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noteスランプ期の特効薬!言葉の魔術師・原田マハの魅力#推し活

推しができると、あなたはどうなりますか?


見守りたい?
ぬいぐるみを作って一緒にいたい?
もしくは付き合いたい?





わたしはね、
推しになりたくなる。




わたしの推しは原田マハさん



そんなわたしの推しは「原田マハ」さんです。
わたしはいわば、マハラー、いやマハリスト…やっぱりここはマハラジャもいいな。



原田マハさんは小説家だ。



アート小説が有名だが、旅や米作り、映画など本のテーマは幅広く、とにかくなんでも面白い。
どの本も知識が深くて、設定が細かい。フィクションとノンフィクションの境目がよくわからなくなるほどだ。
(マハさんは狙ってそう書いているらしい。その秘密は徹底的な取材によるものなんだとか)


マハさんとの出会いの1冊は「たゆたえども沈まず」だった。



当時ゴッホがお気に入りの画家だったわたしは、ゴッホがテーマのこの本に出会えたことが嬉しかった。
貪るように読んだ。マハさんの物語の中で、ゴッホが生きた時代と当時のパリを見ているようだった。



引き続き、アートがテーマの小説「楽園のカンヴァス」「サロメ」「リボルバー」「ゲルニカ」「ジヴェルニーで食卓」「常設展示展」を読んだ。
それからアート以外をテーマにした小説も。特に印象に残ったものを簡単に紹介したい。


◾️「旅屋おかえり」


気がつくと、今日もまた旅をしている。
 旅が好きだ。「移動」が好きなのだ。移動している私は、なんだかとてもなごんでいる。頭も心もからっぽで、心地よい風が吹き抜けていく。

「旅屋おかえり」からの引用。読んでて心地よい文章。

代理で旅をする「旅屋」を生業とした丘えりか(通称おかえり)が日本国内を旅する物語。


読み終わるのが惜しいと思って、わざとゆっくり時間をかけて読んだ。
読むと旅がしたくなる、ほんとうに。


物語の中でおかえりが訪れた秋田県の角館、愛媛県喜多郡内子町、礼文島は「いつか行きたい場所リスト」にしっかりランクインした。


ちなみにこの本を読んで無性に書きたくなった旅のnote、ベネチアへの旅行記は、初めてnote公式マガジンにピックアップされた。


マハ効果、恐るべし。




◾️「本日は、お日柄もよく」


困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。

「本日はお日柄もよく」の名文を引用。


のしのような装丁デザインと妙に惹かれるタイトル。読む前から直感があった。
これを読んだらもうマハさんの世界から抜け出せないんだろうな、と。





普通のOLだった二ノ宮こと葉が伝説のスピーチライター久遠久美に出会い、人生が動いていくという物語。


「伝説のスピーチライター」でわかるように、言葉が持つ力がテーマになっている。
この本では和歌やスピーチ、キャッチコピーなど、いろんな角度から見た「言葉」が登場する。

マハさんの本は読むたびに「どうやったら、こんな言葉が思いつくのだろう。この人こそ、令和の言葉の神様では…」と思う。
「本日はお日柄もよく」は、そんな言葉の魔術師が作るマハワールドの真骨頂だと思っている。

この本にインスパイアされて、noteで病めるときも健やかなる時も。#自分で選んでよかったことを書いた。


書けないスランプや書きたくない病に襲われるとき、マハさんの本を特効薬のように読む。そうすると、あら不思議、なんだか書きたくなる。

良質なインプットがないと、良質なアウトプットはできないんだと思う。



◾️「キネマの神様」


観るたびに思う。映画は旅なのだと。  

 幕開けとともに一瞬にして観るものを別世界へ連れ出してしまう。名画とはそういうものではないか。そして、エンドロールは旅の終着駅。訪れた先々を、出逢った人々を懐かしむ追想の場所だ。だから長くたっていい。それだけじっくりと、思い出に浸れるのだから。
 最後の一文が消え去ったとき、旅の余韻を損なわないように、劇場内の明かりはできるだけやわらかく、さりげなく点るのがいい。
 座席も通路も、適度な高さと角度。ドアや幕は、落ち着いたデザインで。劇場内のすべてが、帰ってきた旅人をあたたかく迎え入れるように。  

