先取点を取られたら…。逆転魂をもった「バットマン」が救ってくれる。広島・小園選手が2発7打点の大活躍。アイブラック姿で逆転劇に貢献。プレミア12の侍ジャパン
接戦の中で先取点を取られたら…。チームは浮足立つかもしれない。しかし侍ジャパンには逆転魂をもった「バットマン」がいるから安心だ。広島の小園海斗選手。プロ6年目の24歳。国際大会プレミア12の2次リーグ初戦で米国に先取点を奪われたが、逆転打を放つなど計2発7打点の大当たり。アイブラック姿をばっちり決めて、快音を響かせた。
東京ドームで21日に行われた2次リーグの米国戦。両チームとも先発投手が好投し、4回まで0-0。日本の高橋宏斗投手は4回8奪三振無失点と圧巻のピッチングを披露した。
試合が動いたのは五回表。日本は2番手の隅田知一郎投手がこの回の先頭打者にレフトスタンドへ被弾した。これぞ「パワー野球のアメリカ」と見せつけられるような特大の一発だった。
日本は浮足立ってもおかしくなかった。投手戦が続く中で先取点を奪われることほど痛いものはない。
しかし直後の攻撃。日本は坂倉将吾選手の適時二塁打で同点に追い付く。2死後、走者を一、三塁に置いて登場したのが、小園選手だった。
高校野球の強豪、報徳学園の出身。「逆転の報徳」が代名詞となるほど幾多の劣勢をひっくり返してきた。この高校には逆転魂がある。主軸として春夏2度の甲子園で活躍した小園選手。報徳を卒業しても逆転魂は健在だ。
侍ジャパンの一員として、逆転魂の見せ所。相手投手の内角低めの直球を捉えた。打球は一塁線を破ってライトフェンスへ。2者が生還するタイムリー三塁打だ。
小園選手は顔につけたアイブラック姿が有名だ。こうもりの羽根を彷彿させる。3年ほど前に広島の先輩だった鈴木誠也選手(カブス)が描いてくれたものをイメージして着けている。
まさにコミックや映画で有名な「バットマン」みたい。そして小園選手のバットも快音を響かせる。巧打者の「バットマン」でもある。
米国戦で小園選手の打棒は止まらなかった。七回には貴重な追加点となる3ランをライトスタンドへ放った。さらに八回にもダメ押しの2ラン。この日、「バットマン」小園選手は2発7打点の大当たり。プロでは世界大会初出場。野球を愛する全世界に「バットマン」の存在を強烈にアピールした。
接戦で先取点を奪われたために、「逆転魂」にスイッチが入った。侍ジャパンは先取点を奪われても大丈夫。逆転魂に満ちあふれた「バットマン」小園選手がいるから。
プレミア12は2次リーグとなると、日本が簡単に勝つのは難しいだろう。今後も先取点を奪われる展開になりうるはずだ。
それでも、「バットマン」小園選手がいれば、日本は安心。逆転魂を燃え上がらせ、快音を響かせ続けるだろう。アイブラックの小園選手が活躍し続ければ、侍ジャパンの視界は良好だ。