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短編小説

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今まで書いた短編集です。
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#シロクマ文芸部

働いて…【掌編小説】#シロクマ文芸部

           働くの、日本人は働き者なの。       そんな男のお話だよぉ〜 働…

sanngo
2時間前
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爽やかな#シロクマ文芸部

🎃「Happy Halloween」🎃 爽やかな朝だった。空は高く蒼く澄みわたり、空気の中に鼻腔をくす…

sanngo
4週間前
57

ブーケ・ドゥ・ミュゲ#シロクマ文芸部

木の実と葉が、さえずっている、 囁いている、ざわめいている。 公園のベンチに座り、カサカ…

sanngo
1か月前
69

「夕焼けは」#シロクマ文芸部

夕焼けは、遠くに連なる山々を紅く燃え上がらせ、やがてゆっくりと夜へと溶けていった。 夜は…

sanngo
1か月前
57

風の色は…【掌編小説】#シロクマ文芸部

「風の色は、何色ーー?」 通学路にあたる堤防の道で、両手を広げ川に向かって叫んでいたのは…

sanngo
1か月前
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月の色は【掌編小説】#シロクマ文芸部

月の色は、何色なの? 幼かった私は問うた。 父はランニング姿で、テレビの巨人戦を観ながら…

sanngo
2か月前
75

懐かしい…【掌編小説】#シロクマ文芸部

「憧憬」 懐かしい友人 千恵からラインが入ったのは、一昨日の事だった。どんよりと空に広がった雲を引き裂くような小気味の良い誘いは、千恵そのものだった。 「久しぶり!今度の三連休に帰省するから時間作って!」 「いいけど、急にどうしたの?」 「話があるのよ、電話じゃ言えない話!ねぇ、昔よく行った喫茶店 れんげってまだやってる?」 「あぁ、代は変わったけどあるわよ」 「じゃあ、そこで◯日の3時にね」 相変わらずマイペースで強引なところは、学生時代と少しも変わってはいなかった。

「レモンから」#シロクマ文芸部

「恋する檸檬」【掌編小説】 レモンから弾むように飛ばされた雫は、迷うことなく一直線に弥生…

sanngo
2か月前
69

流れ星【掌編小説】#シロクマ文芸部

流れ星が、私の指の隙間からこぼれ落ちた。 見上げた宙から、またひとつ弾き飛ばされたビー玉…

sanngo
2か月前
58

花火と手…「墓詣り」#シロクマ文芸部

「墓詣り」 花火と手桶を携えて、私は白い玉砂利が敷かれた遊歩道に足を踏み入れた。ジャリッ…

sanngo
3か月前
78

「風鈴と」(掌編小説)#シロクマ文芸部

風鈴と冬は似合わないのに… 朽ち果てて今にも崩れ落ちそうな平屋のあばら家が、町の片隅に建…

sanngo
3か月前
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「私小説」夏は夜が…#シロクマ文芸部

夏は夜が好きだった。 町外れの行きつけの小さな寿司屋で、彼と私は飲んでいた。引き戸の向こ…

sanngo
4か月前
61

「掌編小説」ラムネの音#シロクマ文芸部

ラムネの音がした。 ボンッ 目を覚ますと見知らぬ部屋に寝ていた。 うーん…此処は何処だっけ…

sanngo
4か月前
51

「掌編小説」金魚鉢は知っている#シロクマ文芸部

金魚鉢を床に叩きつける。 ガチャンと言う音を立てて粉々に砕け散った様子を見て作業療法士のYは言う。 「はい、上手に出来ましたね。じゃあ、もう一度」 口を半開きにだらしなく開けて、その右端からよだれを光らせている敏子さんにYはまた金魚鉢を渡す。 「じゃあ今度はあの壁に思いきり叩きつけてみて!!」 ガチャンッ!! 2050年  日本は多数の劣悪なサプリメントと遺伝子組み換えによる家畜、野菜の摂取で、大勢の犠牲者を出した。20年後の現在、そのおかげで高齢化社会からは脱した