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文フリ、無料やめるってよ 文学フリマ東京の入場有料化宣言に愕然(眠りながら考えた(12))

(2023.11.12 改稿)

文学フリマ東京37では、ご来店ありがとうございました。
予想以上に多くの方にお買い上げいただいて驚きました。
心から御礼申し上げます。

開催直前になって、ニュースレターが飛び込んできた。
来年から、文フリ東京は入場を有料化するそうだ。
2024年5月19日(日)の文フリ東京38が、1,000円。会場はいままでと同じ東京流通センター。
そして12月1日(日)の文フリ東京39が、金額は未定だがやはり有料で、
会場が東京ビッグサイトになるそうだ。

「さらなる文学の輪の拡大を目指して」
「ここまで文学フリマに参加してくださった皆さまへ〈感謝〉の気持ちをこめて」
「2024年冬、東京ビッグサイトでお待ちしております」

えー。。。。。。。。。。。

「感謝の気持ちをこめて、出血大サービス!」というのはよく聞くが、
「感謝の気持ちをこめて、今後は千円いただきます」というのは初耳だ。

もしかして、この〈感謝〉というカッコに、
何か違う意味がこめられているんだろうか。

うーん。どうしよう。
もう、文フリ東京には出られない。
(東京以外の文フリは、まだ有料化の話は出ていないようだけど。)

流通センターで千円なら、ビッグサイトは二千円か三千円になってしまうのだろう。
いや、何円だろうと、入場無料でなくなった時点で、
私のような無名の作家は、もう、人に声をかけられない。

出店料を上げてくれた方が、まだましだ。
(いまだって1ブース6,500円、椅子1つ追加で7,300円、かける2ブースとか払っているのに。)

私がお誘いのDMを出す人々は、皆さん年齢層が高めだ。
もしかして
「コミケが有料だから文フリも有料でどこが悪い」
という話なら、うちのお客様方はそんなことご存知ない。
(というか、そもそも私自身がご存知ない。)

皆さん、うちのお店を見るために、
正直、ほぼそれだけのために、
電車を乗り継いで、人混みをかきわけて、汗だくになって到着してくださる。
いままでの段階ですでに、申し訳ないと思っていた。

そんな皆さまに、
フリマ=フリーマーケットに入場するだけで千円などとは
(ましてそれ以上とは)
口が裂けても言えない。

ビッグサイトに行ける!って大喜びの人も多いのかもしれないけれど、
(というか、来場1万人からひとり千円取れたら単純計算で一千万円だから、事務局さんは嬉しいかもしれないけれど、)
正直、小さな出店者としては、スン という感じだ。
会場が混んで、行き帰りの電車が混んで、
うちのブースを素通りされる確率が高くなるだけだよね。

「文学の輪の拡大」と言うけど、それはイコール
「巨大な会場で開催すること」
なのだろうか。
どんどん規模を大きくする。○○会場の次は◎◎会場!
この「すごろく」感覚、バブルのときを思い出させられて、私などはぞっとしてしまう。
(かつての小劇場がこのとおりのメンタルだった。)


文学フリマには本当に感謝しているので、
将来、拡大路線に飽きたらまた、1日で回るのにちょうどいいくらいの規模に戻ってくれないかな、とひそかに願います。
だって「百都市構想」なんでしょう?

「文フリ東京」一極集中でどんどんどんどん拡大する代わりに、
分割したらどうでしょうか。
文フリ新宿」とか、「文フリ池袋」とか。
文フリ小平」とか、「文フリ目黒不動前」とか、いや知らんけど。笑
月1とか隔月とか。とにかくちっちゃくして、かわりに回数を増やす。
そうしたら、無料のままでいけて、みんな1日で回れるし、
その日都合が悪くても、またチャンスがある。

「一箱古本市」なんて、まさにそんな感じで全国に広がっているでしょ。
そういうほうが、本当の意味で「輪を広げる」ことになりはしないのかな……。

私自身は、どうにもこうにも体調がヘタレなので、
いまはまだ、ただの妄想だけど、
例えば翻訳家の友達たちと、翻訳物に特化したミニ文フリなんかはできないかな……
なんて、夢見だしたところです。


追記:
この文章を書いた後に調べたら、「文フリ百都市構想」の規定では、
・既存開催地では、新規の開催は不可
・作品のカテゴリを限定した開催は不可

であることが判明。
このFAQに書いてあった。

Q. 既存開催地において、さらに追加で開催を実施したいのですが可能ですか?
Q. 作品のカテゴリを限定した文学フリマを開催したいのですが、可能でしょうか?

というわけで、私の「プチ文フリ東京・翻訳篇」の夢はあっけなく瓦解。
残念。

どうしてそんなに、巨大化したいのかなあ。
昨日の帰りのモノレールなんて地獄の沙汰だったんだけど?
死にたくなったのは私だけ?


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実村 文 (theatre unit sala)
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