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#原発事故
「緊急事態」はなぜ常態化するのか?
◆はじめに東京オリンピックが開催され、閉会を迎えた中で、日本国内の新型コロナウイルスの感染者数は過去最多を更新し続けている。
これまで1年強の間は、緊急事態宣言を出し、緩やかであるにせよ私権制限を行うことが、感染拡大を抑制するための有効な方法とされてきた。
しかし、現在の状況はこれまでとは大きく異なっている。
これまでの政府やメディア、国民の関心は「緊急事態宣言をいつ解除するか」、あるいは「
福島発の「復興論」と、「復興」からの当事者排除の構造②-福島県内の論者3者それぞれの主張-
前回の記事では、福島県の論者の3者それぞれが代表する立場とは何か、そして当事者性についての背景や問題状況の整理を行いました。今回の記事では、それぞれの主張について、詳しくまとめています。前回の記事を踏まえて、ご覧ください。
1)「富岡町」(避難元自治体)としての復興論ー市村高志『人間なき復興』
福島県双葉郡富岡町からの強制避難者である市村は、2013年に発表した山下との共著『人間なき復興』にお
緊急事態における生と社会ーコロナと原発事故に共通する問題についてー
東日本大震災・東京電力福島原発事故から10年が、さらにコロナ禍の非常事態から1年が経過しました。ここでは、「コロナと原発事故に共通する問題」と題して、以下のような連載投稿を計画しています。
1.コロナと原発事故に共通する問題①緊急事態は収束したのか?―時系列から振り返る―
1.1 原発事故後の10年を振り返る
1.2 コロナ禍の1年を振り返る
1.3 緊急事態は収束したのか?
2.コロナと原
エマ研・序論―なぜ大学院生がnoteを始めたのか―
ここでは、私がなぜnoteを始め、文章を書かなければならなかったのかをお伝えしたいと思います。このようにSNSを通じた発信をすることは初めてで、不慣れなところもあると思います。また一度書いた内容も書き直すことが多いかと思いますが、興味を持っていただけた方がいらっしゃいましたらぜひご覧ください。何かご質問や不十分な点などございましたら、遠慮なくご指定いただけますと幸いです。
では、よろしくお願
福島発の「復興論」と、「復興」からの当事者排除の構造①-当事者性についての序論-
キーワード:原発事故、当事者、復興言説、政策との共犯性
1)復興についての 3 つの視点 本稿では、東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、原発事故)における、特に原発事故からの復興について、福島県内の論者から「復興」がどのように語られてきたのかを整理します。
ここで取り上げるのは、町内全域が避難指示区域となった福島県富岡町からの避難者である市村高志氏による、社会学者の山下祐介