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#BL

【ENNEAD(エネアド)感想】 S2第47話まで。「この国の悪神」←こういう現状からズレた認識を大真面目に言うところが、セトの魅力だ。

【ENNEAD(エネアド)感想】 S2第47話まで。「この国の悪神」←こういう現状からズレた認識を大真面目に言うところが、セトの魅力だ。

*ネタバレ注意。

◆第46話と47話を読むと、セトがなぜこれほどモテるのかよくわかる。

 前にも書いたが、セトがモテるのは「自分の見ている世界を事実だと信じる頑なさ」のためだと思う。
 46話47話の髭との絡みは、セトの魅力の真骨頂だ。
 あの状況にあっても「俺はこの国の悪神だぞ」という自己像が揺らがない。
 百歩譲ってセトの中で揺らがないのはいいが、「他人にその自己像を主張しても通じないかも

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【エネアド(ENNEAD)感想】S2第31話まで。「ホルス、お前のそういうところが見たかったんだよ」

【エネアド(ENNEAD)感想】S2第31話まで。「ホルス、お前のそういうところが見たかったんだよ」

*ネタバレあり。注意

シーズン1の時点では、「母親思い、叔父様大好きな寡黙で真面目な性格」という印象だったホルスだが、どんどん「親父並みにヤバい奴」という本性が出てきた。
お前のそういうところが見たかったんだよ、ホルス。

髭との戦いが無茶苦茶恰好良かった。
セトとの三本勝負の時は、相手がセトだから「殺すモード」にならなかっただけで、殺る時は殺る男だった。

セトがいなくなった途端これだ。オンオ

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「エネアド(ENNEAD)シーズン1」を考察した感想

「エネアド(ENNEAD)シーズン1」を考察した感想

「エネアド」のシーズン1を考察するために細かく読み返したので、上の記事に入りきらなかった感想を書きたい。

◆訳の問題。

読んでいて「この部分は、原文だとニュアンスが違うのでは」と思う部分が目についた。
二つほど例を上げると、ひとつめは髭がイシスを「姉貴」と呼んでいる点。
韓国だと親しい目上の女性を呼ぶ一般的な呼び名なので、日本語でいう「姐さん」に近いものとして使っているのではと思ったがどうなん

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【「エネアド(ENNEAD)」考察】セトは、なぜモテるのか。

【「エネアド(ENNEAD)」考察】セトは、なぜモテるのか。

*本記事には「エネアド」のS2第23話までのネタバレが含まれています。未読のかたはご注意下さい。

S2第23話を読んで、セトの見事なまでの鈍感ヒロインぶりに萌えた。自分がホルセトにハマっていたら、神回だった。

セトは「自分の認識の世界観」を欠片も疑わず、その認識でのみ物事を解釈しようとする。
「ホルスが自分を好きだから助けてくれる」とはちらりとも思い至らず、「ホルスは自分の敵対者である。だから

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「2022年、頑張った点」を自分で褒めたい&2023年はジャンル「女攻め」を広めたい、「エネアド」はやっぱり凄いなど。

ブログのほうで反省はしたので、こちらでは自分を褒めたい&2023年の目標。

◆「女攻め」でお話を一本書いた。

★昼想夜夢~「野心家の女貴族×姫君のような夫」の夫婦愛の話~

https://ncode.syosetu.com/n4624hp/(なろう)

https://kakuyomu.jp/works/16816927861510938135(カクヨム)

女性のように美しいために、幼いこ

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【「エネアド(ENNEAD)」キャラ語り】「ドキ〇ガイ野郎」オシリスを狂わせたものとは何なのか。

【「エネアド(ENNEAD)」キャラ語り】「ドキ〇ガイ野郎」オシリスを狂わせたものとは何なのか。

前段。「エネアド」はこういう話ではないかと思っている。

オシリスというキャラで自分が一番興味を持っている点は、「自分が深い愛情と執着を持っている相手とまったくコミュニケーションが成り立たないところ」だ。自分はオシリスが余り好きではないが、この点については深く同情している。

オシリスはセトに愛情を抱いているが、セトは自分の認識の枠内のオシリスにしか興味がない。つまり本当の意味ではまったくオシリス

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エジプト神話BL「エネアド(ENNEAD)」について、本当に思ったことを書いておきたい。

エジプト神話BL「エネアド(ENNEAD)」について、本当に思ったことを書いておきたい。

今まで「ストレートに書くのはどうなのかな」と思いぼかして書いていた「エネアド」について本当に思ったことを書いておきたい。
*「そう読む人もいるのか」くらいのおおらかな気持ちで読める人だけお読みください。

