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カウンセリングはたまねぎ理論


最初にどこで聞いたのか忘れたけど、

「カウンセリングは、
たまねぎの薄皮をむくように
まずは外側からやさしくやっていく」

と聞いて、なるほどなーと
思ったことがあります。

今日は「カウンセリングなんて意味ない!」
と絶望してたわたしの失敗談とか、

これから受ける人への心がまえとか、
そういうしくじり先生的なお話です。


◆わたしがカウンセリングを受けた理由


うつ&摂食障害だった20代のころ、
5年ほど精神科に通っていました。

その中で何度か、
自分からカウンセリングに申し込んで
受けたことがあります。


自分からうけた理由は、
医師の先生はいつも5分診療だったし、

摂食障害のことを伝えても
まったく話にならなかったから。



……病院のホームページには、
ちゃんと摂食障害って書いてあったのに。

今ならね、
「医師は診断と、現状に対する
薬の処方がメイン」

ってわかるんですけど、
当時はまったくわかってなかったので。


あとで気をつけたいポイントをお伝えしますが、

あの時は完全に、わたしの伝え方もまずかったんだと思ってます。


・リアルの人に弱みを見せられない
・辛いっていえない
・大丈夫じゃなくても大丈夫って言いがち


このへんは標準装備だったので、
「一応ふつうに食べれる時もあるんですけど〜」
とか、

ほんとは大丈夫じゃないし
助けてほしいことでも、

大丈夫な風に伝えてしまうクセ
があったんです。



そして、辛さが伝わらず、

モヤモヤだけが残る。




この時も、せっかく勇気をだして
病院にいって打ち明けたのに、
このままじゃ引き下がれない。


そう思って、自分から申し出て、
カウンセリングの予約を入れてもらいました。


◆「期待はずれ」だった初カウンセリング


はじめて受けたカウンセリングの担当は、
少し年上のお姉さんでした。

カウンセリングを受ければ良くなるんだ、
きっと悩みも解決してくれるんだ。



そう思い込んでいたわたしにとって、
初めてのカウンセリングは、
まったく期待はずれなものでした。



まず、「最近どうですか」と聞かれる。

(……え、お医者さんと同じことしか
聞かないの?)とわたしは驚いた。


そして、あんまり寝れてないです、と
現状を答えると、

お姉さんは、
「そうなんですね」とだけ答える。



……会話が、続かない。



つまり、向こうから質問を
投げかけてくることはなく、

話す内容はこちらが考えるしかないのだ。



もともとわたしは、
無言の『間』がすごく苦手だ。


なにかしゃべらなきゃ、
そう思うんだけど、
何も出てこない。


だから、このシーンとした白い部屋で
ときどき電車の音が外からガタンゴトン
鳴るだけの状態は、

わたしにとって、とてもとても負担だった。



そして、カウンセラーって
対話のプロなんじゃないの?

なんで何も言わないの?という
怒りさえわいてきた。

※ちなみにカウンセラーは、傾聴のプロです。ひたすら聴いて、ただ受けとめて寄り添って、その人の中にある答えを引き出すサポートをする、そういう役割です。



……でも、せっかく数千円という
高いお金を払って来てるんだから、

摂食障害についても
聞いてみることにした。



そして、
「先生には先日話したんですけど……」と
一通り話してみたものの、


やっぱりお姉さんは「そうなんですね」
「辛いですね」というだけ。


情報の連携もされてない、
何のアドバイスもくれない


その日はなにも解決しないまま終わり、
2回目も同じお姉さんで話しましたが、
結局何も変わらず……。


そして3回目は、「具合が悪いので」と
行かずにキャンセルしました。


Twitterとかを見ていると、

こうやってカウンセリングに不信感や
拒否反応をもってやめちゃった人って、

意外と多いんじゃないかと思います。


※今だから言えることなんですけど、当時のわたしは「カウンセラーさんはわたしの悩みをグイグイ解決してくれる」存在だと完全に勘違いしてました。
それ、違います。違いますよーー!!!


