ギックリ腰の対処法と予防法
”魔女の一撃”が増える季節が今年もきてしまった。2〜3月は体に冷えが溜まってくる時期だから特に多いね。この1週間だけで7〜8名の患者さんがギックリ腰で来院された。
早速、一時的な対処法についてだけど、
①腹式呼吸で息を吸う。(吸った時にお腹を膨らませる)
②膨らましたお腹を左右から両手でグッと押さえ込む。(お腹と両手が反発し合うような感じ)
③息を吐く瞬間にパッと力を抜く。
一時的に腰周辺の筋肉を緩める効果があって、これで楽になる人もいるから試してみて。あくまで対処法だけど、少しは動きやすくなるし、動けないと仕事にも整体院にも行けないしね。
解剖学的には、腸腰筋、多裂筋、脊柱起立筋、大臀筋などが硬直して痛みを強くさせていたりするから、これらを緩めるような方法でも良いと思う。
ギックリ腰のメカニズムを簡単に言うと、
①体が冷えると、血流は悪くなる。
↓
②血流が悪くなると、関節は緩む。
↓
③骨盤の関節が緩めばギックリ腰を起こす。
と言う流れ。
冷えると関節が緩むと言うのは、知らない人の方が多いかも。
腰痛であっても、五十肩であっても、最初に関節が緩む事から始まる。
原因は、老廃物が関節組織に沈着する事や、血液の質が悪くてドロドロになり関節周辺に炎症が起こる事などで、関節は正常な支持機能を保てなくなり緩んでくる。そしたら関節の支持機能を保つために周りの筋肉などが固くなってくるから腕が上がらなくなったり、腰が曲がらなくなったりする。
だから固くなるのが悪いと思っている人が多いけど、それは間違いで、結果的に固くなっているだけ。
固くなっている筋肉を緩めようとするのは一時的な対症療法であって、プロのやり方ではないから気をつけて欲しい。プロなら、まず「関節がなぜ緩んだのか?」を検査や問診で調べることをする。
なぜ最初に関節が緩むのか?のエビデンスはまだないと思うけど、触診したら完全に緩んでいるのだから疑いようがない。
固いのは表面の筋肉だけで、その奥にある関節の膜、靭帯は確実に緩んでいる。
やるべき事は、関節の膜や靭帯に血流をたくさん持っていき、回復するように促す事。そうすれば筋肉が固くなる必要はなくなり自然と筋肉は緩んでくる、炎症も治まってくるためギックリ腰の回復は早くなる。
一時的に筋肉をグシグシ押して緩めようとすると、そのときは筋肉が緩んで楽になった気がするけど、また必ず再発するから気を付けて欲しい。
軽度の人ならそれでも良かったりするけど、重症な人や何度もギックリ腰をしているような人なら筋肉を緩める指圧やマッサージなどはオススメしない。必ず再発するからね。
ギックリ腰にならないための予防法は、
①深呼吸を普段からよくすること
呼吸が浅いと酸素不足になり酸素が体中に行き渡らなくなる。酸素が足りないと、細胞は正常に新陳代謝できなくなるから、老廃物が溜まりやすくなり靭帯なども緩みやすくなる。
②ラジオ体操や全身のストレッチなどをして体の血流を良くしておく事。
血流が悪いと体は冷えやすくなる。血管は一筆書きのように全て繋がっているから、下半身だけ運動しても意味がない。全身の血流を良くし、出来ればふくらはぎの筋肉は鍛えておいた方が良い。ヨガなども良い。
③腹筋・背筋などインナーマッスルを鍛えておく事。
骨盤などを支える筋肉が弱いと、靭帯に負担がかかって疲労が溜まりやすくなる。そうなると靭帯は伸びて関節は緩みやすい。スタビライゼーションと言われる、ジッとして動かない筋トレ法が良い。ピラティスも良い。
④お菓子や加工食品など炭水化物系は食べ過ぎない事。
糖分などは赤血球をくっつけて血液をドロドロにするため、血流が悪くなり、老廃物が溜まりやすくなる。定期的に岩盤浴などで毒出しができると良い。
⑤水分をこまめに摂取をする事
水分が足りないと血液はドロドロになる。1日1〜1.5リットルを目安に。
出来れば一気に飲むのではなく、少量をチョコチョコ飲む方が吸収率は良い。
⑥ストレスを溜めない事
ストレスは交感神経を優位にし、血管を収縮させるため血流は悪くなる。ストレスは無くならないけど、溜め込まないように自分なりの発散方法を見つけておく事。(好きな香りを嗅ぐ、好きな場所に行く、好きな人に会うなど)
どんな症状も、日常生活に問題や原因があって起こる。
だから体に出る症状を知れば、「その人が日常生活をどのように過ごしてきたか」がよく分かる。
顔や表情を見たら、その人がどんな人生を歩んできたのかが分かるのと同じで、症状は「その人の今の精神状態」をよく表している。
東洋医学では、心と体の相関関係はよく言われる事。
分かりやすいところで言うと、肩こりの場合、
パソコン仕事やスマホの見過ぎ、重い物を持つこと多いなど以外にも、
緊張する事が多い、何かを背負ってストレスを抱えているなど、体も心も酷使している人だと言うのが分かる。
腰痛の場合は必ず骨盤はズレている。
骨盤は骨格の土台だから、重いものを持つ、姿勢が悪いなど以外にも、生き方の土台が不安定、不安を抱えている、迷いがある、決断できない事がある、安定した仕事に就いていないなど考えられる事はたくさんある。
ギックリ腰の場合も、骨盤や腰の靭帯が緩んでいる、筋力不足、体の使い方に問題があるなどで起こる場合もあるけど、その奥にはその人が抱えている精神的なトラブルが潜んでいる場合は多い。
骨盤や身体の調整を定期的にしていれば、ギックリ腰は起こりくくはなる。
しかし、本来は自分自身で自己管理する事が自立した大人になる第一歩ではないかと思う。
それでも解決できないときは、整体師や治療家に頼むのもありだとは思うけど、できれば自分で治せる方が良い。
ギックリ腰を治すテクニックに正解はないと考えている。人それぞれ原因は違うからね。
大事なことは日常生活を見つめ直し、「なぜギックリ腰が起こったのか?」を振り返ること。
そして原因として気付いたこと、考えられることを自ら変えてみる。
そうすれば、ギックリ腰が起こる事も無くなってくるんじゃないかな。
「〇〇を自分で治す方法はありますか?」
「〇〇のような症状の場合はどんな治療法が良いですか?」
「〇〇のような病気はどのようにすれば良くなりますか?」
などを知りたい方は、コメントに書いて頂くか、プロフィールに貼ってあるホームページから、メッセージを送って頂けたら、それに関する記事を書きますので教えて下さい。
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