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〈短期集中連載〉「女性宮家」創設賛否両論の不明 第1回 歴史とどう向き合うのか──「女性宮家」のパイオニア所功教授の場合(月刊「正論」2012年12月号)
▽ はじめに
1000年を超える皇室の歴史と伝統にはない、いわゆる「女性宮家」の創設がいよいよ現実味を帯びてきました。
政府は10月5日、2月に始まり、計6回、12人の意見を聞いた「皇室制度に関する有識者ヒアリング」を踏まえた「論点整理」をとりまとめ、公表しました。
「象徴天皇制度の下で、皇族数の減少にも一定の歯止めをかけ、皇室の御活動の維持を確かなものとするためには、女性皇族が一般男性
国連・女子差別撤廃委員会に「皇室典範改正」を突如、要望した自由人権協会「皇位継承論」の限界──表面的知識で、国家の基本問題を論じ、結論することの浅薄さ(令和7年2月11日。建国記念の日に)
(画像は自由人権協会が女子差別撤廃委員会に提出した要望書)
前回(2月5日)、書いたように、国際歴史論戦研究所(山本優美子所長)のリポートによると、国連・女子差別撤廃委員会(CEDAW)が今回、日本に対して、男系主義を採る皇室典範の改正を勧告した過程で、自由人権協会(JCLU)が委員会に提出した「要望書」の役割は大きいという。それだけ罪が深いということだろう。
そこで今日は、自由人権協会の組織
「皇室典範改正」を勧告した国連・女子差別撤廃委員会の知られざる内幕──左右激突の戦場と化したジュネーブ。日本の「反天皇」市民団体の暗躍と保守系団体との攻防(2025年2月5日)
(画像はスピーチする葛城奈海会長。皇統を守る国民連合の会HPから)
◇1 生々しい雰囲気を伝える参加者からの報告
男系主義を採る皇位継承法の変革を勧告した国連女子差別撤廃委員会の騒動は、日本の外務省の対抗措置によって、国連人権高等弁務官事務所をも巻き込む大仰なものへと発展しつつあるが、そもそも今回の舞台となったジュネーブでは何が起きていたのだろうか?
メディアによる報道では、雰囲気を教えてく
「皇室典範改正」を勧告した国連の女子差別撤廃委員会に外務省が「拠出金停止」の対抗措置──皇室を国際政治の荒波に巻き込ませてはならない。むしろ天皇研究の深化を!!(令和7年2月2日)
(画像は1月31日、記者会見する岩屋毅外務大臣)
何やら大ごとになってきました。
国連の女子差別撤廃委員会が昨年10月、「男系男子継承」を定める皇室典範の改正を勧告したに対して、日本政府が昨年末、「削除」を要求する「日本の意見」を表明したことはすでに書いたところですが、今年1月27日に今度は外務省が強い対抗措置を委員会に伝えたというのです。委員会の事務方である国連人権高等弁務官事務所ヘの拠出金
皇位の「男系男子」継承は「基本的人権の侵害」ではない──国連の女子差別撤廃委員会に「皇室典範改正勧告」の削除を要求した日本政府の「あとの祭り」(令和7年1月29日)
昨年10月末、国連の女子差別撤廃委員会は日本政府に対して、男系主義を採る皇室典範の改正を勧告した。最終見解は「皇統に属する男系男子だけに皇位を継承させることは、(女性差別撤廃条約の)第1条および第2条と両立せず、条約の目標と目的に反する」と断定している〈https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_teppai/pdf/report_24
もっとみる皇位の男系継承は「世界の流れに逆行」。国連の女性差別撤廃委員会「勧告」にエールを送る河西秀哉准教授の「祭祀無視」。起用した朝日新聞の思惑と限界(令和6年12月1日)
(画像は2024年10月30日づけ朝日新聞記事)
国連の女性差別撤廃委員会は10月末、日本に対して、男系男子継承を定める皇室典範の改正を勧告した。すでに書いたように、これについて朝日新聞は、何本もの関連記事を載せている。じつに熱心だ。
今回は、女系継承容認派で知られる河西秀哉・名古屋大学大学院准教授に取材し、「日本は世界の流れに逆行」と語らせた、河崎優子記者(宮内庁担当)の記事を取り上げる。歴
官僚たちにとっての「望ましい」皇位継承とは? 小泉「要請」のはるか前に、宮内官僚たちが資料収集を始めていた──皇室典範有識者会議報告書を読み直す その2(2009年3月31日)
(画像は平成17年11月24日、古川座長から「報告書」を受け取る小泉総理@官邸HP)
▽1 祭祀軽視の背景に何があるのか
当メルマガは前号から皇室典範有識者会議の報告書(平成17年11月)を読み直す作業を始めました。
前回は春季皇霊祭・神殿祭に皇太子殿下の拝礼・御代拝がなかったことを取り上げました。トルコからのご帰国を1日早めればいいものを、そのような日程を側近らが組まなかったのは、「神
国連女性差別撤廃委員会は4年半前から「皇室典範」改正を日本に迫っていた(令和6年11月21日)
国連の女子差別撤廃委員会は先月(令和6年10月)、皇位の男系継承を定める皇室典範の改正を勧告する最終見解を発表した。前回(平成28年)は、見直しを求めるのみならず、女系継承容認をも勧告する最終見解が、ひと月前になって、突如、まとめられようとしていたのを日本政府の抗議によって、ギリギリの段階で該当部分が削除されたと伝えられている。
日本政府の抗議で火種は消えたはずなのに、なぜ今回、ふたたび燃え上が
敵は本能寺にあり──日本政府は国連女性差別撤廃委員会で、「天皇=祭祀王」とは訴えていない(令和6年11月17日)
(画像は女性差別撤廃委員会報告の概要を説明する男女共同参画局HP)
「皇統を守る国民連合の会」の葛城奈海会長は、国連の女性差別撤廃委員会の会合で、「天皇は祭祀王だ」と説明し、男系継承主義が女性差別に当たるとする指摘に反論するスピーチを行いました。他方、3日後の審議会で、日本政府代表団は「委員会がわが国の皇室典範について扱うのは適切ではない」と異議を唱えました。産経新聞の阿比留瑠偉論説委員によると
所功先生、「真剣な議論」には「正確な歴史」が必要ではありませんか?──朝日新聞・中田絢子キャップの記事を読んで(令和6年11月5日)
案の定です。女系継承容認派が蠢き出しました。まずは代表的論客の所功先生です。
先月29日に国連女性差別撤廃委員会が「最終見解」で、「男系男子」継承を定める皇室典範の改正を勧告したのに対して、朝日新聞(中田絢子・宮内庁キャップ)はすかさずその翌日、所先生に取材し、皇室典範が「男系男子」に限定した「2つの理由」を語らせ、「前提が変わっている」のだからとして、「真剣な議論」の喚起を提起しています。
産経新聞・阿比留瑠偉論説委員さま、天皇はいかなる「祭祀王」なのでしょうか?──国連女性差別撤廃委「葛城奈海スピーチ」記事を読む(令和6年11月3日)
(画像は宮中三殿。宮内庁HPから拝借しました。ありがとうございます)
すでに書いたように、国連の女性差別撤廃委員会は先月29日、皇位継承を「男系男子」に限定する皇室典範の改正を勧告する「最終見解」を発表した。
産経の報道によると、これに先立って、「皇統を守る国民連合の会」の葛城奈海会長は、同委員会の会合で、男系継承主義=「女性差別」との見方に反論した。
これについて、産経の阿比留瑠偉・論説委