の言葉を問題文から探す」解法の練習を続けていきます。>長文問題の6解法のNote(1)
個人的には微妙。「特性」ってほどか?と。設問1(1)(2)の解きづらさ、解答の自信のなさから、私は、撤退を考えるかも。そもそも問題構成の見た目の段階で積極的に選ばないですが。
設問2(1) | まずは情報を掻き集める
正答は、イ(適宜プロジェクトの進捗と成果を報告する)。
正解できましたよね。論理よりは感覚的な問題なのが、ちょっと気持ち悪いですが。なるべく客観的方法で解いていきますね。
下線②は「R社のS氏」への対応・対策なので、問題文からS氏の特性・性格などを集めます。
46頁(1):「連携に消極的だが、~R社経営陣から指示されている」
47頁中盤:「本プロジェクトの成否や成果に強い関心をもっており、新事業が順調に立ち上がれば、提携に積極的な態度に変わるものと期待できる」
以上より、S氏は、新規事業には消極的だけど、進捗や成果には強い関心があり、上手くいくなら態度が変わる可能性がありそうです。
ア:打ち切るのもアリかもですが、R社経営陣は乗り気なようですし。そもそも問題文は打ち切りに言及してません。
イ:正しい。適宜報告して、上手くいっていることが分かれば好印象になりますから。
ウ:情報を秘匿すると、悪印象です。S氏は強い関心がありますから。
エ:ウと同じ。S氏は強い関心があるので、詳しく知りたいはず。
自分の感覚やセンスが効く時もありますが、まずは問題文から情報を搔き集める解法手順は変わりません。以前、各社員の経歴から適任者を選ぶ問題がありました。>APR05秋問9の解説Note
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設問2(2) | アジャイルの特性
模範解答は「サービス開始までに仮想検証プロセスの反復が必要だから」
正解できます。
下線③「アジャイル開発」の特性は、設計そこそこ・途中の仕様変更に柔軟に対応・開発期間を短縮などでしたね。
アジャイルの特性が必要となるプロジェクトの性質を探します。
47頁始め:「先進的なユーザーに参加してもらって検証する」:ユーザーのフィードバックで改良するはず。
47頁中盤:「顧客中心の考え方に基づいて~」:やはりユーザーの意見を重視するみたい
47頁中盤:「体験価値を確実に実現できるまで仮説検証プロセスを反復してから~」:何度も検証を繰り返している
48頁前半:「各メンバーが本プロジェクトへの~達成できる」:メンバー各自のモチベが大事
48頁前半:「他のメンバーとの協働や~不安を感じている」:不安解消が必要
目立ったのは、顧客中心の考え方を重視したいので、テストユーザの意見を大事に、仮説検証を繰り返して、体験価値を実現する流れ。
以上より模範解答に辿り着きます。「サービス開始までに仮想検証プロセスの反復が必要だから」。
別解もあるかと。「先進ユーザの意見を取り込んで仕様変更を繰り返すから」25文字。意見を1度聞くだけでは、手戻りは1回。繰り返すからこそ柔軟かつ迅速なアジャイル開発が適していますから。
アジャイル開発を復習しましょう。大きめにとってスクラム開発まで視野に入れます。用語問題は知らなければ狩られます。同じ問題は出なくても、少しずらした問題は出ます。
>【Iパス】アジャイル開発のNote
>【FE】アジャイル開発のNote(スクラム開発含む)
設問3(1)a, b | グループ用語は2重解法で
軽減(低減も良いかと)
受容 か 保有
表3の項番3が「省略」ではなく、「軽減」などが書かれていたら分かり易かったんですけどね。とはいえ、設問文に「2字」と書いているので、「軽減」「回避」「保有」「転嫁」と考え至るはず。
今回リスク対応が出たので、少し大きめにアセスメントまで復習しておきましょう。用語問題は知らなければ確実に狩られますからね。
>【Iパス】リスク対応4用語のNote
>【Iパス】リスクアセスメント+リスク対応Note
aの表3項番1。意思決定が遅れないようにしたら、プロジェクトの進捗が遅れる可能性は低くなるので「軽減」。
プロジェクトの遅延は別原因があり得るので、「回避」するまでの根本解決はしないかなと。「回避」は、個人情報漏えいリスクなら、個人情報を取り扱わないなど、根絶やしにするぐらい強い対策です。
bの表3項番2。開発が完了しなかったら、開始日を延期しています。遅延を受け入れて延期しているので「保有(受容)」。
消去法でも確認。完了遅れを「軽減」「回避」もしていません。他社に委託して「転嫁」もしていません。
正解一発引きをした後は、消去法でも同じ結論になりそうかは確認してください(2つ残るなど不完全でもOK)。二重に解答を裏付ければ強いですね。
設問3(2) | 同じ言葉を探す
模範解答は「各メンバーが本プロジェクトへの貢献についての認識に基づいて活動できるから」
なんともよく分からない問われ方と模範解答ですよね。そりゃそーだろとしか。しかも問題文そのまま。
仮に設問文が「C課長はなぜ不安がなければ、本プロジェクトの目標が達成できると考えているか」でもキビシイかなぁ。
模範解答を知ったからこその解法ですが。表3項番3の「プロジェクトの目標う達成」「不安」あたりをキーワードに問題文を探すと。
48頁中盤。「各メンバーが本プロジェクトへの貢献について~本プロジェクトの目標は達成できると考えた。一方、各メンバーは~不安を感じていることが分かった」。つまり本来は目標達成できるけど、不安が阻害してる旨。
正直「不安が問題になってたから、排除したらそりゃ達成するでしょ」と思ってしまい言語化しにくいですね。
設問3(3)c | 同じ言葉を探す
正答は、「顧客への体験価値の提供」
正解できます。
空欄c後の「本プロジェクトの最優先の目標なので」より、「目標」を問題文から探します。
47頁中盤。「本プロジェクトには新たな視点での目標設定が必要である。そこで、~、顧客への体験価値の提供を、本プロジェクトで最優先に達成する目標に設定した」。
以上より、模範解答の「体験価値の提供」に辿り着きます。制限も15文字と短いので、抜き出し。改変しても語尾ぐらいなものです。
まとめ
お疲れ様でした!
思い返せばになりますが、「設問文の言葉を問題文から探す」解法が多かったです。
いつもは問題文のここだ!と特定できるのに、洗いざらい候補を挙げてから選ぶ作業は初めてでした。また模範解答は「そりゃそーでしょ」や「問題文そのままが解答でいいの?」というレベル。専門知識やセンスを問う問題には思えませんでした。
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そもそもですが、問9PM, 10SM, 11監査は「文系問題」と呼ばれるので、国語の問題の特性が強い傾向にはあります。
リスク対応などの午前レベルの用語は、午後でも出てきます。
会計用語・マーケティング用語を書かせる問も出るので注意しておいてください。完全に知識ゼロ&国語力で解くわけではありません。
例えば、PEST分析・ファイブフォース分析・コモディティ化は午前問題では選択肢で答えられても、午後問題では記述で問われます。しっかり記憶しておきましょう。>APR06春問2の解説Note
引き続き過去問演習をしていって合格してくださいね。でわでわ。
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