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暮らし、あたたかいもの

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私の日常です。
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あるカタチのドライブデート

あるカタチのドライブデート

平日の日中、多くの人がそうするように、同居人も仕事に出かける。
彼と私は、それぞれに障害をかかえていることもあり、社会人として外で働くには弱くて柔らかい。
外で働くには弱くて柔らかいについて少し補足すると、私の感覚では、疲れやすいうえ疲れがたまると鬱っぽくなりやすいように思っている。
そんなこともあり、朝の身支度を済ませた彼を見送る際、疲れた顔をしていたり、当日の天気が雨だったりしたとき、私の都合

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ある朝を丁寧に

ある朝を丁寧に

カーテンの隙間から、部屋の中よりほんの少し明るい光が入る時刻に目を覚ますと、つい今見た夢が頭の中から消えかかりながら、おぼろげに今日が始まる。
窓を開けると、夜中の間に吐き出した重たいものが、ひんやりと新しい空気と入れ替わって清々しい。
寝室を出るとはじめにコーヒーを淹れる。
コポコポと音を立てながら、部屋を香りで包んでくれるので、適度な刺激がまだ眠っていた細胞を徐々に起こしてくれる。
平日の朝食

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ふたつ、ひとつ、ふたつ

ふたつ、ひとつ、ふたつ

朝食を終えると同居人は煙草を吸う。
その間に食後の食器を片付け、コーヒーを用意するのが私の日課だ。
マグカップはお揃いではない。
ひとつは、二年前のクリスマスにリクエストを受けて贈ったSnow Peakのマグカップ。
彼は、朝からキンキンに冷えたコーヒーを飲みたがるので、たっぷりの氷の上から熱々の液体を注ぐ。
ステンレスの中で氷がカラカラと鳴ると、コーヒーの香りも相まってほんの少し頭が冴える気がす

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