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国際バカロレアの教育から学ぶ13:「指導のアプローチ」

新学期を、いかがお過ごしでしょうか。
新しい出会いの中で、今年度の授業を始められた先生方も多いかと存じます。

昨年は、カトリック学校の教育と親和性があると考えられている国際バカロレアの教育について、教育の理念や、理念を具体化するためのカリキュラムの一部を、ご紹介してきました。
(「国際バカロレアの教育から学ぶ1~5」では、国際バカロレアの教育から得られる、カトリック学校の教育を振り返る視点についてまとめています。)

今年も国際バカロレアの教育について、ご紹介していきます。先生方のご実践を振り返るための、一つの視点となれば幸いです。

今回は、国際バカロレアの教育に取り組む先生方が、学校全体で意識することがすすめられている「指導のアプローチ」をご紹介します。
国際バカロレアの教育では、現代の教育研究に基づいた、次の6つの「指導のアプローチ」を示しています。
(児童・生徒が意識する5つの「学習の方法(アプローチ)」については、「国際バカロレアの教育から学ぶ7」にまとめました。)

指導のアプローチ
・探究を基盤とした指導:児童生徒がそれぞれ独自に情報を入手し、独自の理解を構築することが重視されています。
• 概念理解に重点を置いた指導:各教科における理解を深め、児童生徒がつながりを見出し新しい文脈へと学びを転移させることを助けるために、概念の探究が行われます。
• 地域的な文脈とグローバルな文脈において展開される指導:指導には実際の文脈と例を用い、児童生徒は自分の経験や自分の周りの世界と関連づけて新しい情報を処理することが奨励されています。
• 効果的なチームワークと協働(コラボレーション)を重視する指導:児童生徒間でのチームワークと協働を促すだけでなく、教師と生徒間の協働関係もこれに含みます。
• 学習への障壁を取り除くデザイン:指導は包括的で、多様性に価値を置きます。児童生徒のアイデンティティーを肯定し、すべての児童生徒が自身の適切な個人目標を設定し、それを追求するため、学習機会を創出することを目指します。
• 評価を取り入れた指導:評価は学習成果の測定だけでなく、学習の支援においても重要な役割を果たします。効果的なフィードバックを児童生徒に提供するということも、重要な指導方法のひとつとして認識されています。

国際バカロレア機構(2017)『国際バカロレア(IB)の教育とは?』国際バカロレア機構, p. 8.

「文脈」を用いた探究的な学習については、「国際バカロレアの教育から学ぶ」8~12でまとめています。

「探究」や「協働」といった言葉は、これまでにSaltに投稿してくださった先生方のご実践にも共通していますね!
国際バカロレアの教育では、児童・生徒と教師の関係を大切にしようとしています。

先生方の学校では、学校全体でどのようなことを意識して、単元や授業の計画・実践をされていますか?
カトリック学校として意識していらっしゃることを、よろしければ、Saltでご共有ください。

次回は、「指導のアプローチ」の一つである「概念理解に重点を置いた指導」についてご紹介します。

〇参考文献
国際バカロレア機構(2017)『国際バカロレア(IB)の教育とは?』国際バカロレア機構.

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