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#8「泥臭い、しかし面白い。マーケティングの世界」岩田 敏弥 Sansan Interview Note

 こんにちは!
Sansan株式会社でインターンをしています、山崎茉緒です!

数年後、自分はどの部署でどんな仕事をしているんだろう?

想像できない未来に不安やモヤモヤを抱える皆さんへ。
就職活動で後悔のない選択をして、数年後の自分にわくわくしてほしい。

そんな想いから、仕事探しのヒントを届けるnoteが始まりました。

今回は「Sansan株式会社のマーケティング部員って実際何してるの?」という疑問を新卒2年目からマーケティング部で活躍する岩田さんにぶつけてみることにしました。

岩田 敏弥プロフィール
2019年にSansan株式会社に新卒入社。西日本エリアの中小企業向けインサイドセールスを1年間経験した後、マーケティング部へ異動。SNS広告をはじめとしたデジタルマーケティング施策を担当し、現在はデジタルマーケティング全体のディレクションに従事。趣味は海釣りで夏シーズンは毎週海に繰り出している。

心の底から共感できるものの価値を届けたい

ーー入社してから今までどんな業務をされてきましたか?

2019年に入社し、1年目はインサイドセールスを経験しました。中でも西日本エリアの中小企業の新規開拓を担当していました。

2年目にマーケティング部に異動して、SNS広告や検索広告から見込み顧客との接点をつくる施策を担当していました。3年目の後半からはチームリーダーという立場で、デジタル施策全体の戦略立案から実行のディレクションを行っています。

ーー岩田さんは入社前からマーケティング部に興味を持っていたんですか?

そうです。
大学生のときに、海外でバックパッカーをしていたのですが、よく友人と学生時代に海外に行く良さについて話していました。

ちょうどその頃、学生向けに海外経験の価値を啓蒙する団体でメディアを立ち上げるという話があり、思い切って飛び込みました。その頃から、自分が共感できるものの価値を大勢の人に届けたいという想いがありました。それを叶えられる手段として、マーケティングという職種に興味を持っていました。

華やかさの裏にある泥臭さ

ーー今は具体的にどんなお仕事をされているんですか?

前提として、マーケティング部は、見込み顧客の獲得による受注最大化をミッションとしています。

その中でも、私が所属するメディアプランニンググループは、オンライン領域での施策を担当しているチームになります。オフライン領域は主にイベントや展示会などの施策ですね。

具体的にはテレビCMの配信でサービスの認知を獲得し、SNS広告や検索広告で認知から興味関心への態度変容を促すコミュニケーションを取ることで、より購買意欲の高い見込み顧客の獲得を行います。

ーーたしかに、CMや広告に携わっているイメージはありました。もう少し詳しくお聞きしたいです!

主に二つのことを行っています。

ひとつは、広告の戦略立案です。月々の広告予算を各広告チャネルでどのぐらい使い、どれぐらいのリードを獲得するか。商談転換率をどうやって上げるか、といったプランを立てています。

もうひとつは、立てたプランをもとに、広告代理店との協業を行っています。社内で考えた広告の戦略を、代理店とミーティングを重ねながら実行・改善していきます。そこで新たに生まれた課題や施策を社内に持ち帰り、プロジェクト化して進める、といった社内外の橋渡し役も担っています。

ーーなるほど。影響力の大きい仕事、という感じがします!

やっぱりそういうイメージなんですね!
でも実際、目の前の業務はめちゃくちゃ泥臭いです。

例えば、「広告を打つ」という仕事一つとっても、すぐに実行には移れません。

まず、なぜ広告を打つべきなのか、どんな広告を打つべきなのか、根拠となる情報を集めます。次に、集めた情報を踏まえロジックを組み立てます。マーケティングは1人でできる業務ではなく、色んな業種の人が関わっているため、他者に伝わる形にする必要があります。

そこまで準備してはじめて実行に移すのですが、広告を出してすぐに成果が出るわけではありません。PDCAを半年近く回し続けて、やっと大きな数字になって実感が得られるというような地道な仕事です。華やかそうなイメージを持たれているみたいなので、ちょっと意外でしょうか。

向いているのは「考えるのが好きな人」

ーーマーケティング部で身に付くスキルはなんですか。

論理的思考力と人を巻き込む力です。

論理的思考力は、先ほどお話しした情報を集める力とそこからロジックを組み立てる力です。

人を巻き込む力は、自分の意思を言語化して伝えるプレゼンテーション能力、他業種の人や社外の人を巻き込み施策を推し進めていくファシリテーション力といったところでしょうか。

マーケティングは専門的な仕事だと思われがちなのですが、どこの会社に行っても使えるポータブルスキルは圧倒的に身につくと感じています。

ーー岩田さんは、ご自身のどんな強みや性格が業務に活きていると思いますか。

考えてから行動するタイプ、というところですかね。
というのも実は高校時代から、がむしゃらに努力するのが苦手で(笑)

