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【認知行動療法】3.依存症(3)心理療法

第3-4回目の心理療法理論のゼミのテーマは「依存症」。
この回では依存症治療の動機付け面接後に行われる心理療法を紹介する。
動機付け面接についてはこちらの記事参照
依存症についてはこちらの記事参照
そもそもドイツで心理療法士の職業訓練とは?についてはこちらの記事参照

1. 心理教育

入院施設での例:
依存症に関するテーマと文献が提示され、患者がグループワークを通してテーマの理解を深める。週に3回60分。
推薦される文献例 "Lieber schlau als blau" (better smart than blue)

2. 行動分析

マクロ行動分析
- 現状把握:健康状態、神経学的状態、精神状態、依存状態、服用中の薬等 
- 病症歴:家族・仕事・病気・社会などに関する人生遍歴の情報収集

ミクロ行動分析
- 刺激条件の分析(場所・時間・タイミング・人・環境など)
- 依存状態が短期的・長期的にもたらす結果
- SORCモデル分析
- 各刺激条件への対策
- 断物質トライアル

3. 再発予防

- 再発は失敗ではなく、依存症という障害の一部に含まれるという認識
- 再発はこれまでの治療戦略を練り直す機会

再発予防モデル (Marlatt & Gordon, 1985)
ハイリスクな状況:争い、感情、環境など -> 物質消費体験
① -> 適切な対処:気をそらす、社会的サポート、肯定的思考
 -> 断物質の継続
OR
② -> 失敗体験:罪悪感、投げやりな気持ち、自己否定
 -> 再発

・再度の物質消費を誘発するハイリスクな状況や要因を詳細に分析
・ハイリスクな状況を回避する戦略を立てる
・ハイリスクな状況下に陥った時の思考法・行動を事前に計画する

4. その他

- 認知変容
- 曝露療法
- 依存症患者の家族のためのプログラム:CRA、CRAFT
- 仕事/社会復帰の援助
- 退院後の治療準備:外来でのリハビリ治療、自助グループ等
- アフターケア

以上、今回は動機付け面接後に行われる基本的な心理療法を紹介した。

動機付け面接についてはこちらの記事
依存症についてはこちらの記事
そもそもドイツで心理療法士の職業訓練とは?についてはこちらの記事
でそれぞれ詳しく扱っています。
どうぞご一読ください。

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