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みかんの妖精とオレ
オレは、みかんの妖精と遊んでいた。妖精は小さくてふわふわで、まるで朝の陽だまりみたいにあたたかい。「ほら、もっとこっち!」とくるりと跳ねてみせる。妖精が小さな手でみかんをころんと転がすと、オレも夢中になって追いかけた。
「ミーシャ、みかんで遊んじゃダメよ。」人間が笑いながらオレを見ている。
「違うんだ、妖精がいるんだぜ!」そう鳴いてみたけど、人間にはどうやら伝わらないらしい。
「なぁ、人間には君のことが見えないのか?」オレは妖精に尋ねた。
「そうなんだ。人間には僕の姿は見えない。でも、君がここにいて、こうして遊んでくれるならそれで十分さ。」妖精の声は、コタツの中の静けさに溶けていった。
オレは考えた。見えるものが真実なら、見えないものは嘘なのか?でも、オレは知っている。この小さな妖精と遊ぶ時間のあたたかさは、コタツの中で寝るのと同じくらいあったかい時間だってことを。それだけで十分じゃないか、とオレは思った。
「人間って、かわいそうだな。」オレがつぶやくと、妖精は優しく微笑んだ。「見えない方が幸せなこともあるさ」
「そうなのかな……でも、オレには君が見えてよかったよ。」
オレは妖精と一緒にもう一度みかんを転がした。それをみた人間が「ミーシャ可愛いね」って笑ってくれたから、まあ、それも悪くないかなって思った。
youtubeへ動画を載せています(*´ω`*)AIイラストと朗読を入れて、優しい世界観を出せるように努めています(・∀・)
他にも小さな物語をご用意しておりますのでぜひご覧ください🤭あなたのスキな物語が見つかりますように♡
あとがき
この物語で伝えたいことは「見えるままを捉えればいい」です。
自分が見えている世界を信じて、幸せを逃さないで。見えないことをどうにかしようとしなくても、今見えている世界に答えがある。
そんな気持ちが湧き出たのでここに軸を置いて制作しました。
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