出来なかったことが、出来るようになった喜びは大きい。私は苦手なことを、少しでも克服したい、という話。
私は昔から、とんでもなく不器用だ。
特に、指先を使う細かい仕事が。
にも関わらず、ピアノは長く続けることが出来た。
自分の指を、鍵盤に落とした瞬間の音。
そしてその音を聴きながら、情景を思い浮かべ、まるで歌を歌うかのように、感情を込めてピアノを弾くことが楽しかったのだと思う。
家庭科の評価は、常に『1』か『2』。
しまいには、裁縫が得意な母親に、課題であるスカートを作らせて、それが家庭科の先生にバレて、別室に呼ばれて怒られた記憶がある。
そして私は、手先が器用で家庭科が得意な妹と比較された。
まあ、そんなことで凹む私ではない。
だって、好きじゃなかったんだもの。
だけど、やる時はやる私なのであった。ミシンは、直線縫いだけは得意だった。
だから、タスキと垂れ幕作りの時の集中力といったら!
出来上がりが早く、他人よりも多く縫っていた気がする。
そんな一面もありながら、全体的に指先を使うことが苦手だった。
料理の分量はアバウト。寸法を測る工程は、いつもどこかが短かったり、長かったりと合わないのだ。
本人は、いたって真面目に正確に測っているはずなのに。
しかし、アウトドアからインドアに変化した、私の生活。
『ものをつくる』ことに目覚めたのだった。目覚めたというより、家にいることが多くなり、読書のほかに何かをしたいな、と思ったからだ。
まずは、編み物を始めた。編み図を見たら、全然読めずに吐き気すら出ていた私が、医師と接する機会が増えてから、編み図が読めるようになり(←不思議だ)、帽子やマフラー、猫のための毛布を作った。
全て、かぎ針編みとアフガン編み。何故か棒針編みは出来ない。
しかし、棒針編みもこの冬は挑戦したい。編み物の本を見て、被りたい帽子が棒針編みだから。
自分が被りたかったり、自分に似合う帽子を探してはいるのだけど、なかなか売ってないのよね。
次は料理。キッチンにずっと立っていると、息切れがしてくるので無理は出来ないのだけど、長ネギ、玉ねぎを刻むことに没頭していると、【無】になることが出来るから好き。
外出自粛期間中、今までノートに切り貼りしていた食べたかったものを、塩分計算しながら工夫しながら作っていた。
おかげで、レパートリーが増えた。
数年前に買った、一度も箱を開けていなかったフードブロセッサーを、納戸からひっぱりだし、鶏むね肉をミンチにして、モッチモチの水餃子を作ったり、ミンチにしてない鶏むね肉を、切っていくつかに分けて、親子丼用、焼肉用にして冷凍庫で保存。
一度切った豆苗を、容器に入れて育てて親子丼に使ったり。
たくさん頂いたトマト。食べきれないので、トマトからミートソースを作ったり。
私は、外出自粛期間中、明らかに料理の腕を上げたように思う。
一日の塩分制限があるため、同じようなメニューだったのに、作り方に表示されている塩分を調整すれば、何でも出来るし食費節約にもなった。
体に負担がかからないように、椅子に座って作業をすれば大丈夫。
100均で購入した材料で、プチDIYをしたり、スウェット生地の、チュニックの袖を外して手縫いでノースリーブにしたり。
ミシンも購入したのだけど、まだ箱から出していない。
昔から、人とは違う、個性的なスタイルが好きなので、自分の好きな布で着たい服を作りたい。
って、すぐには作れないと思うけれど。
昨日のnoteにも少し書いた、【甘酒造り】。
食塩相当量がゼロのもの購入し、袋の後ろに書いてある方法で、もの凄い集中力で挑戦した。
結果は、、、失敗。
ちゃんと分量を測ったのに、甘酒ではなくて、お餅みたいになってしまい、私は肩を落としたよ。
何故かって、甘酒造りって、考えていた以上に、私にとっては大変で体力を奪われて、息切れしてしまったから。
でも、どうしても私は甘酒を造りたいのだ。
『失敗は成功のもと』って言うじゃない。
何度失敗しても、私は諦めない。
麹から甘酒を造る!
すぐに造りたい気持ちはあるのだけど、失敗した甘酒造りに結構な体力を使ったので、少し休んでからにしよう。
初めて、自分で帽子を編んだ時は、とてもとても嬉しかったことを覚えている。編み上がるまで、ほどいたり、わからないことを本で調べながら編んだりと、投げ出したい気持ちもあったけれど、なんとか完成させた。
今まで苦手だったものに、私は向き合うことができた。そして今も向き合っている。
疲れた時は、安全な場所に緊急避難したり、大の字で寝転がったりして爆睡しちゃったりするけれども。
少しでも、得意なことに近づけるように、私は苦手なものを克服したい。
『自分の好きなことを楽しむ』。出来れば私もそうしたい。けれど、好きなものが殆ど制限があったり、禁止されているから、今の私にできることをやるだけ。
やっていれば、楽しくなるだろうし、いや、楽しくなるって信じてるし、実際に楽しいです、はい。