発達障害当事者が日常を格段に生きやすくした具体的なコツ
ASD(自閉スペクトラム症)、ADHDの特性を持つ方々が、日常生活をより快適に過ごすための工夫を当事者であるサラがいくつかご紹介します。
※これらの工夫は、私自身の経験や知識を基にしています。
👩💻仕事環境編👩💻
視覚を利用して安心・集中できる空間にすることができます。
視覚優位なタイプの発達障害者は、良くも悪くも視覚情報に大きく左右されます。
・整理された空間にしておく
部屋やデスク、作業スペースを整理することで、気が散らず、集中力を高めることができます。
絶対なのは、物の定位置を決めておく。
整理する=気が散らないだけでなく、視覚的にわかりやすい環境を作ることが効果的です。ポイントは、物を決められた場所以外には置かないということではなく、「決められたもの以外は置いてはいけない」ということです。
視覚的に色がストレスではない人は、色分けをするのもおすすめ。
色分けは赤青黄のようにするとわかりやすいですが、それだと視界がチカチカしてしまう人は棚とか見えないところにしまいましょう。柔らかい色にするとかも良いですね。強い色のストレスは大きいです。
・デザインの力を活用
ファッションやインテリアに関心が高い方の場合、良いデザインが視界に入ると心が安定します。ちょっと高くても憧れの小さい棚を買うとか、スツールを買うとか、おすすめです。
私の場合、デスクにスタバの紙のカップ(トールかグランデサイズ)を置いておくと、視覚的に心を落ち着かせてくれます。
重要なのは「視覚的に効果があるか」なので、この時、中身が入っていなくても構いません。
それでもみるみる集中力があがるから、不思議なものです。
ただ、スタバは好きで普段から飲むのですが、スタバにいるからといって集中力があがったり気分が上がることは別にないんです。
おそらく、昔スタバを飲みながら仕事をする人に憧れていた頃の気持ちが根付いているのです。
単純なことですが、これだけで自分がいい気分でいられるなら、置いていたほうがいいですよね。
つまり、あなたが「こんな環境で仕事したいな」”憧れている○○””憧れていた○○”をデスクの見える場所に置いてみるのがおすすめ。
人によってはお花とかちょっといいディフューザーとか、フィギュアとか賞状とかもいいでしょうね。
・自己肯定感アップアイテム
少し恥ずかしいですが、私は「すごい」と書かれた雑貨をPCの横に置いています。これにより自己肯定感が高まり、「今している行動への安心感」を得ることができます。
視覚情報優位の発達障害の特性ですね。今、こうしていていいんだと自分を許せた気持ちになり、作業効率も上がります。
・タスク管理デジタルツールの活用
スマートフォンやPCのアプリを使ってタスクを管理することで、忘れ物や予定の抜けを防ぐことができます。リマインダー機能を活用すると、重要な予定を逃さずに済みます。私はGoogleカレンダーで一元管理をしています。
・チェックリストの作成
発達障害はすぐ忘れてしまったり不注意でミスしてしまうことが多いので、日常のルーチンや仕事の手順をチェックリストにしておきます。
🏠自宅編🏠
リラクゼーションとストレス管理は大切です。オンのモードが強い人は、意識してオフに切り替えるスイッチを作っておくことで疲れすぎずに日々を過ごすことができます。
・ルーチンアプリの利用
家だとだらだらと過ごしてしまった、という人多いんじゃないでしょうか。こんなはずじゃなかった、と。
そんな方はルーチンアプリがおすすめです。
このアプリはスタートボタンさえ押せば、あとは今はなんの時間なのかを読み上げてくれます。何をすべきかを明確にし、時間制限もあるのでテキパキと効率的に行動できます。
・日常的なリラクゼーション
ヨガや瞑想、深呼吸など、自分に合った日常的なリラクゼーション法を見つけることで、ストレスを軽減し、心の安定を保つことができます。
私の場合は
・エプソムソルトか熟睡系の入浴剤を入れたお風呂
・プレシャスチャンダンのお香(心の奥から落ち着ける)
・お気に入りのマグカップで飲むデカフェのミルクティー(レンチンで作ると簡単で美味しい)
・1日7000歩目安の散歩
です。
実際にリピしてるものを下にリンク貼っときます。
↓入浴剤。色々使ったけど、やっぱりこれに戻る。これ入れないと入浴しても意味ないなと思うくらい必要不可欠なものです…
↓お香のお店にあるものは全種類買って試したけど、やっぱりいつの時も心が求めてるなっていうのはプレシャスチャンダン。
↓横置きのお香立て。横だと火の心配なくて安全だし、灰も周りにこぼれ落ちないから横置き一択! 蓋もできます。
・あなたが本当に惹かれるもの
まわりの人が好きなこと、一般的にウケのいいものはなにかと血眼になって探してきた人こそ、そろそろ自分の心の「好き」に従ってみてください。
自分の本当に好きなことや興味のあることに時間を費やすことで、リフレッシュし、日々の活力を得ることができます。
私は似合わないけれど、
・フリフリのお洋服やかっこいいバイク
・感情の描き方が上手い漫画を一人の空間で読む
と心が安らぎます。
(カフェとか図書館は人がいて緊張してしまうので、必ず自宅です)
・お風呂で1日を締める
まず先に、
1.お風呂に入る前に部屋を暗くし、
2.枕元のライトだけをつけてお風呂場に行きます。
これにより、副交感神経が優位になる空間を作ります。
お気に入りのテーブルライトを見つけることもおすすめです。
↓テーブルにキャンドル型のライトを置くのもおすすめ。
お風呂の時は
1.脱衣所の電気だけつけて、
2.浴室は必ず電気を消して入浴します。
