詩|138億光年のプラネタリウム


小さい頃は
黒い宇宙の果てしなさに呑み込まれて
気が遠のき眩んでいたものだ

ところが大人になって地図で確認すると
どこまでも続くと思っていた体育館裏の森は
あまりにも小さい

ならば宇宙旅行に行ったとて
どこまでも星や銀河が続くばかりで
138億光年はひどく狭いのだろう

そんな時
突如
夜空を引き裂いたひとがあった
東の地平線から西の地平線にかけて
光でゆうに100億年もかかる距離を
洗濯の合間のほんの二、三十分で
いとも簡単に引き裂くのであった

めくれた遮光カーテン
宇宙の外側は、外だった
昼も夜もある、外だった



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?