吉田健一『私の食物誌』

舌鼓ところどころ/私の食物誌 (中公文庫 よ 5-10)

長浜の鴨、家鴨あひる、神戸のパンとバタ、飛島の貝、鮑あわび、蠑螺さざえ、蠑螺の塩辛、近江の鮒鮨、唐墨からすみ、くちこ、海苔、茶漬け、瀬戸内海のままかり、広島の牡蠣、牡蠣フライ、土手焼き、新潟の筋子、筋子の粕漬け、鮭、鱈、金沢の蟹、ずわい蟹、こうばこ蟹、岩魚いわな、関西のうどん、白玉、天ぷら、新潟のうどん、浅草海苔、こはだ、明石の鯛、山葵醤油、甘鯛、富山の鱒鮨、長崎の豚の角煮、バタをたっぷり付けたパン、カレーライス、大阪の雀鮨、小鯛、鯖鮨、大阪のかやく飯、粕汁、鴨、生麩、菜の花、家鴨の肝、子牛の喉の肉、柴漬け、菜の花漬け、千枚漬け、茄子、茗荷、蓼、金沢の蕪鮨、近江の鮒鮨、鰤、麹、酢漬けのキャベツ、ソーセージ、蓴菜じゅんさい、蕗の薹、蒟蒻、野菜の味噌漬け、東北の味噌漬け、奈良漬け、関西の真名鰹の味噌漬け、近江の鴨、金山寺味噌、佃煮、紫蘇の実、胡麻塩、塩昆布、茄子の辛子漬け、白子干し、横浜中華街の点心、焼売、肉饅頭、金沢の胡桃餅、柏、日本海の烏賊の黒づくり、瀬戸内海のめばる、鰈、鯛、鱸、石川県の鰌どじょうの蒲焼き、北海道の牛乳、鮭、浅間山麓の浅間葡萄、信越線長岡駅の弁当、鱒の姿鮨、サンドイッチ、群馬県の豚、豚汁、豚カツ、チャーシューメン、カツどん、京都のすっぽん、瀬戸内海の鯛の浜焼き、京都の筍、関西のおでん、蛸、里芋、茹で卵、長崎の唐墨、鰡の卵、筋子、カヴィア、数の子、東京の佃煮、鮒の雀焼き、海老、はぜ、鮒、鮪、鎌倉の海老、竜野の素麺、新潟の餅、こはだの酢漬け、佐久の鯉、東京の慈姑くわい、北海道のじゃが芋、石川県の棒鰤、金沢のごり……。

――ごちそうさまでした。

参考：
吉田健一『私の食物誌』（中公文庫）、中央公論社。
昭和五十年一月十日　初版
昭和五十二年三月二十五日　七版