心ある人。心ない人。人間は二通り
誤解を恐れず言ってしまうと、人間は二通りあると思う。
心ある人。心ない人。
もちろん白か黒かというように極端または二通りではなく、明暗スペクトラムにしたときに、心ない人から心ある人へのグラデーションが存在するということ。
そんなことを考えさせられたのは映画「あん」を観た時だ。
樹木希林さんの絶妙な演技と、その心のしめやかさ。
どら焼き屋の店長のところへ突然やってきて、店を手伝う女性の役を見事に演じている。
月を見上げ、星を感じ、桜を想い、小豆の話しを聞いてやる。
そんな心を持ったこの女性の役は、樹木希林さん以外にできる人はいないだろう。
心ない人も映画には登場する。
その心ない人と心ある人の対照的な位置関係。そんな人間たちを空から黙って見ているお月様。
こんなことがあった。焼津の山間部の中学校を「あん」映画関係者が訪れたときの話し。映画の感想を言えず固まってしまった中学生の一人を全身で抱きしめたという樹木希林さん。
「私も同じだったんだよ。ひとこともしゃべれない子だった。でも胸の中にはたくさんの言葉があるよね」そう言って。
それは心ある人の声だ。
言葉を超えた心と心の響きあい。
それは心ある人だけが感じることのできる響きなのだ。
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