チチ離れを始めた長男との正月山行 奥日光太郎山①
学習院大学山岳部 昭和30年卒 石川貞昭
今年の正月は、全国的に暖冬で、山々はいずこも大変な雪不足だった。 久しぶりに大晦日の『ゆく年くる年』を見ていたら、元旦午前0時の富士山頂でさえ、零下3度と言う暖かさだ。 平年より10度も気温が高いわけである。
子供たちの正月休暇の前に、長男成昭から友人と2人で冬山を歩いてみたいが、どこの山が良いだろうと相談を受けた。 平年並みの豪雪に見舞われているならば、無理だがらやめろと言うところだが、今年の積雪状況なら奥日光の孤独な山『太郎山』が良いだろうと勧めてみた。 戦場ヶ原の奥に位置する、光徳の学習院光徳小屋を拠点にして、天候の良い日を選び、ハガタテ薙から登り、往復するプランである。
子供といえども高校生になると、親と一緒の旅は、胡散臭いらしい。 親父の私も、なまった体の焼入れがてらに、正月のひと山を仲間入りさせろと言うと、往復の旅程、光徳小屋での生活も別行動、山だけは1日一緒に登ろうと話がまとまる。
したがって、食料等2人して合宿並みの調達を済ませており、お父さんは自分の分を用意してくれと言う。
もう子連れではなしに、自分たちの計画に、対等の立場で参画して欲しい、との自主独立を尊重したい主張が一本通っていた。
以前、この光徳小屋を何回か利用されたことのある皇太子ご夫妻(※1)と、昨年ある会合の席で家内が、山や子供たちの話を交わしたときの話が思い起こされた。
美智子妃殿下(※2)が、「おたくでは、よく山に一家揃って出かけておられるようですが、高校生となった浩宮(※3)は、もう親や兄弟とは旅行のような行動は、ともにしようとはしないのですよ」
まさしく我が家でも、長男はそんな時期に差し掛かったのである。 英国式の父は父、子は子の責任で行動する決まりを、互いに理解し合い実行する。親睦山行と言った方が良いのかもしれない。
成昭と友人の松ケ谷君は、31日の朝暗いうちに千葉を出発して日光に向かった。 この日、バスが中禅寺湖のほとりまでくると、雨が降ると言う大晦日だったそうだ。 それでも予定の通り、竜頭ノ滝で下車。戦場ヶ原を横断して山小屋に着いたら、びしょ濡れになっていたと言う。
(1978年1月の山行)
(※1)皇太子ご夫妻
現:上皇陛下、上皇后陛下
(※2)美智子妃殿下
現:上皇后陛下
(※3)浩宮
現:天皇陛下
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