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「面倒な客」に対して思うこと
独立してすぐの頃、勤めていた写真館の後輩カメラマンの仕事の愚痴をよく聞いていた。先に辞めて身軽になった身分で聞く愚痴は、酒の飲めない私にも良いツマミであった。
ある日のこと、後輩2人がいつものように酒を飲みながら「今度面倒な客が来るんですよ」と言った。「どんな?」と促すと、どうやら持ち込みの小道具があるらしく、「布を持ち込むので、それを背景にして振袖姿を撮りたい」と言われているとのことだった。
写真のセンスがない。
写真のセンスがない。
写真を始めて優に10年を超えるのだが、自分にセンスというものを感じたことが一度もない。写真をやらない人達が「私にはセンスがないから」と言う度、「私にもないけどな、ははは」と自虐的な気持ちになる、というのをずっとずっと繰り返している。
色んな写真家の写真を見ては「なんだこれすげえな」と思い、「自分にはこういうセンスがないなぁ」と思う。そんな人間だから「自由に撮れ」と言われる
ポートレートを撮る時に考えていたことの一例
私とお客さんが納得したらそれでええわい、と思うタチなのであまり写真の解説はしてこなかったのだが、どのように撮影が進むかを話してみるのもたまにはいいかな、と思ったので書いてみる。今回は春画撮影で撮らせてもらったお客さんの一例。
春画撮影とは、私が企画した撮影会のテーマである。「カメラマンや鑑賞者の為ではなく、被写体の為に性を撮る」という内容だった。撮ろうと思った時の話はこちらから→「苦手な写真を撮
写真が苦手な人の実態
相も変わらず写真が苦手な人を撮っているのだが、ここ数年ずっと思っていることがある。恐らく、いやほぼ確実と言っても良いのではなかろうか。写真が苦手な人は、写真のことが好きだと思う。
最初にそう思ったのは、お客さんから写真に対する感想をもらった時である。メールを開くと、長いのだ。感想文の量が半端ない。写真館勤務時も感想はもらったことはあるが、大体「綺麗に撮ってくれてありがとうございました」くらいで終