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まるで映画みたいなチーム。日本ハムがCS進出。新庄監督3年目で初。伊藤投手がリーグトップの14勝目。清宮選手が決勝弾。みんな主演俳優だ!

このチームを見ていると映画鑑賞をしている気分になる。日本ハムが6年ぶりとなるクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。新庄剛志監督が就任3年目にして初めて。先発の伊藤大海投手が1失点完投でパリーグトップの14勝目を挙げた。打っては清宮幸太郎選手が六回に決勝弾。2年連続最下位だったチームが、一気に花開いた。みんな主演俳優だ。

26日にホームの北海道で行われた楽天戦。相手はリーグ4位。逆転でAクラス入りを果たそうと必死だ。

日本ハムはあと1勝で念願のCS進出を果たせる。先発マウンドに立った伊藤投手は自身4連勝中。波に乗っているが、相手打線の粘りに初回失点を与えてしまった。しかし最少失点に踏みとどまる。二回以降は相手チームのイニングスコアに「0」を並べていった。

四回裏に味方打線が援護した。2死からレイエス選手が相手の先発左腕からレフトへソロホームラン。リーグ2位の24本目。4番打者の貫録を示した。

そして六回には、3番の清宮選手が初球の143キロ直球を右中間席へ運んだ。プロ入り7年目の25歳が放った一打は高々と放物線を描いた。夢の懸け橋をスタンドのファンたちは歓声を上げながら見つめていた。

チームが勝ち越してくれた。プロ入り4年目、27歳の伊藤投手は相手打線に9本のヒットを打たれながらも完投。粘りのピッチングでリーグトップの14勝目を挙げた。

この勝利で日本ハムがポストシーズン進出を決めた。勝利を手にした伊藤投手はマウンド上で右手を握りしめてガッツポーズ。ベンチ前では新庄監督が両手を突き上げた。

新庄監督が就任して3年目にして初のCS進出。チームにとっても6年ぶりに「その先」へと進む。新庄監督就任後は2年連続最下位と苦しんできたが、その間に若手を積極的に起用して育ててきた。その収穫が3年目にして訪れた。まさに「石の上にも3年」だ。

新庄監督は昨年のファン感謝祭で早々に伊藤投手の開幕投手を指名していた。期待を託された右腕が開幕戦で新庄監督就任後初めての開幕戦白星に導いた。そしてCS進出を決めた試合でも勝利投手に。新庄監督の期待に見事に応えた。

就任1年目は登録名を「ビッグボス」とした新庄監督。話題作りの方が先行していたが、きっちりチームの底上げを果たして、今季のAクラス入りにつなげた。

弱小チームが努力を重ねて、強くなっていく。そして3年目にAクラス入りを果たす展開。まるで野球映画や漫画の世界のようなサクセスストーリーだ。

Aクラス入りを決めた試合で、開幕投手が白星を挙げた。勝ち越し点は値千金の決勝弾。チーム強化に取り組んできた監督の努力が結実した。申し分のない結果。これが映画ならば、選手も監督も主演俳優だろう。

そして日本ハムには先がある。新庄監督の下、クライマックスシリーズではどんな戦いを見せてくれるのか。サクセスストーリーは、まだ終わりそうにない。

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