3.むくみが取れる入浴剤を使って温まったあと、
4.座ってセラミド入りボディソープで足の指と足首を洗います。
5.最後に両耳を塞ぎ、シャワーヘッドを高い位置にかけて、頭のてっぺん(頭頂部)から強めのシャワーを浴びます。
30秒〜1分程度じっとしていてください。
耳を塞ぐのは耳にお湯が入らないようにするためだけではありません。
水の音に包まれて、お湯と一体になる感じ。
これをすると本当に体がすっきり軽くなります。
余裕があれば、以下もリラックスにめちゃくちゃ効果的です。
6.お風呂場でテラヘルツ鉱石のかっさでお尻の筋肉をほぐす
7.お風呂あがったあと脚の付け根と裏側、脇腹のストレッチ
8.筋膜ローラーで前腿のハリをほぐす
↓かっさはテラヘルツ一択。鉱石なので割れてしまうこともあるけど、その度買い直してます。
・サイズの合った下着
なんで下着? と思った方もいるでしょう。
合わない下着は、実は想像以上に体がストレスを感じますので、重要です。
下着屋さんで正しいサイズを測ってもらうことをおすすめします。私自身、ノンワイヤーでシームレスのユニクロの下着しか無理だと思っていましたが、それは誤りでした。
バスト専門のエステに行ったところ、ブラのサイズが全然合っていないことを指摘されたのです。
その後、適切なサイズのワイヤー入り下着をつけると、まさかのノンワイヤー以上に快適なことを知りました。
特に女性の方は、ブラの形にも合う合わないがあるので、お店の人にどの型が合うのか見つけてもらってください。
自分に合う窮屈ではない下着を見つけることは体を支えて楽にしてくれるので、本当に大切です。
🛎️感覚過敏への対策🛎️
・ノイズキャンセリング道具は常に携帯
感覚過敏の一環として、音に敏感な方も多いです。
ノイズキャンセリングヘッドホンやイヤホンを使用することで、周囲の雑音を軽減し、集中しやすくなります。
ノイズキャンセリングはAir Pods Proがおすすめ。
小さいバッグにも入ります。
電池が切れた時のために、モルデックスの耳栓も持ち歩いています。
⇩耳栓は人によって合うサイズが違うので、お試しで合うのを見つけてみてください。フィット感、遮音性に驚くはず。
・サングラス、ハンドタオルは光の刺激から守れるアイテム
サングラスは言わずもがなですが、ハンドタオルは手を拭くのはもちろん、電気や日光の明るさを遮る時にも使います。
ちなみに、アイマスクだと窮屈な感じがしてリラックスができませんのでNGです。
必ず、休憩の時には目元にハンドタオルをふわっと被せます。
これだけなのに、暗く覆われることで、驚くほどすっと落ち着くことができます。
また、ハンドタオルにお気に入りの香りをつけておくのもおすすめ。
私はハンドタオルをしまっている棚に、ボディファンタジーのボトルを一緒に入れています。その日の気分でシュッとしてから鞄にいれるのです。
アロマの香りは科学的に脳の疲れをとる唯一の方法とも言われています。お気に入りの香りをタオルにつけてリフレッシュしたい時にかげるようにしておくと、自分を守ってくれるアイテムになります。
・マスクで匂いのストレスを減らす
電車にのったり、街を歩いていると匂いが気になることが多々あります。
その瞬間に集中力はなくなり、ただ耐えることしかできなくなってしまいます。
マスクを持ち歩きましょう。
⇩ギャツビーが出してる、マスクにスプレーするやつおすすめです。
ちなみに、喉がダメージを負うのも、実は体にすごいストレスがかかっています。エアコンのきいた部屋や外泊時はもちろん、自宅でも季節の変わり目は寝る時にマスクをつけて眠ると良いです。
👤コミュニケーションの工夫
自分のペースを大切に。無理に周囲のペースに合わせようとせず、自分のペースでコミュニケーションを取ることが大切です。ただし、仕事関係の人からの連絡は24時間以内に返すようにしましょう。プライベートの嫌な誘いは断っても構いません。
・ファッションで非言語コミュニケーションを活用
言葉だけでなく、非言語コミュニケーションも有効です。おすすめなのは、視覚的なサポートを使ってコミュニケーションを補うこと。
これにより、負担なく良好な人間関係を築くきっかけができます。
具体的には、「変なTシャツを着る」ということです。
え?と思いますか?
変なTシャツ、着たくないよ!と思う方も、ちょっと見てみて。いいデザインのいいTシャツあるんですよ。
こういうのを着ていると、「なにそれ!」だったり「いいね」だったり「面白い」「可愛いTシャツだね」と話しかけてくれる優しい方がいます。
この人は悪い人じゃなさそうだ、とわかれば少し気持ちも歩み寄れるようになります。(何様だ)
私のお気に入り黒Tはこちらです。
私自身、アートが好きなのですが、可愛いハムスターとのコラボに思わず購入しました。
「いつもびっくりしてるよね」「驚いた顔が面白い」と言われるので(きっと発達の特性ですね)、なんだか親近感が湧いたのもあります。
私はデザインが気に入らない服は絶対に着れない性格ですが、これはありです。
おしゃれで面白いTシャツを着れたら、それがコミュニケーションのきっかけとなってくれるのです。
大勢の場で出会った場合も、「変なTシャツ着てた人だ」と覚えてもらえることもあります。
ちなみに、これを着て海外にもダンススタジオにも行きましたが、海外の空港でもジロジロみられました。顔ではなくみんな、Tシャツを見るのです。私は顔をやたらに見られたくないので、注目を浴びたくない発達障害にとっても、意外といい効果となりました。
いろんな具体的な工夫を紹介してみました。
これらの工夫を通じて、ASDの特性を持つ方々が少しでも生きやすくなることを願っています。
サラ。