◆たまねぎの皮をむくために必要なこと


さて、ここで最初のたまねぎの話に戻ります。



「カウンセリングは、
たまねぎの薄皮をむくように
まずは外側からやさしくやっていく」

これは、


受ける側が話せるところから話していき
だんだんと心の内側にたどりついていく。

いきなり包丁でザックリいったら
中身が傷ついちゃうから

やさしくやさしくいきましょうね、って
ことだと思うんです。


さっきのわたしは、
たまねぎの皮、むけてたでしょうか?

答えは、Noですね。


わたしのたまねぎは、
まだ土の中に完全に埋まってた状態でした。

できれば話したくない、じつは
そんな想いのほうが大きかったんです。


"カウンセリングは、主に心理の専門家がクライエントや患者の話を傾聴したり受容したりしながら、クライエントや患者の心情や状況の理解に努めることによって、主体的に問題の解決を行っていけるようにサポートすることを指します。"

(出典 : 厚生労働省・eヘルスネット


こんなふうに、カウンセリングで
主体的に問題の解決をおこなっていくのは、
あくまで「受ける側」なんです。


つまり、

「誰かにただ話を聴いてもらって、
そのなかで、自分の本心に気がついたり
問題を解決していくヒントを得る」

ための場所。


「なにが原因か見つけて、治してほしい」

という受け身な期待に応える場所、
ではなかったんです。


もちろん、
そのカウンセラーさんのスキルや、
相性もあるかとは思います。

それでも、過去のわたしみたいに、

・リアルの人に弱みをみせるのが苦手
・辛いっていえない
・大丈夫じゃないのに大丈夫って言いがち
・結局決めるのは自分なので、相談しない


こういった人が
「行けばなんとかしてもらえるだろう」と

何の準備もなく
そのまま行くのは、

とてももったいないと思っています。


カウンセラーさんは、いきなり
土の中のたまねぎを掘り起こして、

まっぷたつに切って
中身を見てくれるなんてことはしません。



なので最低限、
調理できる状態のたまねぎ(話したいこと)

用意していくほうが、
時間もお金もムダにならないと思います。


◆これから行く人へ。話す内容を決めていくとお金がムダにならないよ



カウンセリングは「受ける」ものですが、

「せっかくお金を払うんだから
しっかり利用しよう」くらいの

能動的な気持ちで行くのがいいと思います。




気分が下がってると
それもむずかしいかもしれませんが、

最初に話すテーマとしては

「いま、不安に思っていること」や
「いま、人間関係で悩んでいること」が


選びやすいと思います。


・職場や学校でなじめない
・大声の人が怖い
・ほかの人と自分を比べてしまう
・言われたセリフがずっと頭から消えない
・漠然とした不安がある
・お金の不安
・やりたいことがない
・なんとなく焦ってしまう



じつはこのへんが、
たまねぎの薄皮にあたる部分です。


いま、こういう状況で、
こう感じている


まずはこれを伝えないと、
たまねぎの皮むきはできません。



そして、そう思う元になっているのが、
これまでの経験=たまねぎの白い身の部分。

そこは、いきなり話さなくてもOKです。



自分にとって話せるところ、
話しやすいことから話していって、

「この人に話しても大丈夫かも」と
思えたらでいいです。

もし話したくなかったら、
素直にそう言って全然大丈夫です。

(そこで怒るカウンセラーがいたら、
   その人はホンモノじゃないです)


どんなに八方ふさがりの状態でも、
答えは、かならず自分自身のなかにあります


カウンセリングで得られる
答えっていうのは、

「○○をすればいい」っていう
具体的なところじゃなくて、


「本当はやりたくない」
「こうしたい」
「これがイヤだった」
「こうしたかった」っていう、

自分の本当の気持ちに気づくことなんです。


◆まとめ


わたしは、
カウンセリングのゴールは

気持ちの整理をして、
自分なりの落としどころをみつけること
だと思っています。


ちなみにわたしのココロのたまねぎは、
すでに調理して、
おいしくいただきました。


最近は、「真ん中のあとちょっと」の
部分がたまに冷蔵庫から
発見されることもありますが、

あ、もうこれなら自分でパパッと
みそ汁にまとめて入れちゃえー

みたいな状態です。




自分のココロのつかみ方や
たまねぎの調理法は、

1度コツをつかめば、
そのあともずっと使えます


せっかく病院やカウンセリングに行くなら、
行ってよかったと思えるように
あらかじめ準備しておくの、おすすめです。


今日もありがとうございました。

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