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映画『正欲』は早押しクイズではなく巨大迷路である

映画『正欲』が今年一番だと感じるほど良かったのですが、低評価を付けてる人や偉そうに「多様性が。水フェチが。」みたいに言ってる人を見るとやるせない気持ちになる。
それより「わからない。難しい」と言ってる人の方が信頼できるし好きだ。

現代はSNSの発達が原因なのか「答えがわからなければならない」という焦りのようなものに支配されているのではないか。
そして「答えのように見えるもの」に誰よりも早くたどり着き、大声で意見を披露する。

おしゃれで人を食ったような「面白くて目立つ発言」は即座にいいねが付き拡散され、「これを拡散する自分って賞賛に値するでしょ」という顔をした人たちのおもちゃにされる。

おぞましくもむなしいこの連動はなんなんだ。

物事は早押しクイズじゃない。
常に増築されていく巨大迷路のようなものだ。
所々にチェックポイントはあれど、いくら進んでもゴールにはたどり着けないし、いろんな道を行ったり来たりする。その間いろんな人とすれ違ったり共に歩いたりする。もはやゴールを目指してるのか誰かと出会うのを楽しみにしてるのかわからなくなる。
物事ってそんな感じだと思う。
少なくとも自己アピールのための道具じゃないはずだ。

映画『正欲』を見て早押しクイズと自己アピールに時間と労力を使うような人とは話が合わない。
まぁ向こうも僕のことを「めんどくせー奴」と思ってるんだろうけれど。

そんな僕の『正欲』感想です。
お読みいただけると嬉しいです。

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