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【エッセイ】憧れの朝活さん


ふぁぁ。ぐっすり寝たぁ‥。
満ち足りた気持ちで目を覚まし、手探りで枕元のスマホに手を伸ばす。

え!?まだ0時過ぎ??


一瞬の驚きと同時にやってきたのは
今日何曜日だっけ??
時間にすれば数秒の軽い記憶喪失。笑


昨晩は睡魔君のあまりの強引さに勝てず
22時前には、お布団にこっぽり入り
おやすみなさい‥。ムニャムニャムニャ‥だったのだが
きっと短い間に深く深く眠れたのでしょう。


時間を確認するその瞬間まで、朝の五時くらいかなぁ‥なんて思っていたのですから。
熟熟睡(じゅくじゅくすい)だったのでしょう。
↑こんな言葉は多分ありません。笑

遡ること数時間前‥。
やりたいこと。調べたいこと‥など
日々蓄積していく山積みの
『やらなきゃいけないこと』を前に
睡魔君と戦いながら格闘していたのです。



ところでこの睡魔君。
やって来てほしい時には来てくれなくて
来てほしくないな。集中したいな‥。
そんな時には、ここぞとばかりに張り切って
やって来るから困っちゃう。
でも時折、そのタイミングがピタッと合う時も
あったりしもして‥。憎めない。笑


そんな睡魔君に
今夜は私の負けです。完敗です‥と
潔く諦めそして眠りにつく前、思ったのです。
『朝活しよう!5時半に起きよう!』
目覚ましを5時半‥。
予備のために5時45分、6時‥。
そしていつも目覚める6時50分にセットし
安心して眠りに入ったのです。

そう。確かに私は早起きをしたかった。
でもね、0時じゃないの‥。睡魔君‥。
変な時間に目が覚めてしまうと、もうそこからなかなか二回目の睡眠に入れない私。
それを知ってか知らずか、睡魔君はぷいっと背を向けどこかに行ってしまったようだ。


結局‥何度かの寝返りの後、開き直り
寝室を出てリビングの椅子に座り
こうして文字を打つ今に至る。



睡眠についてよく考えることがある。
決して、質のよい睡眠を取れています!とは
言えないから尚更だろう。



睡眠のリズムを作る睡眠欲求と覚醒力、そのバランスが感情の起伏により乱れやすい事は
自覚している。よりよい睡眠は寝ている長短ではなくその深さにあり、身体を休めるレム睡眠と脳を休めるノンレム睡眠。
2つの睡眠を90~120分周期で交互に繰り返しバランスよく取ることで良質な睡眠につながるのは言うまでもないだろう。

より良い体内リズムを‥。
これは私の永遠のテーマかもしれない。



と、ここまで書いて少し眠くなる。

時計の針はもうすぐ2時半を回ろうとしていた。丑三つ時だ。
朝活したくて眠った夜。
朝活が遠退く二度寝の丑三つ。

『憧れの朝活さん』には、なかなか手が届かない。早起きならできる。
でも、私が憧れているのは、たまの早起きではなく継続の早起きだ。
毎日のルーティンに朝活を取り入れたいのだ。



優雅な朝。軽やかに家事を済ませ、朝陽を浴び歩くのもいいだろう。YouTubeを見ながらヨガで心を鎮め身体を伸ばし、そして新聞を隅から隅まで読み情報を収集する。


写真についても、季節についても
日本語についても‥美しい季語のことも‥
まだまだ学びたいことがたくさんある。
カメラの知識だって覚束ないのだ。
朝のこの時間ならスッキリ頭が冴え渡り
有効に使えるのではないか‥。
そしてスムージーを飲み干し、彩り豊かな和食を並べ、元気で一日過ごせるよう準備しよう‥。


すぐに出来そうで、できないその生活。
手が届きそうで届かないのは、本気で朝活を求めていないからなのかもしれない。
そして早起きしても、しばらくボーッと思考は停止し、頭が動き出すまでに‥
うーん。どのくらいかかるのだろう。
私には夢のような朝活さん。



そして中途半端に目覚めるこんな夜を
なんだかんだと言いながら楽しんでいる自分がいるのも確かで。
きっと朝の時間より、どんな時間より集中しているのだ。現にこうして一本エッセイが書けたりするのだから。
ふと思い返せば最近書いたエッセイは
こんな丑三つ時に書いたものばかりだ。

文字を打つ指が止まる。
どうやら睡魔君が戻ってきたらしい。
タイミングがピタッと合う。
このままやわらかいお布団に身体を沈め
眠りに落ちよう。


そして目覚めてすぐに思い出せるよう呟く。
今日は火曜日だ。


ほんの少しの微睡みが、ゆるく結んだ夢の先で
朧気にこの目に映った後ろ姿は‥
朝活さんだったのか睡魔君だったのか‥。
今となってはもう分からないけれど。





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