エジプト神話BL「エネアド」を読んだら、異性愛CPマアト×トト(マアトト)にハマったのでその魅力を語りたい。
エジプト神話BL漫画「エネアド」を読んで、何故か異性愛カプ(夫婦)である真理と正義の神マアト×知識と知恵の神トトにハマったので、その紹介&魅力について語りたい。
「エネアド」本編は、戦の神セトを巡るセトの兄オシリス、その妻イシス、二人の息子ホルスを巻き込んだ愛憎劇だ。
未読の人は読んで、そしてマアトトにハマってくれ。
◆クールで真面目な美女×なよなよした情けない男という組み合わせ
マアトトは女性上位のCP、いわゆる「女攻め」のカップルだ。
マアトは真理の神であり、主人公セトの罪状を裁く、またセトとホルスの勝負の審判者の役割を負っている。
公平無私な性格で普段は冷静、真理や公平さを軽んじるような悪ふざけに対しては母親であるラーに対してでさえ意見する、生真面目な性格だ。
悪ふざけが大好きな母親の太陽神ラーからは、「我が娘ながら本当に堅苦しいんだから」と言われている。
夫のトトは、知恵と知識の神で予言が得意。普通にしていれば女性顔の美形だが、大抵ギャグキャラ扱いである。
妻のマアトがいないと生きていけないらしい。
マアトトのハイライトと言えば、64話だ。
メインのストーリーとしては、アヌビスがセトに呪いを受け渡そうとしたり、ホルスとセトの過去の因縁が判明したりと盛り上がっているところだが、マアトト信者としてはそこはとりあえず置いておいていい。(え?)
そんなことよりゲブに脅されたトトが、マアトに告白するためにヌトに相談していた、予行練習をしていたということを泣きながら白状したことに大興奮する。
ゲブに脅されて泣いちゃうトトに萌える。
◆外伝1は、マアトのお茶目さが爆発していて大変良い。
本編では真面目でクールなマアトだが、外伝ではかなりお茶目である。
趣味でセトに「小さくなる罰」を与える。
ちなみにトトは経験済みらしい。
そしてマアトトと言えばこれ。
何だよ、「とてもしつこくて可愛らしい罰」って。(見たい)
この後のイシスの「ああ、マジムカつく」というツッコミがいい。
◆日常からして女攻め。
マアトトの日常を見ると、常にマアトが主導権を握り、トトの世話をしている。
50話では、マアトが仕事中に寝ているトトを膝枕している。イシスと話をしながら、ずっとマアトがトトの頭を撫でているという状況が、ドストライクすぎる。
第二部9話のこの構図もいい。トトのほうが寄りかかって、マアトが「大丈夫だから、心配すんなよ」と言う。
この夫婦の関係性は、常にこれなのだ。
この絵を見ると、トトは黙っていると滅茶苦茶美形なんだなと思う。黙っていればな。
外見的な組み合わせとしても、マアトが暗色系で黒と茶色が主流の外見なので、並ぶとトトの淡色系の彩が映える。
外見も内面も全てがベストな組み合わせだ。
トトは女顔なので、百合でも良かったと思う。その場合は、トトは「ボクっ娘」がいい。
BLなのに仮想百合も楽しめるというのは懐が深い。
◆BL漫画の異性愛カプって、やっぱりマイナーカプなのか。
「私のジャンルに神がいます」で、マイナージャンルで自分の推しの検索を毎日してしまう麦さんの気持ちがよくわかる。
支部では一件も引っかからないので、思わずTwitterでも検索してしまった。呟いている人はいるものの作品を上げている人はいなかった。寂しい。
でも最推しという人を何人か発見した。嬉しい。
自分も何か思いついたら、書こうかなと思うが、まだちょっと材料が少ない。
トトの一人称が「ボク」(20話)と「私」(64話)、どちらがメインなのかだけでもはっきりして欲しい。どっちもイシスに詰められているという同じシチュなのに、一人称がバラけるのはモニョる。
翻訳ものという事情があるのかもしれないが、自分は人称フェチなので気になってしまう。
トトがヌトを相手にして、マアトへの告白の練習をする話とか、「とてもしつこくて可愛らしいお仕置き」をされる話とか外伝でやってくれないかなあ。(煩悩)
マアトトは「女攻め」の魅力を凝縮したようなカップルだ。
「エネアド」を読んでいる人もまだ読んでいない人も、「女性優位の女攻めカップル」が好きな人にぜひハマって欲しい。
◆余談:「エネアド」は女性キャラのほうが好きなキャラが多い。
BLにも関わらず、自分にとっては「エネアド」は圧倒的に女性キャラのほうが魅力的だ。
男キャラだとセトとトトは好きだが、それ以外は申し訳ないが余り興味が持てない。オシリスとホルス、アヌビスは、個人的にちょっと苦手なタイプ(穏当な表現)だ。(ファンの人、すまん)
ラーやセクメトのような、物事を好き勝手にかき回す天衣無縫なドSな女性キャラは大好きだし、ハトホルもビジュアルも性格も可愛くて好みだ。ああいうビジュアルだけで目を惹かれるキャラは、自分の中では珍しい。ずっと見ていたくなる。
あと何と言ってもイシスがいい。ドロドロしたものも持っているが、真っすぐだし気風もいい、陰湿なところもあるがそうはなりきれない、凄く面白いキャラだなと思う。
外見は化粧していないほうが好みだな。周りの全てを呪うシーンのイシスは、めちゃ綺麗だ。
第二部は女性キャラは余り出てこなさそうな流れだが、マアトトの出番が少しでも多いと嬉しい。