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選り抜き

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今まで書いた中からお気に入りをまとめておきます。
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記事一覧

詩|寝ぼけまにまに

太古の海 地球最古の生命は 眠っていた 豊穣な海で育ち 夢を見たまま 墜ちる石にやられていた…

5

詩|吹いてください

もしも 季節を自在に選べたなら 私は一番好きなこの季節を 迎えることはできなかったでしょう …

7

凛として、生きていた

海は 空よりも重く 陸よりは、少し軽く。 私の海、も 空を見上げては、鳥を想い 陸を眺めては…

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詩|街灯と雪でできた街

1 街灯を前に その犬はただ 首筋を見せるように 項垂れて あのように 雪を被っていた 冷たい…

佐々木 夜無
2週間前
9

詩|一行の窓

町はずれの 本屋の 一角にあった 辞書の たった一行の言葉に 君は 閉じ込められた 私が 何を…

佐々木 夜無
4週間前
8

詩|私は海

波立たせるは 常に 私であれ 風が吹こうと 地が割れようと 波立たせるは 私であれ 風はよい …

佐々木 夜無
1か月前
5

詩│忘れていた

ぼくは小さい頃 食べものとおもちゃの違いがわからなかった それらは見るからに同じで 心踊るものはみんなおもちゃだった 「食べもので遊んじゃいけません」 とお母さんには言われていたけど 本当にわからなかったんだ どうやら美味しいものが食べものらしいと学んでからは 牛乳や 鼻水や 中指は みんな食べものだった 薬指はばっちぃの 小指もまあまあだけど、おっぱいなのは中指 ある日きれいなビーズを食べた時 お母さんに怒られて心配された 何で怒られたのかわからなかったけど ビーズを食

詩|138億光年のプラネタリウム

小さい頃は 黒い宇宙の果てしなさに呑み込まれて 気が遠のき眩んでいたものだ ところが大人に…

佐々木 夜無
1か月前
6

詩│宇宙デザート

宇宙語を食べたい 太陽風でもいい そこにパセリなんか乗っていると尚いい サラダは要らない メ…

佐々木 夜無
1か月前
14

詩|わからぬ痛み

透明な世界で地震が起こったら 私はなにで知るでしょう 地震で思い浮かべるものが もはや被災…

佐々木 夜無
1か月前
9

詩|さけび

僕が言葉を話しはじめた日は覚えていないが 理由についてはたしかにわかる 兄にも母にも父に…

佐々木 夜無
2か月前
3

詩│大海を知らず

1 星に  悪意を見た 森に  愛を見た 海に  冷たさを見た 空に  希望を見た 鳥に  わたし…

佐々木 夜無
2か月前
9

詩|二羽のトンビ

トンビが一羽大空に 頭の上を翔けていた 凛として舞うその姿 私たちは見つめてた 北アルプス…

佐々木 夜無
2か月前
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詩│陽炎

砂漠の中で 離ればなれになった 陽炎が揺らいでいた 声は、届いた それは、歪められた 変な形で、届いた イライラはした そのイライラが 「怒っている」と 誤って届いた それは誤解だと言った そしたら君は、怖がった 君は 君には 何が見えていたのか 諦められなかった たぶん焦っていた 想像で叫んだ 君は痛がった ように見えた 弁明をした 君は無反応 に見えた さらに付け加えた 興味がなさそう に見えた 分からなかった 分からなくなって 僕は僕のために 全部をぶつけた もう届か