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運命を開き、天命を叶えるガイドブック

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#リーディング

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十九話 「ここより、どこか」は、自分で決める

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十九話 「ここより、どこか」は、自分で決める

ねぇ、あなた。今、あなたが今いる世は、わたし達が生きていた世よりかなり自由だろう。
結婚もすきな男とできるだろうし、恋愛も楽しめるだろう。
仕事をして、自分でお金を自由に動かすこともできるだろう。
結婚してもいいし、ずっと一人で生きていくことも選べるだろう。
私のように、結婚しても子を持つことなく生きる女もいるだろう。
一方、子が欲しくてたまらない女もいるだろう。

思うように生きられない女もいる

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十八話 願いは叶う、叶えるもの。

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十八話 願いは叶う、叶えるもの。

勝の大きな手が、彼の肩にもたせかけた私の頭を優しく撫でる。幼い頃、父上に頭を撫でてもらったことを思い出す。それ以来からしれない。酔った客の一人が「いい塩梅じゃねえか」と軽口を叩き、ひゅう、と口笛を鳴らす。この男に私の本当の正体をばらしたら、腰を抜かすかもしれない、と思うとおかしくなり、くすっ、と笑う
「あなたはもう、十分頑張った。これ以上、頑張らなくてもいいですよ」
私の考えがわかったのか、勝は私

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十七話 そして思い出した。私がまだ女だったことを

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十七話 そして思い出した。私がまだ女だったことを

そして思い出した。私がまだ女だったことを・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」㉗

薄桃色の桜吹雪に見送られ江戸城を出た私は、三十二歳だった。二十歳で大奥に入り、女が最も美しく輝いた十二年間を大奥で費やした。けれど後悔などない。そう思い大奥のあった江戸城本丸を一歩出た時だった。誰かに襟を引っ張られた気がして、足が止まった。胸から上半身を後ろにひねる。真後ろで家定様が笑っていた。嘘ではない。袴に包

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十六話 この国の女たちがもっと自由に羽ばたき、愛するために開く

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十六話 この国の女たちがもっと自由に羽ばたき、愛するために開く

江戸城を開け渡す四日前、ようやく新しい家が決まった。大奥で働いていたたくさんの女達は、実家に戻るか、新しい居場所を見つけ出て行った。滝川を始め、ほんの数名だけが最後まで私と共に大奥に残った。静寛院宮様とは別々の屋敷で暮らすことが決まり、大奥の終焉はすぐそこまで近づいていた。
静寛院宮様は江戸城明け渡しの前に引っ越すことになった。
荷造りが終わり、お迎えを待つばかりの静寛院宮様を部屋に招いた。これま

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十五話 子を持つことだけが女でなく、新しく何かを育てられるのが女

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十五話 子を持つことだけが女でなく、新しく何かを育てられるのが女

子を持つことだけが女でなく、新しく何かを育てられるのが女

私は慶喜から全権を任された勝を呼んだ。
勝は以前のように、頭を畳にこすりつけていない。そのような場合ではなかったのだ。私は手を伸ばせば届く距離に膝を近づいた。勝の顔が白いのは、強く唇を噛んでいることに初めて気づいた。慶喜への怒りで、肩と拳が小刻みに震えているのもわかった。私も慶喜をいくら罵倒しても、し足りない。だが今はそんな時間も惜しい。

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十四話 自分から開くことで、人を開いていける

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十四話 自分から開くことで、人を開いていける

自分から開くことで、人を開いていける

 慶喜の逆襲を怖れていた西郷の前に現れたのは、勝海舟だった。勝は江戸城で大阪から逃げ帰った慶喜に呼ばれた。当初勝は、皆を置き去りにし自分だけ戦場から逃げ帰った慶喜に激怒していた。慶喜は勝に、お前しか頼れるものがいない、と頭を下げ、彼の怒りを治めた。その結果、二月に慶喜は勝にこの状況の取りまとめを頼み、自分は上野の寛永寺大慈院に引きこもり、謹慎して朝廷に従う意

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十三話 信じることは、愛につながる

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十三話 信じることは、愛につながる

信じることは、愛につながる

 大阪城の慶喜は、どうにか自分が新政府の中に入り込めるよう根回しをしていた。その頃、江戸にいた西郷は、浪士達を集め江戸でテロを起こした。罪のない人達を巻き込み、強盗や殺人、暴行などの無差別テロは江戸中を震撼させた。勢いに乗った彼らは、私のいる江戸城二の丸を含め、江戸城にも火をつけた。江戸の人々は震えあがり、いつ自分のところに災難が降り注ぐかわからない恐怖に襲われた。

