勢いがあれば疲れは吹き飛ぶ。サッカーU―23日本が8大会連続五輪切符。U23アジア杯準決勝でイラクに快勝。準々決勝の延長勝利から上昇気流
勢いがあれば疲れは吹き飛ぶ。それは若者の特権のような気がする。サッカーU-23日本代表が8大会連続の五輪切符を手にした。4月16日の初戦から2週間で5試合目。疲れがたまっていてもおかしくないはず。しかし前試合の準々決勝で延長戦の死闘を勝ち抜き、勢いが付いた。上昇気流に乗った日本が「難敵」イラクも退けてパリ切符を手にした。
カタールで行われているU23アジアカップ。パリ五輪の最終予選も兼ねている。グループステージで韓国に敗れるなど厳しい戦いもあった。しかし決勝トーナメント準々決勝で、開催国カタールに延長までもつれる死闘の末、4-2で勝ち上がり勢いをつかんだ。
準決勝は中4日。対戦相手はイラクだった。「兄貴」分のフル代表の試合では、1月のアジアカップグループステージで、日本は1-2とイラクに敗れている。「弟」のU-23が連敗を喫するわけにはいかない。
29日(日本時間30日)に行われた準決勝。日本はカタール戦で延長を勝ち抜き勢いがあった。
前半28分に日本が先制点をゲット。センターサークル内からMF藤田譲瑠チマ選手が浮き球のパスを供給。FW細谷真大選手が受けると体を反転させた後に、右足でゴール右へ流し込んだ。
準々決勝の延長前半に決勝ゴールを決めた細谷選手。この準決勝でも貴重なゴールを決めた。「チマが前向いた瞬間に浮き球でうまくパスをくれた」と巧みな連係プレーを振り返った。
勢いに乗っている日本は前半42分に追加点を生んだ。藤田選手からのパスを受けたMF荒木遼太郎選手が相手GKとの1対1に持ち込み、冷静にゴール右へ流し込んだ。
後半は攻め込まれる場面もあったが、2点のリードを守り切って、日本が難敵相手に「兄貴」分のリベンジを成し遂げた。
アジアに与えられた五輪枠は「3」。日本が決勝進出を決めたため、1996年の米国・アトランタ五輪から8大会連続12回目の五輪切符を手にした。
U-23の大岩剛監督は「まだ1試合残っているので、しっかり決勝で勝てるように準備したい」と気を引き締める。
それもすでに五輪の組み合わせが決まっており、今大会の成績によって、五輪本戦の相手に天と地との差があるからだ。
今大会で優勝すれば、五輪はD組に入り、パラグアイ、マリ、イスラエルと対戦する。一方、準優勝の場合、C組でスペイン、エジプト、ドミニカ共和国と戦うことになる。
FIFAランクや五輪の出場回数で比較的楽な相手となるD組に入るために、頂上決戦で勝ち抜くことが必要だ。
決勝は5月3日(日本時間4日)にウズベキスタンと対戦する。短期決戦で行われている今大会だが、勢いに乗った日本は疲れを見せずに戦ってくれるはずだ。
U23のアジア王者へ、そしてその先のパリへ。日本が最後も勝ちきってほしい。勢いのある日本なら、十分に可能だ。
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