懐かしい…【掌編小説】#シロクマ文芸部
「憧憬」
懐かしい友人 千恵からラインが入ったのは、一昨日の事だった。どんよりと空に広がった雲を引き裂くような小気味の良い誘いは、千恵そのものだった。
「久しぶり!今度の三連休に帰省するから時間作って!」
「いいけど、急にどうしたの?」
「話があるのよ、電話じゃ言えない話!ねぇ、昔よく行った喫茶店 れんげってまだやってる?」
「あぁ、代は変わったけどあるわよ」
「じゃあ、そこで◯日の3時にね」
相変わらずマイペースで強引なところは、学生時代と少しも変わってはいなかった。