カトリック学校の取り組み(Salt, for teachers)

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最近の記事

日本カトリック教育学会第48回全国大会 開催方法の変更につきまして

 2024年8月30日(金)~9月1日(日)に開催される日本カトリック教育学会第48回全国大会は、台風接近の影響を受け、対面での実施を取りやめ、オンラインでの開催に変更となりました。  参加を申し込まれている方は、学会事務局からのメールをご確認ください。

    • 宗教/道徳の授業とカトリック教育

       日本では、1958年版の学習指導要領で教科外カリキュラムとして小・中学校に「道徳」の時間が設置されました。その後、2015年の小・中学校学習指導要領の一部改正に伴い、教科外の一領域であった「道徳」が、「特別の教科 道徳」として再編されています。  私立の小学校・中学校では、宗教をもって道徳に代えることができるという方針から、カトリック学校の多くは、宗教の授業を行ってきました。  ところが、近年のカトリック学校では、道徳が「特別の教科 道徳」となったことをきっかけに、宗教

      • お詫びと訂正 2024年プラクシス部門日程につきまして

         2024年7月30日にnoteで配信した記事「校務分掌とカトリック教育」において、日本カトリック教育学会プラクシス部門の開催日程を誤って記載しておりました。 〈誤〉 2024年8月30日(土) 〈正〉 2024年8月31日(土)    読者の皆様、関係各位の皆様にお詫びするとともに謹んで訂正いたします。  日本カトリック教育学会第48回大会プログラムの詳細は、以下の資料をご覧ください。  

        • 総合学習とカトリック教育

           日本では、1998年版学習指導要領から、小学校第3学年以上で、各教科内容に縛られない総合的な問題に取り組み、自ら課題を見つけることを目的とした「総合的な学習の時間」が設けられました。2018年版学習指導要領では、高等学校では「総合的な探究の時間」を設けることになりました。    2023年に実施された「カトリック学校教育実態調査」から、カトリック学校(小中高)では、こうした時間も使った総合学習を、建学の精神の具体化の方法の一つとして活用している学校があるということが分かりま

        日本カトリック教育学会第48回全国大会 開催方法の変更につきまして

          校務分掌とカトリック教育

           2023年、全国のカトリック学校の先生方に大変ご協力いただき、「カトリック学校教育実態調査」を行いました。  この調査は、日本カトリック教育学会とカトリック中央協議会の学校教育委員会との協働によって実現しました。  6月に実施したアンケート調査に引き続き、秋以降、ご回答いただいた学校の中から、いくつかの学校の先生方にインタビュー調査を行いました。    調査により、近年のカトリック学校では、それぞれの学校の建学の精神を継承し、学校の教育活動に具体化するための様々な取り組みが

          日本カトリック教育学会第48回全国大会のご案内

           2024年8月30日(金)から9月1日(日)、岡山市のノートルダム清心女子大学で、日本カトリック教育学会第48回全国大会が開かれます。  今年度の大会テーマは、「インクルーシブ社会をめざすカトリック教育 ―その実践と理念」です。  8月30日(金)は、4つのラウンドテーブルが開かれます。ラウンドテーブルでは、発表者と参加者が、発表者のテーマに沿って自由に意見を交換します。  8月31日(土)は片柳弘史神父様 (カトリック宇部教会)による基調講演「世界で一番たいせつなあな

          日本カトリック教育学会第48回全国大会のご案内

          夏休みに読みたい! 「永井隆」の本    ー平和を学び、希望に生きるために。

           8月に入ると、日本では、やはり二つの原爆記念日が思い出され、15日の終戦の日まで「平和」を祈る心となりますね。 ウクライナでの戦争が激しくなり、核兵器を使う可能性をちらつかせる国がでてきた今こそ、「もう決して核兵器は使わせない」という思いを新たにし、この決意を次の世代を担う若い方たちにも伝えたいと願います。  長崎で自分も原爆の被爆者となりながらも、被爆した方々の救護を献身的に行った医師、戦後は数々の本を書いて有名になった永井隆のことをご存じでしょうか。「長崎の鐘」「この子

          夏休みに読みたい! 「永井隆」の本    ー平和を学び、希望に生きるために。

          国際バカロレアの教育から学ぶ14:概念型カリキュラム

          「国際バカロレアの教育から学ぶ13」では、国際バカロレアですすめられている「指導のアプローチ」をご紹介しました。 今回は、その中の一つ、「概念理解に重点を置いた指導」についてまとめてみます。 「概念型の学習では、各教科や教科横断的な領域において関連性をもつ、有力な考えを体系化することを重視」しています(国際バカロレア機構, 2022, p. 16)。 国際バカロレアでは、リン・エリクソンの「概念型カリキュラム」の理論を参照しています。 エリクソンは、事実やスキルを機械的に

          国際バカロレアの教育から学ぶ14:概念型カリキュラム

          国際バカロレアの教育から学ぶ13:「指導のアプローチ」

          新学期を、いかがお過ごしでしょうか。 新しい出会いの中で、今年度の授業を始められた先生方も多いかと存じます。 昨年は、カトリック学校の教育と親和性があると考えられている国際バカロレアの教育について、教育の理念や、理念を具体化するためのカリキュラムの一部を、ご紹介してきました。 (「国際バカロレアの教育から学ぶ1~5」では、国際バカロレアの教育から得られる、カトリック学校の教育を振り返る視点についてまとめています。) 今年も国際バカロレアの教育について、ご紹介していきます。

