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代役クローザーが侍ジャパンのピンチを救った。プレミア12。藤平投手が九回に登板。1点リードを守り切って、1次リーグ1位通過。楽天で新守護神の可能性も

代役クローザーが侍ジャパンのピンチを救った。国際大会プレミア12の1次リーグ、キューバ戦。楽天の藤平尚真投手(26)が1点リードの九回にマウンドに上がった。1死満塁の大ピンチを迎えたが、堂々とした投球を貫いて無失点。日本の開幕4連勝へとつなげた。これで日本は1次リーグを1位で突破。藤平投手の活躍で、日本の救援陣に厚みが増した。

17日に台湾・天母で行われた試合。日本はキューバと激しい点の取り合いとなった。6-6で迎えた八回裏。日本は1死一、三塁の好機に、栗原陵矢選手(ソフトバンク)の犠牲フライで勝ち越した。残るは九回の守りだ。

ピッチャー交代。マウンドに上がったのが藤平投手だった。本来であれば、巨人の守護神であり、今大会でも日本のストッパーとなっている大勢投手が登場するはず。ただ15日から2連投。今季、巨人で3日連続登板のなかった大勢投手の登板を回避した。

そこでマウンドに送り込まれたのが藤平投手。代役クローザーだ。横殴りの雨と強風。マウンドは粘土質のため、藤平投手のスパイクの歯にからみついている。

先頭打者をショートゴロに打ち取ったものの、2者連続ヒットと四球を与えてしまい、1死満塁のピンチに。

続くモンカダ選手はメジャー通算93発を放っている強打者。しかし藤平投手は落ち着いていた。153キロのストレートを内角高めに決めて見逃し三振に抑えた。さらに後続の打者も低めにフォークボールを落として空振り三振に。危機脱出。日本が7-6で振り切った。

勝利をつかんだ瞬間、藤平投手はガッツポーズ。味方の選手たちとハイタッチを交わすと、うずくまるようにして喜びに浸っているようだった。

藤平投手は横浜高校出身。3年夏に甲子園に出場した。大物になる素質を買われて2016年のドラフト会議で楽天から1位指名を受けて入団した。

ルーキーイヤーに3勝を挙げ、さらなる成長を見込まれたが、先発投手としてなかなか結果が出ない。シーズンの最多勝利は2年目の4勝。明らかに伸び悩んでいた。

そして今季、藤平投手は救援に回ることとなった。指揮官の今江敏晃監督の判断は大的中。藤平投手は47試合すべてのリリーフ登板。防御率1.75と安定したピッチングを披露した。この活躍が認められて、今回の侍ジャパン入りとなったのだ。

今江監督自身は1年で退任することとなったが、藤平投手を救援投手として活躍させた功績は大きいと思う。

侍ジャパンでは大勢投手のクローザーに変わりはないだろう。ただ藤平投手が今後も代役として守護神となる可能性は高い。

そして楽天に戻れば、藤平投手が新クローザーとなるかもしれない。今季は則本昂大投手が務めた。ただ本来は先発投手。来季は藤平投手をクローザーに、則本投手を先発に戻せるようになれば、投手陣の厚みが増すだろう。

藤平投手が侍ジャパンでさらに活躍するのを期待したい。それが来季の楽天の飛躍にもつながるはずだ。

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