◆「エネアド」の主人公は「男らしさ(男の社会規範)」

「エネアド」の主人公は自分が見るところ「男」だ。
ここで言う「男」は、生物学的な男ではない。「社会的な男」だ。
「男らしさ(男という性規範

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「大人しく優しい女性×強気な男の女攻めCP」「エネアド」のネフセトについて、妄想を八割交えて語りたい。

「大人しく優しい女性×強気な男の女攻めCP」「エネアド」のネフセトについて、妄想を八割交えて語りたい。

何で自分で思いつかなかったのか、と己の不明を恥じた。
ホルスを夜這いしにきたセトが余りに手馴れていたので、「なるほど。ネフティスに対してはこんな感じなのか」と特に疑問なく思ってしまった。よく考えたらそうとは限らない。
ネフティスとセトの直接の絡みが今のところほぼないのでわからないが、第一部最後の審判のシーンを見ると、ネフティスに対しては「ホルスを夜這いしに来た時の感じ」ではなさそうだ。

ただの推

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エジプト神話BL「エネアド(ENNEAD)」の設定や時系列をまとめ。

エジプト神話BL「エネアド(ENNEAD)」の設定や時系列をまとめ。

話の時間軸が過去と現在で錯綜している上に、超常的な設定が多い。
登場人物がみんな何かを隠しているうえに、抱えている思いも複雑なので設定や心情の変遷をそれぞれの登場人物ごとに追わないと理解するのがひと苦労だ。
なので自分の頭の整理がてらまとめてみた。

改めてじっくり読むと、最初の印象以上に無茶苦茶面白い。

◆エネアドとはラーの直系の九人の神のこと。

元々の「エジプト神話」も後で本を読むつもりだ

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「エネアド」第二部20話の感想。セトの内面に色々な要素が詰まっていて面白い。

「エネアド」第二部20話の感想。セトの内面に色々な要素が詰まっていて面白い。

今日発売された「エネアド」第二部20話の感想。
*若干ネタバレありなので注意。

セトの内面描写で話はほとんど進んでいないが、とても面白かった。
セクメトが指摘した通り、セトはネフティスの裏切りが許せず、しかし許せないということを認められずにいた。
認めると自分がオシリスに「男として負けた」という事実に直面する。その象徴であるアヌビスも憎まざるえない……というより、今までずっとアヌビスを憎んでいた

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エジプト神話BL「エネアド」を読んだら、異性愛CPマアト×トト(マアトト)にハマったのでその魅力を語りたい。

エジプト神話BL「エネアド」を読んだら、異性愛CPマアト×トト(マアトト)にハマったのでその魅力を語りたい。

エジプト神話BL漫画「エネアド」を読んで、何故か異性愛カプ(夫婦)である真理と正義の神マアト×知識と知恵の神トトにハマったので、その紹介&魅力について語りたい。
「エネアド」本編は、戦の神セトを巡るセトの兄オシリス、その妻イシス、二人の息子ホルスを巻き込んだ愛憎劇だ。
未読の人は読んで、そしてマアトトにハマってくれ。

◆クールで真面目な美女×なよなよした情けない男という組み合わせ

マアトトは女

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エジプト神話BL漫画「エネアド」を第二部19話まで読んだ感想。(R18描写への言及を含む版)

「エネアド」の第二部19話まで読んだ感想で、性描写や暴力描写への言及を含んだもの。

*かなり露骨な感想です。
*本編と同じで、「威圧的かつ暴力的な描写に対する言及はあくまで創作に対してに限ってのこと」です。
ご了承いただけるかたのみお読みください。

↓全年齢版の感想はこちら。

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エジプト神話BL漫画「エネアド」を第二部19話まで読んだ感想。(全年齢版)

※第二部21話まで読んだ後の最新の感想。

結局シーモアに登録して読んだので、第二部19話までの感想を書きたい。
十八禁要素に触れた感想は、たぶん後で書くので今回は全年齢版。
*ネタバレ注意。

◆ストーリーやキャラがしっかりしていて、サブキャラの葛藤や思惑も面白い。

「エネアド」はメインのストーリーがしっかりしているので、普通のストーリー漫画としても十分楽しめる。
特に46話「イシス怒り爆発回

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エジプト神話BL漫画「エネアド」を無料分30話まで読んだ。→これって「あれ」じゃないですか!

*若干ネタバレあり。注意。

「韓国では最新話が更新されるたびにサーバーがダウンする」と有名な、エジプト神話BL「エネアド」を無料分30話まで読んでみた。
「おいおい、そこで切るのかよ」というところで無料分が終わっているところが小憎らしい。

とりあえず30話までの感想だが「セトが好みすぎる」
これに尽きる。

*シーモアで読んだ。

読み始めたらセトは強気で傲慢、傍若無人な振る舞いで自分の子供か

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