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センバツ「大阪ゼロ」。98年ぶりの衝撃。飛ばないバット、監督交代が遠因?チーム強化には堅守が必須?2017年の選抜決勝は「大阪決戦」だったのに

高校野球にあまり詳しくない人でも、「選抜に大阪からの出場ゼロ」と聞けば驚くだろう。大阪桐蔭や履正社といった強豪校の名前はなんらかの形で聞くことはあるだろうから。今年3月に行われる第97回選抜高校野球大会(センバツ)の選考会が行われたが、大阪の高校に春の便りは訪れなかった。98年ぶりというから衝撃だ。理由はなんだったのか。

センバツの出場校は昨年に行われた秋季大会の戦績などを参考に選考会で決まる。今回の注目は近畿地区だった。出場枠は「6」。近畿大会で大阪勢の成績が振るわず、「大阪からセンバツの出場はないかも」という懸念が広がっていた。

昨秋の近畿大会に大阪から出場したのは3校。大阪府予選を制した履正社、2位の大阪桐蔭、3位の大阪学院大。しかし大阪の1、2校はいずれも滋賀勢に敗れ初戦で姿を消した。3位の大阪学院大は初戦を1-0と辛勝、準々決勝で0-4と完封負けを喫した。

初戦敗退の履正社と大阪桐蔭にとってセンバツ出場は絶望的だった。近畿で8強入りした大阪学院大に望みが残されていたが、選抜されずに補欠校となった。

センバツに大阪勢がゼロ。98年ぶりの衝撃だ。高校野球に「地殻変動」が起きていることを思わせる。大阪桐蔭と履正社に何が起こったのか。遠因をチェックしてみたい。

大阪桐蔭は、昨年から本格導入された「飛ばないバット」に苦しめられているように思える。ある甲子園の常連校の監督は「飛ばないバットによって飛距離が5~10メートル短くなった」と語っている。

選抜4度優勝の大阪桐蔭。飛ばないバットは自慢の豪打を生かしにくくなる。実際、昨年の選抜準々決勝では、堅守が持ち味の報徳学園(兵庫)に1-4で敗れている。大阪桐蔭は守備の乱れから失点につながった。

昨夏の甲子園でも2回戦敗退。小松大谷(石川)に0-3と封じられた。この試合も大阪桐蔭の守備のミスが失点につながった。守備力の向上が課題となった。

履正社は監督交代が大きいのかもしれない。2019年に夏の甲子園優勝に導いた指揮官は岡田龍生監督。2022年に母校の東洋大姫路(兵庫)に移った。

その後、履正社は2023年に春夏連続で甲子園に出場するものの、春は初戦敗退、夏は3回戦で敗れ、上位進出を逃している。

一方、岡田監督の指揮する東洋大姫路は昨秋の兵庫県予選、近畿大会、明治神宮大会を制して、今春の選抜切符を手にした。名将が兵庫へ流出し、結果となって表れた。

2017年の選抜決勝は、大阪桐蔭と履正社による「大阪決戦」だった。優勝した大阪桐蔭、準優勝の履正社ともにハイレベルの力を見せてくれた。それを思い出すと、今回の「大阪ゼロ」が寂しい。

大阪勢は今後、復権を果たせるだろうか。高校野球界に起こっている「地殻変動」をしっかりチェックしたい。

センバツ切符を手にした32校には拍手を!春の到来が待ち遠しい。

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