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個性があるからこそ面白い。五輪閉会式。パリはアート系。ロスはエンタメ系。セレモニーの出し物にくっきりした違い。日本は今回20個の金メダル。4年後にも期待膨らむ

個性があるからこそ面白い。206の国・地域、難民選手団が参加して、より速く、より強く、より美しく競技に臨んだパリ五輪が幕を閉じた。閉会式では「マイ・ウェイ」の曲に選手や観客はしっとりした気分になった。一方で、次回行われるロス五輪のセレモニーではド派手な演出が熱狂を生んだ。パリはアート、ロスはエンタメ。それぞれの個性がにじんでいた。

閉会式のラストに響いた「マイ・ウェイ」。フランス人歌手のイズーさんの歌声が選手や観客の心をしっとりと包んだ。この曲はフランスの「コム・ダビチュード」が原曲。米国でアレンジされ、フランク・シナトラさんの代表曲として世界的なヒットを生んだ。

開会式では、ラストで世界的な歌姫セリーヌ・ディオンさんが「愛の讃歌」を披露するなど、哀切な歌声に心が揺さぶられた。パリ五輪は開閉会式ともにアート系な印象が強かった。

一方で閉会式の終盤で、次回2028年に行われるロサンゼルス五輪のセレモニーはエンタメ系で押しまくった。

最初から度肝を抜かれた。いきなり閉会式の会場フランス競技場の屋根にスポットが集まる。そこに映し出されたのは、俳優トム・クルーズさんだ。

ワイヤーを身に着け屋根から飛び降りるド派手な登場。この場面にスタンドは大歓声だ。オリンピック旗を受け取ったトムさんは、なんとバイクに乗って会場を去った。

ここから映像に切り替わり、バイクはパリの街を駆けた後、飛行機に乗ってロサンゼルスへ。トムさんは飛び降りて、着陸する。旗はマウンテンバイクの選手や五輪の陸上競技で金メダル四つを獲得したマイケル・ジョンソンらにつながれていった。

まさに「ザ・エンタメ」。トムさんの代表的な映画「ミッション:インポッシブル」シリーズをほうふつさせる内容で、次回五輪を直球勝負でアピールした。

パリはルーヴル美術館やオルセー美術館に代表されるアートの街。ロサンゼルスは映画のアカデミー賞授賞式が行われるエンタメの街。それぞれのカラーが色濃く反映されていた。それぞれの個性があるからこそ、面白みが増すのだ。

日本は今回の五輪で海外開催最多となる20個の金メダルを獲得した。4年度のロス五輪でも期待は膨らむ。

そしてパリではこれからパラリンピックが行われる。選手たちの生み出すドラマの第2章の幕開けだ。

パリはまだまだ燃えている。そしてロサンゼルスへの期待も膨らんでいく。スポーツのドラマは果てしない。

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