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駅のホームの黄色い線の内側で踏みとどまる

昨晩のすき屋の牛丼の持ち帰りの容器と 発泡酒の空き缶だけを片付けて
散らかったテーブルも床も台所も どこかしもがとりあえずの先送りで

何を間違ったのか立ち止まって考える暇もないままに
慌ただしく家を出る朝だけれど


どんなに働いても前に進むどころか後退しているかのような感覚
それでも駅のホーム 黄色い線の内側で踏みとどまる

毎日のように行われるこの闘い 負ければ死 勝っても報酬は0円
単なるエネルギーロス 余計なことを考えない人間が強いらしい

歯車がかみ合ってないね
僕の強みはこの世界では弱みだってことになってるね


上りの電車の到着を知らせるアナウンスの低い声が聞こえて
沢山の足早な靴音が鳴って鳴って鳴って

乗り込んだ満員電車の中はいやに静かで
まるで自分以外には誰もいないみたい


そんな中で肩を縮めてカーネギーの『人を動かす』を読んでいる君は
さぞかし僕のことを軽蔑しているだろうね


あの子に淡い恋をしていられた時代はもう過ぎ去ったんだな
トイレの鏡に映る男が覇気のない顔をしている

何が疲れるって心にもない言葉を発しているとき
そうしないと生きていけない場所に居ざるを得ないとき

そんなことよりもいい加減早く結果を出さないとな
ってもう一人の僕が言う


こんな繰り返しから逃れたくて また手に取ったこの紙とペン
でも開く気配もない風穴 むしろ知ったのは自分のちっぽけさ

閉店前のドトールで270円のコーヒーを大事そうにすすりながら
ぼんやりと街の灯りを眺めて咳をしても一人




やってます年末に、例のあの娘と5年ぶりに再会してきた話!

頂いたサポートは無駄遣いします。 修学旅行先で買って、以後ほこりをかぶっている木刀くらいのものに使いたい。でもその木刀を3年くらい経ってから夜の公園で素振りしてみたい。そしたらまた詩が生まれそうだ。 ツイッター → https://twitter.com/sdw_konoha