キネマの神様からの引用。
映画が旅だっていうマハさんの感性がすき。


映画が大好きな父娘を中心に物語は進み、映画が2人の人生を変えていく物語。

マハさんの書く物語はシンプルにわかりやすく進む印象があったけど、この本はどんでん返しが多く、結末が予想できない。ページを捲る手が止まらない系の物語。



物語の中のゴウさんのように、マハさんのお父さんも映画が好きだったらしい(マハさんの旅エッセイ「フーテンのマハ」フーテン旅よ、永遠に 参照)。


「キネマの神様」で、マハさんの物語それぞれがマハさんの過去の体験や感情で構成されていると知った。だからマハさんの言葉は読み手の感情に訴えることができて、心を動かすことができる。
フィクションじゃない、現実にあったマハさんの本当の心の動きだから。
マハさんの物語の主人公は、違う世界線のマハさん自身なのだ。




あとオタク的には、マハさんの1番好きな映画を知れたのも嬉しかった(照)



わたしは原田マハさんになりたい。



そして最近エッセイにたどり着いた。エッセイに辿り着いたからには、いよいよわたしのマハスイッチはOnになった。
ストーリーテラーじゃないマハさんの日常の姿を知ることで、別の物語もよりいっそう深みを増している気がする。



学生のころ、世の中の一部の若者がそうであったように、わたしは村上春樹さんに憧れ、ジャズを聞き、タバコを吸い、ウイスキーと猫を愛した(通称、それをハルキニストという)。
あのときと同じ体温なのを感じる。


エッセイには、マハさんの出版してきた本たちの裏話が盛りだくさんだった。
「たゆたえども沈まず」のときに取材に訪れたパリで食べたものや、マハさんの拠点が3つあり、その中には米作りをテーマにした「生きるぼくら」の舞台だった長野の蓼科が含まれていることなど。


ああ、そうだったのね、マハさん!この本にはそんな背景があったのね……!



推しへの愛が最高潮になると、推しのことをもっと知りたくなる。

実際の人間関係でもそうなんだけど、わたしは好きになった人については(男女関係なく)、様々な情報を調べあげて、何をもって意思決定をしたり、何を食べて、何を見て、何を考えてるか、すべて知りたくなる。

疲れた時はなにをするか、
朝ごはんになにをたべるのか(トーストとヨーグルトとコーヒーと言っていた)、
服を買うときの選ぶ基準(マハさんは「ファッションで人をおどかす」くらいファッショニスタらしい)はなにか等。


そういう情報をすこしずつ知っていくことで、確かな充足感が得られる。自分の中だけでひっそりと幸せを積み重ねている。
「マハさんならなんて言うだろう」と、思考の中に少しずつマハさんの成分が増えていくのが気持ちがよい。





書いていてつくづく思うのだけど、わたしはただのネットストーカーであり、オタクだ。


推しが人生の振り幅を豊かにする。



マハさんアンテナが常にピンと立っているわたしはお財布と時間が許す限り、マハ巡礼をしている。


「楽園のカンヴァス」を読んで、スイスのバーゼルにあるバイエラー財団美術館でルソーの「飢えたライオン」を見に行った。バイエラー財団美術館は物語にも登場している。
「たゆたえども沈まず」を読んで、パリのオルセー美術館にあるゴッホの「星月夜」を鑑賞した。

来週は「旅屋おかえり」にちなんで、四国1周に行く予定だ。



マハさんが和歌を学んでいたと知った(グルメエッセイ「やっぱり食べに行こう。 」京阪神グルメ巡業 参照)。マハさんの言葉の秘密は和歌にあるのかもしれないと、最近は和歌や短歌にも興味がある。


「やっぱり食べに行こう。」でマハさんが好きだといった東京神保町にある「スマトラカレー共栄堂」でカレーを食べたい。


最近リュックにかならず一冊はマハさんを仕込んでいる。わたしのことをよく知る友人は、本のことを教典と呼び、マハさんのことを神と呼んでいる(照)。

さいきんのわたしの語彙はマハさんから吸収したものが多いし、余暇はマハさんの本で出てきた場所を訪ねるようにしている。



今朝、早起きしてエッセイを読んだ。
わたしって幸せだ。朝活ならぬ、朝マハを今日も決めれるなんて。

次に読みたいものも決まっている。ちなみに「原田マハ、アートの達人に会いにいく」と「CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術」と「リーチ先生」だ。


もちろん、いつか生のマハさんに会いたい。
でもまだ会わない方がいい気もする。わたしは好物は最後に食べるタイプだから。
アイドルみたいにその気になればすぐに会えるかもしれないけど、もうちょっと修行してから会いたい(なんの修行かは自分でもわからないけど)。


このマハさんへの愛とリスペクトが溢れるnoteがたくさん読まれたら、会う理由にしてもいいかもしれない。

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