小説「大地に落ちる汐の思い出」(連載第9回(終))
就職面接から逃げ出した私は、二次募集ではすべての会社から見事に蹴り飛ばされた。業界では私の話は隅々まで行き渡っていて、卒業後に職安へ行ったとしても入り込む余地はないだろう、と進路指導の先生を曇らせた。
最終的にはずっと離れた場所にある鋳鉄工場に就職することができた。体力はほどほどにはあると自負していたけれど、職場を見学に行ったときには男たちの腕の太いことに驚いた。もちろん、私自身が背負った罪に対する責任なので、これから待っている苦労も受け入れることにした。
先生はいくら