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五輪サッカーの試合に、日本の「夜明け」を見た。男子代表がマリ戦で挙げた決勝ゴール。27年前に悲願を成就した劇的シュートと重なった

五輪サッカーの試合に、日本の「夜明け」を見た思いだった。男子代表がマリ戦で挙げた決勝ゴールは鮮やかだった。そして、この得点は日本代表が27年前に悲願を成就した劇的シュートと重なったのだ。何度も挑戦しては跳ね返されてきたワールドカップ(W杯)出場。初めて本大会の切符を手にした時の決勝点。この時の再現をみるようだった。

五輪男子サッカーの1次リーグ。日本は初戦のパラグアイとの試合を5-0で大勝し、2戦目のマリ戦に臨んだ。

日本は立ち上がりから押し込まれる苦しい展開を強いられた。0-0で前半を折り返し、後半に突入。自陣で耐える時間帯が長かった。

それでも日本は耐え抜いた。そして、ビッグチャンスを作った。後半37分。FW細谷真大選手が右サイドをドリブルで突破し、中央へゴロでパスを送る。これに途中出場のFW佐藤恵允選手がシュート。これは相手のキーパーに弾かれた。

しかし、このこぼれ球に、山本理仁選手がスライディングしながらボールを押し込んで先制点を挙げた。

その後、後半終了間際に相手にPKを与えるものの、相手のシュートは枠を外れて勝負あり。日本が1-0で競り勝って決勝トーナメント進出を決めた。

後半に挙げた値千金の決勝点が強く印象に残った。一連のプレーが1997年に日本代表がW杯の本大会初出場を決めたときの決勝ゴールにそっくりだったのだ。

日本はアジア第3代表の座をかけてイランと戦った。2-2で決着がつかず、試合はVゴールによる延長戦へ突入した。先に得点を挙げた方が勝利する過酷な展開となった。

そして、延長後半13分。中田英寿選手がペナルティエリア前からミドルシュート。これは相手キーパーに弾かれたが、このこぼれ球を途中出場の岡野雅行選手が走り込んでスライディングしながらシュート。ゴールへ突き刺して、日本が劇的な勝利を手にした。

後に「ジョホールバルの歓喜」と呼ばれる試合。日本は10回目の挑戦で、W杯本大会の初出場を手にした。日本サッカーにとって「夜明け」ともいえる劇的な試合だった。

今回の五輪で決めた山本選手のスライディングシュートと重なって見える。日本は1968年のメキシコ五輪以来56年ぶりとなるメダル獲得を目指している。

決勝トーナメント進出を決めたゲームの決勝点が、日本の「夜明け」の劇的ゴールと重なる。これは日本にとって吉兆ではないだろうか。

日本の男子代表の快進撃はこれからも続きそうだ。その先に半世紀ぶりのメダル獲得も視野に入ってきた。男子サッカーの未来は明るい。

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