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誰がジョーカーの魅力を剥いだのか 『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』
酷評されている『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(原題『Joker: Folie à Deux』)を鑑賞しました。
(以下「フォリアドゥ」)
鑑賞後酷評する人たちの気持ちがわかりました。
前作と比較する形で今作の酷評ポイント(みんなが反感を抱いた点)をまとめたいと思います。
以下「フォリアドゥ」と『ジョーカー』(原題『Joker』)のネタバレを含みます。
キーワードは「誰がジョーカー
『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』と『Cloud』の同時代性について
先ごろ公開された映画『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(阪元裕吾監督)と『Cloud』(黒沢清監督)を鑑賞しました。
Netflixでも配信が開始された『ミッシング』(吉田恵輔監督)を加えると、ある共通点が浮かび上がってきます。
それは「ネットが引き起こす不幸」です。
本稿は軽いネタバレを含みます。
上記3作品について一切情報を入れたくないという方はご注意ください。
◼️ネットが人を
映画が好き おもしろいつまらない基準にしない理由
僕は映画を観たりマンガを読むのが好きなんですけど、漠然と「なんでだろうなー」と思ってました。
映画ファンの中には「邦画嫌い」とか言う人がいたり、マンガファンの中にも「ジャンプ系しか読まない」という人もいそうです。
僕の中では大前提として「面白いものが見たい!」という強い願望というか、渇望のようなものがあり、それが「ジャンル問わず映画が好き」「ジャンル問わずマンガが好き」につながっているんだろ
和歌山毒物カレー事件は冤罪か【映画】『Mommy』から学ぶ冤罪
◼️はじめに 和歌山毒物カレー事件を扱ったドキュメント映画『Mommy』(二村真弘監督)を観てきました。
鑑賞前の記事も載せておきます。
僕が林眞須美死刑囚の冤罪について考えたのは、『暴走する検察 歪んだ正義と日本の劣化~マル激トーク・オン・ディマンドvol.12』を読んだのがきっかけです。
僕も多くの方々と同じように、死刑判決になんの疑いも抱かず、保険金詐欺も起こしている毒を使う異常
映画『ありふれた教室』に描かれる、ありふれているが故に絶対に解決できない我々の問題
善き行いをし続ければ善き展開を歩めるか。
そんなことは絶対にありえない。
『ありふれた教室』の主人公はとても良い先生だ。
学校で盗難事件が起こる。
解決を願う彼女はパソコンのインカメラで録画をし、自身の財布からお金が盗まれたのを把握する。
だが実際に盗まれたのか。花柄のシャツの袖だけしか映っておらず顔も性別も映ってはいない。
そして、そもそも隠し撮りをしていたということが問題視されてしまう。
別れの映画『PERFECT DAYS』
『PERFECT DAYS』を再び鑑賞してきました。
何かを確認したいわけでもなく、ただもう一度映画館で観ておきたいと思ったのです。
パンフレットも購入しようと思いました。
(映画のパンフレットって電子書籍化できないのでしょうか。需要があると思います)
パンフレットを購入して良かったです。本作が心に残った方は必ずお気に召すかと思います。
平山(役所広司)のフルネームも載ってますし。
2回目の鑑賞
Love the world or hang on to society [film] 『PERFECT DAYS』
Some people are better at loving the world than others.
Hirayama (Koji Yakusho) works cleaning public toilets in Shibuya Ward. He lives in Sumida Ward, where the Sky Tree is nearby, and drives back an
【映画】『PERFECT DAYS』鑑賞後に頭の近くに漂ってる淡い感覚をまとめました
いまだに『PERFECT DAYS』に思考が引きずられている。
「引きずられる」だとネガティブな感じだから、言い換えると「側頭部の近くを漂っている」という感じが近い。
※前回記事 世界を愛するか、社会にすがるか【映画】『PERFECT DAYS』の世界観
鑑賞後いろんな人の感想を拝読し、新たに思いついたことを書いていきたい。
すでにご鑑賞いただいている方には「そうそう、そんなこともあった」と思
世界を愛するか、社会にすがるか【映画】『PERFECT DAYS』の世界観
世界を愛するのが上手い人と苦手な人がいる。
平山(役所広司)は渋谷区の公衆トイレを清掃する仕事をしている。スカイツリーが近くにある足立区で暮らしており(訂正:車のナンバーが足立区なだけで、墨田区に住んでるそうです)、毎日渋谷区と家を車で往復している。
休みの日は木漏れ日を撮影したカメラのフィルムを現像に出し前回の現像分を受け取ったり、古本屋で100円の小説を買ったり、行きつけの居酒屋でママ(石川さ
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』と現代批評
妖怪漫画の金字塔『ゲゲゲの鬼太郎』をなぞりつつ敗戦国日本のおぞましさを描いています。
もちろんいまだに続いている敗戦国としての現代日本をも標的にしていて、老人に食い物にされ続けている我々にとって、この作品が発するメッセージは身に染みて痛感することでしょう。
「M」と呼ばれる製剤(おそらくヒロポンのことか)で不眠不休で働き国力を上げようとする様は、エナジードリンク「M」をがぶ飲みして働き続ける現代
映画『正欲』は早押しクイズではなく巨大迷路である
映画『正欲』が今年一番だと感じるほど良かったのですが、低評価を付けてる人や偉そうに「多様性が。水フェチが。」みたいに言ってる人を見るとやるせない気持ちになる。
それより「わからない。難しい」と言ってる人の方が信頼できるし好きだ。
現代はSNSの発達が原因なのか「答えがわからなければならない」という焦りのようなものに支配されているのではないか。
そして「答えのように見えるもの」に誰よりも早くたどり