勉強でも部活動でも、毎日ノートを書いていました。特にサッカー部のときは、何が今できないのかを書き出して、効率的に潰していくことを意識していました。

勘に頼るのではなく、事実ベースで整理して次に活かす。それが習慣として身に付いていることはマーケティングでも活きています。

ーーどんな人がマーケティング職としてキャリアを築くことに向いていると思いますか。

考えるのが好きな人ですかね。

「これってどういうことだろうか」「これって本当なのかな」と小さな違和感を敏感に感じ取って考えられる人です。

もっというと、その先でモヤモヤを我慢できない人。違和感を感じ取ったうえで、突き詰めずにはいられない人。

入ってくる情報を鵜呑みにするのではなく突き詰めて考える、その先で自分のロジックを作れるようになる、説得力が出て他者を動かして施策を進められる、というステップでマーケティングは成り立っているので。

日々の積み重ねが形になる仕事

ーー大学時代から希望していた部署ということでしたが、あえて苦しかったエピソードを聞いてもいいですか。

マーケティング部に配属された当初、何もできなかったことです。

中途社員ばかりの環境に、新卒2年目、未経験で飛び込むことになりました。当時は会議に参加しても、全然横文字がわかりませんでした。さっきのアルファベット3文字なんだったんだ?みたいな状況でしたね(笑)

マーケティングって、営業と比較して知識がないと何も戦えないんですよ。知識や用語を知らないと議論すらできない。

やっとの思いで知識を身に着けても、マーケティングの思考のフレームに落とし込んで会話することができなかった。だから「こうしたい」という意見は持っていても、なかなか周囲に伝わらないんですよね。正直しんどかったですね。

ーーその状況をどう乗り越えていったんですか?

今振り返ると、大事なことは三つありました。

一つ目は、だめだと思ったときこそ、自分を客観視すること。今自分は0の状態にいて、その先に自分のなりたい姿があって、何をすればその理想に近づけるのかを冷静に考えることです。

二つ目は、それを上長や他のメンバーと壁打ちすること。客観視した自分の状態と今後のアクションを整理したうえで、周囲にアドバイスをもらいながらそのアクションの解像度を上げていきました。

三つ目は、インプットと日々の振り返りです。知識を得るための読書を欠かさなかったこと、何ができて何ができなかったか毎日ノートに整理したことは後々活きてきましたね。

ーー今度は一番嬉しかったエピソードもお聞きしたいです!

日々の取り組みが形になっていることを実感したときです。

配属から一年経った評価のタイミングで、各仕事で関わった人からコメントをもらえる機会があるんです。そのときに、広告バナーのPDCAの回し方が参考になった、刺激を受けたというコメントをもらい、はっとしました。

日々知らないことに出会い、身につけたと思ったらまた知らないことが出てきて、なかなか自分の成長に向き合うタイミングがなかったんですけど、いつのまにか自分の取り組みが周りに影響を与えていたことを嬉しく思いましたね。

日々積み重ねてきたことに後から実感を持てることは、マーケティングをやっていて一番面白いところなのかなと思います。


正解がない道に正解をつくり出す面白さ

ーーSansanのマーケティングならではの面白さって何ですか?

「Sansanがちょうどほしかった!」という人は一人もいないというところですかね。

今は営業DXサービスに変わった「Sansan」ですが、私が当時配属されたときは法人向けクラウド名刺管理サービスでした。でも「名刺管理しませんか?」といっても、必要だと思う人はいないんですよ。

そこで伝え方を変えて、「営業に課題はありませんか?」と課題を引き出した上で、「新規開拓営業には名刺管理という手段がありまして…」と訴求していく。

同じプロダクトを売ってる会社は他にないので真似は出来ないですし、普通のマーケティング活動、営業活動をしていたら価値が伝わらないプロダクトなので、そこに熱意と思考力が必要です。

正解がない道に正解を作り出す作業は難しいですが面白いです。

ーー岩田さんの今の目標は何ですか。

Sansanの非連続成長に自分が貢献しました、と言えるようなことをしたいです。

というのも、「Sansan」が法人向けクラウド名刺管理サービスから営業DXサービスに変わったから急速に伸びた、ということはないんです。

だからこそ、今後の成長に大きく貢献したといえる施策やプロジェクトをやりたいと思ってます。

ーー最後に、マーケティング職を志す就活生に対して、メッセージをください!

マーケティングは、たぶん皆さんが思ってるより華やかな世界ではないです。

最後に花開いたものは華やかに見えますが、そこに至るまでは泥臭いことの積み重ねです。ただ、そこに本気で向き合うとめちゃくちゃ面白いのがマーケティングです。

マーケティング部に入ったら誰でも最初は難しいなって思うと思いますし、僕も何度も壁にぶつかりました。

でも、マーケターに求められるのはセンスとかアイデアを出す力ではありません。一番大事なのは、「なぜやるのか」をどれだけ突き詰めて考え抜けるか。

思考の妥協ができない人にとっては、きっと心から面白いと思える仕事だと思います。マーケティングに興味を持ってくれる就活生が増えると嬉しいです。


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