#133 君がいたから〜自慢しきれない家族と友人
明後日の5月1日にいよいよ新しい研究プロジェクトに加わります。昨年12月半ばから今年3月半ばまで、約3ヶ月にわたる僕の新たな挑戦を支えてくれた人たちは6人いて、前回と前々回でそのうち2人が登場しました。今日はその全員、「自慢しきれない家族と友人」を改めて紹介したいと思います。
必要なヘルプは一つではない
難しいことを達成したり乗り越えたりしようとする時には、異なる性質のヘルプが必要になると思います。「頑張れ!」と言ってほしいですが、それだけでは疲れるので同時に「これで全てが決まる訳じゃないよ」とも言ってほしいですね。
選考のことには触れずに体調を気遣ってくれる人も必要だし、全然関係ない話題で和ませてもらいたい時もあります。人間は勝手だなあ、と思うのですが、今回のプロジェクト選考に際しては、6人の人がそれぞれの役割を果たしてくれました。
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ドンと構えていること 〜 妻
論文などでは家族への感謝は謝辞の最後に書くのが流儀ですが、今日は最初に書きます。新プロジェクトの選考を受けることを話した時、日本にいる妻は「こういう時は、家族がいろいろ言うと逆にストレスになるから、何も言わずにドンと構えていることが、一番の応援だね」と言ってくれて、選考結果が出るまで内容にはほぼ触れず、残りの5人が必要なヘルプを出すすべての土台を作ってくれました。「選考に落ちたら妻に迷惑をかけてしまう……」という心配をせずに取り組めたことはとても貴重でした。本当にありがとう✨
「私の仕事をします」〜 カウンセラーの先生
僕の note によく登場するカウンセラーの先生は、「では、私は私の仕事をします」と言って、僕の心理面の管理を引き受けてくれました。毎日の記録を「書くカウンセリング」につけていて、それをチェックしていてくれるのですが、調子よく進んでいる時でも、「少し飛ばし過ぎですよ。今週末は休んでください」とあえてブレーキをかけてくれました。
これは、家族や友人にはなかなか難しい役割ですね。思い通りに進まない時も、「少し長い目で見れば、順調に進んでいます。一喜一憂せずにいきましょう」と勇気づけてくれました。
プレゼンチェックは私が!〜 中国出身 AI 研究者
研究プロジェクトの選考は通常、「リサーチ・プロポーザル」と呼ばれる研究計画書を提出して、それに基づいて書類選考が行われ、面接に進めるかどうかが決まります。面接では、提出したリサーチ・プロポーザルをプレゼンの形で発表して、質疑応答を受けるというのが一般的なスタイルです。当然、プレゼンの質が重要になってきます。
ここで、「じゃあ、プレゼンは私が見るよ」と言ってくれたのが、何度か記事に書いてきた、中国出身の友人でした。オンラインでプレゼンを見てくれ、「この部分は研究内容と論文の対応関係が分かりづらい」「審査者に読ませる意図のない文字にはぼかしをかけた方がいい」と、非常に具体的な改善案をくれました。彼女とドイツ、エスリンゲンを旅した時の記事を引用します。
カツサンドは送れないけれど 〜 Karina さん
次は noter の Karina さん。昨年末にリアルでお会いすることができ、その際に「最後の晩餐」のカツサンドを一緒に食べた話は先の投稿『#131 カツサンドに誓った昼✨』で紹介しました。Karina さんは僕に少し似ている部分があり、「言葉を尽くして」勇気を送ってくれました。「勇気」は Karina さんの人柄を一番よく表す言葉だと思います。一番多い時は一日にメールを8通!くれました。一番の関門となる一次面接の前夜と当日朝に、ヨーロッパ時間に合わせてメールをくれた時は、本当に嬉しかったです😢
Karina さんは、その後「最後の晩餐」のサンドイッチパーラーのカツサンドを食べた時や、僕が「最後の晩餐」に食べたいと書いた「ちくわの磯辺揚げ」を食べた時には、わざわざ写真を送ってくれました。「こんな素敵な友達がいてよかった」と心から思いました。研究プロジェクトの選考という本筋から一番離れたところで、僕の気持ちが滅入るのを引き上げてくれたのが Karina さんでした。
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「朗報しか想像できません」 〜 長橋知子さん
ここまでで、「ドンと構えて挑戦する基盤を作ってくれた」妻に、「心理面の管理を引き受けてくれた」カウンセラーの先生、そして「プレゼンは私が見るよ」と言ってくれた友人、「たくさんの言葉で気持ちを和ませてくれた」友人の4人が登場しました。それでは最後の2人です!
大切な友人であり、先日始めたプロジェクト「しあわせ探求庁」の紹介動画を作ってくださった noter の長橋知子さんは、年末から採用決定まで、全くブレずに「必ずうまくいきます!」「朗報しか想像できません!」と言い続けてくださり、選考に落ちて所属プロジェクトがなくなるという恐怖感を忘れさせてくれました。
実際は合格するか不合格になるかは五分五分で、「朗報しか想像できません」と言い続けるのは難しいことだと思います。それでも最後までそう信じてくれ、「長橋さんがそこまで言うなら、ひょっとして大丈夫なのではないか」と思うことができました。
長橋さんにも同じく昨年末にお会いでき、その時にはお住まいの奈良が日本一の生産地だという靴下を二足プレゼントしてくれました。「ドイツは寒いだろうから」と、極厚手を選んでくださり、足元を暖かくして過ごすことができました。その靴下を履いている時はなんだか友人と一緒にいて守られている気分がしたので、その二足ばかり履いては洗って、すっかりくたびれてしまいました。
なので長橋さん、年末に日本に戻った時には、次の二足をプレゼントしてください!僕も何か長橋さんにプレゼント考えておきます✨
大阪天満宮で成功祈願 〜 miori さん
最後は、「しあわせ探求庁」プロジェクトパートナーの miori さんです。新しいプロジェクトの選考をクリアする必要が生じたと話した時には、「今の状態は5年前のトオルさんから見れば、夢だった状態のはず。受け止めて味わって進んでいきましょう!」と達観したコメントをくれました。
考えてみれば、中学数学から勉強しなおして、AI 分野の社会人大学院に入るべく受験勉強をしていた頃には、「海外の新プロジェクトの選考試験を受ける」は夢だったはず。「選考に合格できるかどうかは不安だけれど、そのことを悩める今の状態に感謝しなければ」と思うと、自然と肩の力が抜けたのを覚えています。
Karina さん、長橋さんと同じく、昨年末にお会いして、miori さんの就職活動成功と僕のプロジェクト採用、さらに「しあわせ探求庁」の順調な滑り出しの祈願のために二人で大阪天満宮へお詣りに行きました。そして、僕のプロジェクト採用が決まった3日後には miori さんにも第一志望の業界から内定通知が届き、「しあわせ探求庁」も先々週無事スタートしました!今年の年末はきちんとお礼参りをしないとね、と話しています。
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自分の実力は7分の1
こう考えてみると、6人のみんなの助けがなければ、今回新プロジェクトに採用になることはなかったことがよく分かります。自分の力は、7分の1でした。6人のみんなは全員僕の研究テーマに興味を持ってくれているので、恩返しはいい研究をしていい論文を書くことに尽きると思っています。そして、こんな素敵な「自慢しきれない家族と友人」に囲まれている自分は、本当にしあわせだと感じています。みんな、本当にどうもありがとう!
今日もお読みくださって、ありがとうございました☕️🍩🕯️
(2024年4月29日)