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十一話 大きく変わる未来のために

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十一話 大きく変わる未来のために

大きく変わる未来のために

家茂様はご自分の死期が近いことを悟り、次期将軍として田安亀之助を名指した。
それが家茂様からの遺言だった。
私達大奥の人間も、家定様の従弟である彼を後継者にすることを強く望んだ。しかし、それは実現することはなかった。
彼があまりにも幼く、わずか四歳だったからだ。

もし、彼がもっと年を重ねていたら もし、家茂様が長く生きていたら
もし、家茂様と和宮様にお子が生まれていた

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十話 愛されていることに、自信がありますか?

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第二十話 愛されていることに、自信がありますか?

愛されていることに、自信がありますか?

家茂様は二十一歳だった。
和宮様も同じ年で、そして愛する人を失った。
私が家定様を失った年に近い。
愛する人を失った和宮様の気持ちが、心に染みわたるほどよくわかる。
そんな時、心にぽっかりとブラックホールが生まれるのだ。
ブラックホールは、どこまでも深くて暗い。
愛する人を失った悲しみと辛さを吸い取り、ブラックホールはどんどん肥大する。
和宮様は生きる気力

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第十八話 私がここにいる意味は、きっときっとある

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第十八話 私がここにいる意味は、きっときっとある

私がここにいる意味は、きっときっとある

和宮様の兄上に当たる孝明天皇は、攘夷派で外国からの進出を阻止しこの国を守る意思がお強い方だった。
その思いから、ご自身がお決めになった妹の和宮様の婚約を破棄してまで、家茂様に嫁がせたのは、徳川幕府を倒すためではなく幕府と力を合わせ、外国から日本を守るためだった。

「兄上はご自分の意見をしっかり持った方ですが、とても穏やかでやさしい方です」

和宮様は、私

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第十七話 小我を手放した時、大我はその姿を現す

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第十七話 小我を手放した時、大我はその姿を現す

小我を手放した時、大我はその姿を現す

和宮様は、御所風のやり方を大奥で通せるように私をコントロールしようとし、私はこれまでの大奥でのしきたりややり方を通せるよう和宮をコントロールしたかった。私達はお互いをコントロールしようとしていた。
何年も後に
「あの時は私達、火花バチバチですごかったわよね~!」
と笑い合っていたけど、当時はそんな余裕なんてなかった。

どちらも自分がマウントを取りたかった。

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第十六話 嫁と姑のひそやかな戦い

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第十六話 嫁と姑のひそやかな戦い

嫁と姑のひそやかな戦い

初めて嫁となる和宮様を見た私の印象は・・・
「お雛様か!!」だ。
和宮様は、まるでお雛様のように絵巻物から現れたお姫様だった。
雅なお顔立ちに、小さなお身体。
精巧に作られた手の込んだアンティークドールのようだった。
私達武家の女とは、まったくちがうイキモノ。
瞬きもせず、無表情だった。
家茂様も初めて顔を合わせた時、一瞬驚いていた。
が、家茂様はやさしく彼女に微笑んだ。

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第十五話 生まれ育った環境が創るもの

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第十五話 生まれ育った環境が創るもの

生まれ育った環境が創るもの

やがて江戸城に慶福様が入ってこられた。
私と家定様の養子、という形で、名前も徳川家茂に改められた。
「お義母上様、家茂でございます」
そう言いながら、彼は頭を下げた。
息子、というけれど彼は十三歳で、私は二十二歳。
息子、よりも弟、という感じだった。聡明で年齢よりも落ち着いて見えた。今後私は彼を支え徳川家を守っていくのだ、と背筋を伸ばした。

家定様亡き後、私は落飾し

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「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第十四話 あなたは本物のソウルメイトです

「ソウルメイト・ドラゴン~篤あっつつ~」第十四話 あなたは本物のソウルメイトです

あなたは本物のソウルメイトです

私と家定様が一緒に過ごした時間は、両手からサラサラと流れていく砂のように儚い夢のような時間だった。
わずか二年足らずの結婚生活。
けれどこの二年間が私を強くし、私を変えた。

「もし私がこの世を去り、今度菓子職人として生まれ変わっても、私の妻でいることを。
私の作った菓子を食べ、笑っていることを。いつまでもずっと私のそばにいることを」

そう家定様と私は約束をした

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