2対2トレードの幸せな結末。日本ハムの山本拓投手が中日から移籍後初勝利。両チームのほかの３選手も活躍中。「ウィンウィン」の交換が一番望ましい

プレゼント交換をした場合、一方がうれしくても、他方がそれほどでもなければ望ましい結果とはいえない。両者ともに喜ぶ形でなければ。それはスポーツのトレードでも同じだろう。日本ハムの山本拓実投手が中日から移籍後初勝利を手にした。2対２で行われたトレードで、すでに3人は活躍している。最後の1人も勝ち星という結果が出て、幸せな結末となった。

北海道で13日に行われたセパ交流戦。ホームの日本ハムは中日に1勝1敗で、このカード最終戦を迎えた。

この試合、日本ハムは中日に先行を許す形となり、先発投手を四回いっぱいであきらめ、継投に入る。そして２点リードを許す六回に、3番手でマウンドに上がったのが、山本投手だった。

この回の先頭打者を打ち取った後にヒットを許し、1死一塁。ここで宇佐美真吾選手を打席に迎えた。

この2人には因縁がある。1年前に日本ハムと中日との間で行われた2対２のトレード。2人はこの対象選手だったのだ。

トレード要員だった2人にとって、古巣は絶対に負けられない相手。山本投手と宇佐美選手の対決は見応えがあった。

初球は直球のボール。そして2球目。山本投手は外角へ再びストレートを投げ込む。打ち返されたが、サードライナー。トレード対決は山本投手に軍配が上がった。

次の打者にはカウント2－2からの5球目。外角へ151キロのストレートで空振り三振に斬って取った。山本投手は無失点でマウンドを下りた。

そして直後の日本ハムの攻撃。この回先頭の郡司裕也選手がレフトへヒットを放って出塁した。

郡司選手も2－2のトレードで中日から移籍した一人。「トレード仲間」のヒットを皮切りに、日本ハムはこの回3点を奪って逆転した。その後も日本ハムは得点を重ね、リリーフ陣は無失点。日本ハムが9－4で逆転勝ちを収め、このカードを勝ち越した。

そして山本投手に日本ハム移籍後初勝利がついた。リリーフ投手の山本投手にとって、勝ち星がつくことは、めったにない。移籍後初勝利が古巣相手となれば、喜びもひとしおだろう。

中日の斉藤綱記投手も2対2トレードの一人。このカードでの登板はなく、いずれもブルペン待機だったが、今季24試合に登板し2勝を挙げている。防御率0.49は抜群の安定感だ。

郡司選手、宇佐美選手、斉藤投手が活躍する中で、山本投手もトレード後に初勝利を挙げた。

トレードで移籍した選手たちが、いずれも活躍するのが「ウィンウィン」となって望ましい。1年前の2対2のトレードは幸せな結末となった。