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常識にとらわれることから離れたい。男子の高校野球が7イニング制を検討。女子はすでに導入済み。神戸弘陵が2年連続春夏Ⅴの離れ業

常識にとらわれることから離れたい。男子の高校野球が7イニング制に向けた検討を始めた。近年暑さが増していることや、肩やひじを含めた選手の健康面を考慮してのことだ。女子の試合ではすでに導入されている。7イニングによる熱いドラマが展開され、神戸弘陵が2年連続春夏Ⅴの快挙を成し遂げた。「野球が9イニング」の常識から離れてみたい。

国際大会では7イニング制が主流だ。昨年行われたUー18ワールドカップで、日本が悲願の初優勝を成し遂げた。この大会は7イニング制で行われている。

アメリカやドミニカ共和国、台湾、韓国、オーストラリアといった野球のさかんな国・地域でも7イニング制が導入されている。「野球は九回まで」という日本の常識は、各国・地域の高校生世代では受け入れられていないのだ。

日本でも2020年、夏の全国選手権大会が中止となったため、各都道府県で独自大会が行われたが、京都や埼玉など一部の大会では、7イニング制が取り入れられている。

女子の大会では7イニング制で行われている。夏の全国選手権決勝は神戸弘陵と花巻東(岩手)による手に汗握る投手戦となった。

試合は六回に2点、七回に1点を追加した神戸弘陵が3-0で制して、2年連続の春夏Ⅴを成し遂げた。7イニングでは物足りないということは、まったくなかった。まさに決勝にふさわしい好ゲームだった。

国内ではサッカーやラグビーのボールゲームでは、高校生の試合時間は大人よりも短く設定されていることが多い。

今回、男子の高校野球で7イニング制導入に向けた検討が始まったことについて、各校の指導者には賛否両論がある。各強豪校でも意見は様々だ。

「野球が長く愛され、いろんな方に気軽に楽しんでもらえることを考えるといいことだと思う」と容認の意見がある。一方で「やっぱり野球は9回だと思っている」という否定的な意見もある。

「いろんな方に気軽に楽しんでもらえる」という意見に、私も同意だ。日本の高校野球は少子化の波を受け、部員数が減少している。今年の5月末段階で硬式野球部員は12万7031人。10年連続で減少しており、昨年よりも1326人減っている。

野球が多くの高校生に楽しんでもらえるためには、健康面に配慮した対応が急務と思われる。主催者が許可するならば、今秋の明治神宮大会から試行してみるのは、どうだろうか。全国から集まった強豪が戦う中で、7イニング制のメリット、デメリットが見つかるはずだ。

常識にとらわれることから離れたい。その先に、高校野球の明るい未来があるはずだ。

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