          国際バカロレアの教育から学ぶ13:「指導のアプローチ」

          李神父による一日静修会 小島さやか(雙葉小学校)

          イドバタ×SALT企画 8月28日(日)10:00〜17:00 上智大学校内クルトゥルハイム 李神父様を含め19名と共に祈り、学び、分かち合いの一日を過ごしました。 小学校から高校までの宗教・倫理ご担当の先生、宗教以外の科目をご担当の先生、大学生、院生、カトリック学校でお勤めの職員の方、教会学校の先生・・と、本当に幅広い学校、年齢、背景をもつメンバーで集いました。 オンライン上で顔は見たことある、名前を見たことがあるという方々と今回直接お会いする機会ともなり、「お会いしたか

          李神父による一日静修会 小島さやか(雙葉小学校)

          国際バカロレアの教育から学ぶ12「グローバルな文脈」探究の例(中等教育プログラム)

          前回に引き続き、中等教育プログラムの「グローバルな文脈」の問いと、探究の例をご紹介します。 〇科学技術の革新 自分たちが住む世界をどのように理解するのか? 例)システム/解決策/適応/人間の創造性/結果//産業化/情報化/進化/原則/原則と発見 〇グローバル化と持続可能性 あらゆることはどのようにつながっているのか? 例)環境に対する人間の影響/共通性/多様性/消費/天然資源/保全/公共の利益/都市開発/人口 〇公平性と発展 共通の人間性がもたらすものは何か? 例)民主

          国際バカロレアの教育から学ぶ12「グローバルな文脈」探究の例(中等教育プログラム)

          国際バカロレアの教育から学ぶ11「グローバルな文脈」探究の例(中等教育プログラム)

          前回、PYPの「教科の枠を越えるテーマ」と関連づけられたMYPの「グローバルな文脈」について、ご紹介しました。 MYPのカリキュラムドキュメントには、それぞれの「グローバルな文脈」から生じる探究の例が挙げられています。 今回はその中から、3つの「グローバルな文脈」と焦点となる問い、探究の例を、いくつかご紹介します。 〇アイデンティティーと関係性  私は誰なのか?私たちは誰なのか?  アイデンティティーの形成/自立/健康と福祉/人間の本質/倫理的な判断 〇空間的時間的位置づ

          国際バカロレアの教育から学ぶ11「グローバルな文脈」探究の例(中等教育プログラム)

          国際バカロレアの教育から学ぶ10:「グローバルな文脈」(中等教育プログラム)

          国際バカロレア中等教育プログラム(MYP)は、8つの教科を学びます。 MYPでは、教科で学んだことを、自分の生活に結びつけて考えることができるように「文脈に基づく学習」という考え方が採用されています。 MYPでは、PYPの「教科横断的なテーマ」と連携する形で、6つの「グローバルな文脈」が設定されています。 PYPの「教科横断的なテーマ」→MYPの「グローバルな文脈」の順で、お示しします。 私たちは誰なのか→アイデンティティーと関係性 私たちはどのような場所と時代にいるの

          国際バカロレアの教育から学ぶ10:「グローバルな文脈」(中等教育プログラム)

          国際バカロレアの教育から学ぶ9 教科の枠をこえた学習・ボイヤーの思想

          「国際バカロレアの教育から学ぶ8」では、「教科の枠をこえた学習」というIB教育の特徴についてご紹介しました。 今回は、この特徴の理論的な背景の一人である、アーネスト・L・ボイヤーの教育についての考え方を、ご紹介します。 ボイヤーは、カーター大統領政権において教育長官も務めたアメリカの教育者です。カーネギー教育振興財団理事長を務めた人物で、キリスト教会(Brethren in Christ)の牧師でもありました。 ボイヤーは、特にキリスト教教育においては、「分裂(fragm

          国際バカロレアの教育から学ぶ9 教科の枠をこえた学習・ボイヤーの思想

          Zoom de イドバタかいぎNO.17「宗教の授業にける探求型授業の実践と方法論の検討」

          Zoom de イドバタかいぎNO.17 「宗教の授業にける探求型授業の実践と方法論の検討」 発表者:宮島健太郎さん(サレジアン国際学園中高) 日時:7月10日(日)14:00~ 申し込み:PEATIX 入場券(無料) https://peatix.com/event/3285758/view?k=bc33801d35def21ffc25b1bea5dd0281e56529ae プロジェクト基盤学習PBL(project based learning)とは、解がまだ見つかっ

          Zoom de イドバタかいぎNO.17「宗教の授業にける探求型授業の実践と方法論の検討」

          国際バカロレアの教育から学ぶ8:教科の枠をこえた学習 

          国際バカロレアの初等教育プログラム(Primary Years Programme:PYP)では、教科の枠をこえた学習を重視しています。 3歳から12歳の子どもたちが、自分たちが生きる世界についての理解を深めるためには、既に持っている知識や経験と新しい知識や経験との間につながりを見つけていくことが有意義である、とPYPでは考えられています(IBO 2018)。 PYPで学ぶ子どもたちは、「人間の共通性」に関連するとされる次の6つの「教科の枠をこえたテーマ(Transdisc

          国際バカロレアの教育から学ぶ8:教科の枠をこえた学習