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甲子園100年。京都国際が歴史を超えて、新時代を作った。夏3回目の出場で日本一。府勢68年ぶりの栄冠。頂上決戦は初のタイブレーク決着。地方大会では伝統校を次々撃破

甲子園100年。夏の王者に京都国際が君臨した。歴史を超えて新時代を作った。夏の甲子園3回目の出場で初の日本一に。京都府勢68年ぶりの全国制覇だ。これまで京都代表は決勝4連敗中だったが、ついに頂点へと駆け上がった。決勝初のタイブレークを制しての栄冠だ。

23日に行われた決勝は京都国際と関東第一(東東京)による手に汗握る投手戦となった。どちらも勝てば初優勝。このチャンスを逃すわけにはいかない。0-0でも決着がつかず、タイブレーク方式による延長戦に突入した。

無死一、二塁から始まるタイブレーク。先攻の京都国際はレフト前ヒットで満塁として得点機を拡大した。ここから押し出しの四球を選んで待望の先制点。さらにライトへの犠牲フライで追加点を挙げた。相手の反撃を1点に抑えて、歓喜の輪がマウンド付近で広がった。

京都勢5度目の日本一となった。第1回大会の王者も京都二中。当時は大阪の豊中グラウンドで開催された。会場が次々と変わっていく中で、甲子園で初めて開催されたのが1924年だった。以後、甲子園が球児の聖地となった。

甲子園を舞台に京都勢は夏3度の全国制覇を達成した。いずれも王者は平安(現・龍谷大平安)だ。しかし1956年の頂点に輝いてから京都勢の歓喜の瞬間は訪れなかった。

その後、4度の頂上決戦でいずれも涙をのんだ。1981年には京都商、1997年は平安、1998年は京都成章、2005年は京都外大西が準優勝に終わった。

そして近年、京都で力をつけてきたのが京都国際だった。2021年に春夏連続で甲子園に初出場。夏は4強まで勝ち上がった。2022年にも夏の甲子園に出場した。

そして今年、春夏連続で甲子園に戻ってきた。夏は2年ぶりの出場となった。

今年は春の甲子園で青森山田に初戦で敗れたものの、春季大会で府大会優勝、そして近畿大会も制した。近畿のナンバーワンとして、夏の京都大会に臨んだ。

初戦はいきなり1998年に甲子園準優勝の京都成章と相まみえた。3-0の接戦をものにして勢いに乗ると、準決勝では龍谷大平安を11-1と8回コールドで下した。1997年の甲子園準Ⅴ校を圧倒した。

そして京都大会決勝。相手の京都外大西は2005年の甲子園準優勝校。決勝で田中将大投手(楽天)が主戦の駒大苫小牧(南北海道)に敗れている。京都国際は甲子園準優勝校に14-3で大勝して、2年ぶりの夏の甲子園切符を手にした。

甲子園の決勝で「あと1勝」としながら敗れた伝統校を次々と撃破しての甲子園返り咲き。京都国際には歴史を超えて、新時代を作る気概が満ちているようだった。

甲子園では1992年の夏の甲子園優勝校、西日本短大付(福岡)を準々決勝で下して勢いに乗る。準決勝では、今年の選抜で敗れた青森山田にリベンジして頂上決戦へ勝ち上がった。

そして決勝の舞台に立った京都国際が府勢68年ぶりの栄冠を手にした。これまでの歴史を超えようとする京都国際が新時代を作り上げた。

甲子園の球史に優勝という形で新たな時代を築いた京都国際に祝福を、そして、あと一歩で涙をのんだ関東第一をもたたえたい。

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