見出し画像

感情を否定したら、自分が分からなくなった。

暑い日、暑いことを認めなかった。暑いと思ったら暑くなるから。

友達と遊ぶことは楽しくなかったが、それを認めなかった。世の中、そういうイベントは楽しむものだから。

外出や旅行は楽しくなかったが、それを認めなかった。一般的に楽しむものらしいし、わたしがおかしいから。

母親にいらついたが、それを認めなかった。育ててもらった親にそんな感情を抱いてはいけない。

いわゆるヲタク趣味が好きだったが、それを認めなかった。大人がするものではない。

天然石や鉱物が好きだったが、それを認めなかった。大人の女性は、洗練されたジュエリーを好むだろう。

からだを起こせず働きたくなかったが、それを認めなかった。やるべき仕事がある。

体調が悪いが、それを認めなかった。メンタル不調なんて格好が悪いし市民権はない。

*

結果、わたしはなにが楽しいのか、さっぱり分からなくなった。

からだはわたしの意志で動かなくなり、心療内科送りとなった。

「大人になったらこうあるべき」を自分に押し付け、わたしはわたしが分からなくなったのだ。


これは、去年までのわたしのおはなし。

五感の快不快からリハビリし、今は、自分を探し出した。

感情とは、感じるために存在する。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集